この文書のオリジナルは1995年の米国食品薬品局(FDA)の一般消費者向けリーフ
レット(199512月改訂版)から引用しました。
原典はhttp://www.fda.gov/fdac/features/895_kitchen.htmlにあります
私のお家の台所は安全かな?
Paula Kurtzwell著
”奇麗な台所”と聞いて皆さんはどのようなことが思いつくでしょうか? ぴかぴか
の床?
しみ一つ無いステンレスの流し台? それともきちんと整理されている物入れ??
そのようにしてあることは良いことです。しかし本当に”きれいな”台所ー食べ物
を安全に処理できるようになっているかどうかーは単に見映えがいいとゆうだけでは
保証されません。食べ物の取扱にも注意が必要です。
家庭内での食べ物の安全性は主に次の三点で決まってきます。
1)食品の保管状況
2)食品の取扱方法
3)調理法
あなたのお家ではこの三点がきちんとできているかどうかちょっと調べて見ましょう。
クイズ
三択です。
- 1.家の冷蔵庫、中の温度は
a)10℃位
b)5℃位
c)知らない。適当なところに調節されているんじゃないの?
- 2.この前お肉や魚を炊いたのが残ったとき残った分は
a)室温までさまして、それから冷蔵庫にしまった。
b)残ると判ったらすぐに冷蔵庫にしまった。
c)一晩中出しっぱなしだった。
- 3.この前流しの排水管やごみ入れをきれいにしたのいつだったかな?
a)昨夜
b)二三週間前
c)やったことない
- 4.生の肉類や魚を切ったあと(直後でも)、次に何かを切るときにマナイタは
a)そのまま使った
b)布巾でぬぐった
c)お湯と石鹸で洗って弱い目の漂白剤にさらした。
- 5.この前家でハンバーグを作ったとき私のは
a)レアだった。
b)中が少し赤かった。
c)完全に中まで火が通っていた。
- 6.この前家でクッキーを焼いたとき、生地はどうしましたか?
a)生卵を入れて、ちょっと味見をした。
b)店で買ってきて、ちょっと味見をした。
c)焼き上がるまで味見はしなかった。
- 7.台所の流し台で食べ物と接触する可能性のあるところの掃除には
a)水だけ使っている
b)お湯と石鹸
c)お湯、石鹸それに薄い漂白剤
d)お湯と石鹸それに市販の消毒剤
- 8.洗ったあとのお皿は
a)自動皿洗い機に任せる。
b)数時間流しに浸けておいてそれから水を変えずに石鹸とお湯であらう。
c)すぐにお湯と石鹸とで洗って乾かす。
d)すぐにお湯と石鹸で洗って、布巾で拭いて水気をとる。
- 9.この前肉や魚を調理したあと手をきれいにするのに
a)タオルで拭いた。
b)水道の水で流した。
c)お湯と石鹸で洗った。
- 10.冷凍の肉やお魚、家で解凍するには
a)調理台に載せておく。
b)冷蔵庫にしまう。
c)電子レンジで”チン”する
解答と解説
- 1.正解 b)二点
冷蔵庫内の温度は5℃以下にしておいてください。FDAの食品衛生部門のJoseph
Madden博士によると多くの人が冷蔵庫内温度を適切に保つことの重要性を見落として
いるそうです。”調べて見るとかなりの家庭で冷蔵庫内温度は10℃あるいはそれ以
上に上がっている。”そうです。 彼は温度計で庫内温をはかり、必要なら温度調節
ダイアルを強くすることを勧めています。
庫内温を5℃以下に保つことはほとんどの細菌の生育を遅らせる点で大事です。こ
の温度では細菌は死滅するわけではありませんが増えるのは遅らせることができます
。細菌数が少なければ少ないほど食中毒の危険性も低くなります。
食品を冷凍すると細菌の増えるのは止められます。しかし凍らせる前に既に居る細菌
を全滅させることはありません。
- 2.最適な方法はb)です。2点
ホカホカの食べ物は調理後二時間以内にできるだけ早く冷蔵庫にしまってください。
調理後二時間以上過ぎたら貯蔵するのはやめるように。二時間を過ぎたらちょっと試
してみるのもやめてください。もし病原性の細菌で汚染されていたら、少し試してみ
