長期排菌例にご注意

この文書は原典から翻訳したものです

出典はJ Clin Microbiol 33: 1602-1605 (1995)
Long-term shedding and clonal turnover of enterohemorrhagic Escherichia coli O157 in diarrheal diseases.
H. Karch, H. Russmann, H. Schmidt, A. Schwarzkopf & J. Heesemann

論文アブストラクト部分の和訳です。(翻訳 山本 憲)

Shiga-likeの毒素を産生する大腸菌O157株が下痢発症後どれほどの期間排出され続けるか を調べる目的で53人の患児から得られた一連の456サンプルについて調べた。大腸菌 O157株の判定には特異的な抗血清により沈降させた後DNAをプローブに用いた。便標本 の採取は9日以内に集められた連続した3サンプルが陰性になるまで続けられた。排出期 間のメジアンは、下痢あるいは出血性腸炎の患児群では13日(2ー62日間に分布)、 HUS発症群では21日(5ー124日)であった。36例(68%)の患児では最初のサ ンプルのみ陽性で続く3サンプルでは陰性であった。7例(13%)の患児では大腸菌 O157株排出は下痢の発症から32日以上継続した。これらの長期長期排菌例では期間の 終わりでは臨床上は無症状であった。12例の患児では1度ないしは二度連続して便サン プルが培養上陰性であった後最長8日後にとられたサンプルは培養上陽性となり、陽転後 のサンプルもまた陽性であった。
 発症直後と最後に検出された大腸菌O157株(からとられたDNA)をパルスフィールド電気 泳動法によって分析した結果、長期排菌者のうち7例中3例で電気泳動パターンに変化が 認められた。うち2例では泳動パターンから判断する限り感染が維持されているあいだに Shiga-like毒素の遺伝子が欠失していた。長期排菌者にともない遺伝子型が変化する ことは 役学上あるいは診断上意味をもつと考えられる。