共同研究講座

脳神経機能再生学(帝人ファーマ)

ニューロモデュレーション~脳の機能を再生する
  • 世界初の在宅用経頭蓋磁気刺激装置の開発~技術革新~
  • 産学連携・医工連携による医療機器開発・実用化~複合的融合研究~
  • 脳機能イメージングを駆使した脳内回路の解明研究
  • 難治性神経疾患に対する新たな非薬物療法の開発~経頭蓋磁気刺激療法の有効性の検討~
  • 脳神経機能の可塑性に注目したニューロモデュレーション治療~基礎研究との融合~

 

 

「Made in Japan」の非侵襲的脳刺激装置を開発し、革新的なニューロモデュレーション治療を実用化する

脳内には、神経細胞からなる複雑な神経ネットワークが存在し、電気的な信号の相互伝達によって、高度な機能を生み出しています。近年、慢性の痛みや認知症を含む様々な神経疾患・精神疾患で、このネットワークの障害が判明してきています。神経細胞は一度障害されると神経細胞自体の回復は難しいと言われていますが、神経ネットワークを修復することにより、脳の機能が回復することが分かってきました。そのような手段の一つとして、脳刺激療法などのニューロモデュレーション(神経修飾)療法があります。従来、外科手術が必要であった脳刺激療法ですが、近年、手術を必要としない反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)などの非侵襲的脳刺激法の開発が進んでおり、新たな治療法として期待されています。rTMSは、慢性疼痛、脳卒中後運動障害、パーキンソン病、うつ病などに対して効果が示唆されており、これまで治療法のなかった様々な神経疾患の実臨床への実用化が期待されています。

当研究室は、世界に先駆けた在宅用rTMS治療装置の開発と、それを用いた治療法の実用化に向けて、企業、工学系研究室、学外の研究所との多業種による複合的融合研究を進めています。より効率的な脳刺激を可能とする革新的な磁気刺激コイルの開発、反復使用に適した操作性の高い治療システムの開発を通じて、在宅やクリニックで簡便に施行可能な脳刺激療法の実用化を目指しています。

当研究室では、難治性神経障害性疼痛、脳卒中後運動障害、パーキンソン病に対して、rTMSの有効性と安全性を報告してきました。rTMS治療の実用化を目指し、2015年より難治性神経障害性疼痛を対象とした医師主導治験を行っています。本治験では、大阪大学を中心に多施設共同で連日刺激の有効性と安全性を検証しています。それと同時に、脳機能MRIや脳磁図などを用いた脳機能画像などの解析を行い、慢性疼痛患者の脳内ネットワークの解析やバイオマーカー(病態指標)の開発、痛みのメカニズムについても調べています。また、脳の信号を解読して脳機能を修飾するデコーデッドニューロフィードバックを応用した新たな非薬物療法の研究も進めています。このように当研究室では、疾患病態解明からバイオマーカー開発、治療機器開発、治療法実用化まで、基礎から応用までを様々な業種や施設と連携して研究開発をしています。