共同研究講座

免疫再生制御学

細胞内代謝制御による細胞品質管理の技術開発
  • iPS由来心筋細胞移植の生着率向上の技術開発
  • がん免疫療法に使用するリンパ球の新規培養技術の開発
  • 遺伝子変異ドーパミン産生細胞のストレス応答能回復の技術開発

再生・細胞医療における移植細胞に対する免疫制御技術の開発と品質管理技術の応用開発

1 研究目的

再生医療において難題であった細胞ソースの問題はiPS由来細胞の開発により、移植細胞としての問題(アロ(同種)抗原に基づく拒絶反応の回避、必要細胞数の確保)が解決され、iPS由来細胞を使用した再生・細胞医療技術の臨床応用への取り組みが行われています。一方、移植後のiPS由来分化細胞のレシピエント内での定着率、長期生存を維持するメカニズム、さらにはがん発生のメカニズムは未解明のままです。私たちは、iPS由来移植細胞のレシピエント内での定着と長期生存にとって移植部位における慢性炎症に起因する障害が重要であると考え免疫応答の解析を行い、さらに再生細胞医療における細胞の機能面での品質を高める新たな技術の構築を目指して細胞内代謝の解析を並行して取り組んでいます。その過程でiPS細胞のそれ以外の細胞の品質向上技術の開発も進めます。対象として、がん免疫細胞治療に用いられる活性化リンパ球とパーキンソン病の原因遺伝子を有するドーパミン産生細胞の機能付加技術の検討を行います。

2 具体的な実施内容/方法

  • iPS由来心筋細胞(iPS-CM)のストレス障害時に惹起される免疫反応とその引き金となるダメージ関連分子(DAMPs)の同定を進めています。定量PCR、ELISA法等によるDAMPsの定量化を行い、重要 DAMPsの割り出しを行っています。
  • 心筋シート移植後の生着率低下に免疫反応が関与することを見出し、その機構を免疫学、組織学的に検討しています。
  • がん免疫治療用の活性化リンパ球の体外培養技術を改善するため、代謝調節剤のスクリーニングを行います。
  • ドーパミン産生細胞の機能的品質を細胞内代謝の評価と、細胞機能活性評価、生存能評価により検討しています。

3 成果目標

  • DAMPsの同定と免疫応答の解析より、移植細胞の生着率を改善する方法を開発する。
  • 活性化リンパ球の機能発揮能力の向上をめざした培養法を開発する。
  • ドーパミン細胞のストレス耐性保持をめざした治療薬を開発する。