ただけでも食中毒を起こす危険があります。
残り物には安全な期間がわかるように日付をつけましょう。きちんと冷蔵してあれば
たいていの場合3ー5日は大丈夫です。でも怪しかったら捨てましょう。FDAの細菌
学者のJeffery Rhodehamelさんの意見では”食中毒になることを考えると、多少食べ
物をケチッテも意味がない。”そうです。
- 3. 正解 a)二点、b)一点
FDAのMaddenさんの意見では流しの排水管、ゴミ捨て、パイプの継ぎ目は良く見落
とされているそうです。しかしこれらの部分も定期的に、1リッター(五カップ、牛
乳の紙パックの大きいほう1本分)の水に5ml(小さじ2杯)分の塩素系漂白剤(キ
ッチンハイターなど)を溶かしたものか、あるいは市販の洗浄剤に添付されている使
用説明書にしたがって作られた液、のどちらかを流して掃除・消毒する必要があります。
食べ物の残りかすがこびりつき、湿ったままでいると細菌の繁殖に最高の条件にな
ってしまいます。
- 4.C)二点
FDAのDhirendra Shah博士に依るとお湯と石鹸で洗って、薄めた漂白剤で消毒するこ
とは実際的に一番安全な方法だそうです。
もし普段a)の様にされていたら安全上非常に問題です。肉類や魚と他の食品とが接
触することは絶対に避けてください。
またb)のようにされていても適当ではありません。布巾で拭うような不適当な洗い
方では細菌を取り除くことはできません。
- 5.c)二点
ハンバーグを食べるなら一番安全な方法は、真ん中から赤味がなくなり、汁気が透き
通るまで火を通すことです。レアだとそうなりませんし、ミディアムでもこうなって
いるとは限りません。ハンバーグのパテを含めて、最低限70℃まで食品を加熱すれ
ば通常は食中毒は防ぐことができます。お肉も芯まで火を通せばこの温度まで加熱さ
れています。
安全性を求めるなら、調理後の肉類や魚を食品用温度計で測って見てくださいそうす
れば食品の内部まで安全な温度範囲に達したがどうかが確認できます。
電子レンジ用食品の場合電子レンジでの加熱時間など調理法に従ってください。電子
レンジで料理すると食品内部に高温の部分ができます。食べるまで少し待つことで周
りに熱が伝わり食品全体が安全温度範囲になります。
- 6.正解 b)、c)二点
もしa)のようにされていたら、卵の殻に着いているかもしれないサルモネラ菌に感
染する危険があります。卵そのものや卵を含んだ食品は60℃まで加熱すればこのサ
ルモネラ菌を殺すことができます。食べるのはきちんと焼き上がってからにしましょう。
自家製の生卵を含んだ食品、例えばアイスクリーム、ミルクシェーキなどはサルモ
ネラ菌感染の危険があります。しかし工場で作られたそのような製品は大丈夫です。
工場では、加熱殺菌した卵を使っていますし、そのうえサルモネラ菌を殺すために酸
性になるようにしてあります。市販のクッキー生地では食中毒の危険はありません。
以下略
- 7.c),d)二点、b)一点
FDAのMaddenさんによると塩素系漂白剤や市販の台所用洗浄剤は使用説明書に従って
薄めて使う限り最適な殺菌剤だとのことです。細菌を取り除くには最も適しています。
お湯と石鹸の組み合わせも効果はあります。しかしあらゆる種類の細菌を殺せる訳
ではありません。
水だけだと見た目はきれいになるかもしれませんが、細菌まできれいに落せる訳で
はありません。
同時に洗うのに使う布巾やスポンジも清潔にしておいて下さい。もし濡れていると
これらに細菌が附くだけでなくそれらの上で細菌が繁殖することにもなりかねません。
- 8. a),c)どちらも二点
b)やd)はどちらも問題を起こすかもしれません。FDAのMaden氏によるともしお
皿を長時間水に漬けっぱなしにしておくと”スープ状になってしまい、お皿についた
食べかすが細菌の栄養源になり細菌はどんどん増える”そうです。彼によると手で洗
うなら二時間以内に洗うのが一番だそうです。さらに濡れたお皿を手で扱わなくても
