共同研究講座

先進幹細胞治療学

再生医療の普及を加速させる(実用化及び産業化)、基盤研究と応用研究の融合
  • 脂肪組織由来間葉系間質細胞を用い多種多様な疾患の治療に応用
  • 細胞機能解析や同種免疫など作用メカニズム研究
  • 細胞シート・スキャフォルド・ゲル包埋など製剤化検討
  • 低侵襲移植など新規移植方法の研究開発

同種脂肪組織由来間葉系間質細胞の臨床応用に向けた研究開発

再生医療につき、今後の展開を医療と産業化という面からとらえますと、現状では世界の動向もいまだ自家細胞を使った皮膚や軟骨、骨等が再生医療の中心であり、このような自家細胞を使った治療は市場規模的にも限界があります。そこで、今後の再生医療のおおきな展開を考えた場合、同種細胞(または他家細胞)を用いた再生医療産業化のパラダイムシフトが必要であると考えられます。これによって市場規模が拡大されや産業化が大きく発展すると考えます(図1)。

現在、脂肪組織由来間葉系間質細胞(ADSCs)を生物由来原料基準に則った製造方法で大量に培養し、高い分化誘導能・サイトカイン供給能を維持したまま冷凍保存することが可能となりました。そこで私たちは、産業化の面から同種ADSCsを多種多様な疾患治療に応用すべく研究を進めています(図2)。

その一例として、虚血性心疾患に対しADSCsを移植することで心機能が改善するというデータを得ました。その研究過程でADSCsを心臓手術で通常使用される技術を応用して心臓に投与する移植方法を開発しました(特許申請中)。その技術により、凍結保存された細胞を融解してから移植まで数十分という短時間で可能にすることに成功しました。この技術を実用化できれば、臨床の現場での緊急手術にも対応できると考えています。

このように心臓血管外科領域のみならず、他領域で迅速に臨床応用が可能となるように努力しています。また同時に、その過程で将来の礎となるような同種ADSCs治療のメカニズムや免疫寛容システムの基盤研究も行っています。さらに、外部研究機関や企業と連携して、低侵襲性移植を目指した様々な投与方法の検討も計画中です。(図3)。