済むように自然に乾燥させるのも良いそうです。
- 9. c)二点
食品特に生の肉や魚を扱う前にはお湯と石鹸で少なくとも20秒は手を洗うようにし
てください。手に何らかの感染(おできなど)があったり切り傷があるような時には
ゴムかプラスチック製の手袋を着用してください。手袋に細菌がついているかもしれ
ないので手袋着用後素手のときと同様に良く洗ってください。(一度手袋をしたあと
は手袋をした手を洗うときにも、着けた手袋を脱いで中の手を洗う必要はありません)
- 10. b)、c)どちらも二点
食品衛生の専門家は食品を解凍するのに、冷蔵庫の中で解凍する、電子レンジを使う
、あるいは防水性の袋に入れて冷たい水に浸け三十分ごとに水を取り変える、の三つ
の方法を勧めています。水を変えることは食品は低温に保ち、細菌の増殖を抑える上
で重要です。
電子レンジを使うときにはパッケージの処理法に従ってください。均等に加熱される
よう食品同士あるいは食品と電子レンジの壁との間は5センチ程は間隔をとってくだ
さい。小さい塊のほうが大きな塊よりも均等に速く解凍されます。
解凍したらすぐに調理してください。
冷水に浸けないで調理台の上で肉類や魚を解凍しないように。細菌は室温では何倍に
も増えてしまいます。
さてどうだったでしょうか?
- 20点:家庭内での食品の取扱に自信を持ってもらって大丈夫。
- 12-19点:家庭内での食品の取扱方をもう一度調べて見てください。
大事な点を何か飛ばしていませんか?
- 11点以下:家庭内での食品の取扱方法、貯蔵方法、また調理方法について直ちに対
策をとってください。今のままだと家族内で食中毒発生の危険があります。
家庭内での食品由来の疾病
同じ家族の何人かが同時に突然ひどい下痢や嘔吐を訴えた時、多くの場合”お腹に来
るカゼ”によると考えられています。しかし食中毒も考えられないわけではありませ
ん。医師にかからずとも直ってしまうことが多いためどちらが本当の原因かはなかな
か突き止められません。
国中の家庭でこのような症状はありふれたことで、医師が関与しないことも多いため
、食品由来の疾病の実態については良く判っていないと公衆衛生の専門家たちは考え
ています。
食品科学関係者で作られた私的な機関のCouncil for Agricultural Science and Tec
hnologyの分科会では650万から3300万例の食品由来疾病が全米で一年間に起
こっているとの概算を1994年に出しています。報告が寄せられた例の多くは商業
的に調理された物に起因するものですが、Food Technology誌の1995年4月号に
よると家庭内での散発的かつ小規模の事件はずっとありふれたことだと予想されてい
ます。
食品衛生の専門家の中には家族が皆忙しくなったため昔と違って食品の取扱に不慣れ
となっていることからも家庭内での食品由来疾病が大きな問題になるかもしれないこ
とを予想しています。
1993年のFDAの調査では男性のほうが女性よりも、また41歳以上よりも40歳まで
の方が食品の取扱に危険度が高いと報告しています。
たとえば一晩室温に置かれていた食品を翌日再加熱せずに食べてー実際は非常に危険
ですー大丈夫と思うかとの質問に12パーセントの男性(女性は5パーセント)が大
丈夫と思う、と回答しています。
さらに年齢別の差を見ると40歳までの層ではほとんど40パーセントの人が十分に
マナイタを洗っていないことがわかります。60歳以上ではこの割合は25パーセン
トです。
一部略
FDAの細菌学者のJeffery Rhodehamel氏によると”食品衛生に関し常識的なことが家
庭内では大事だ”ということです。
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以上 日本語翻訳文責 山本 憲
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