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【日 時】 平成22年6月14日(月)18:30〜
【場 所】 大阪大学医学部 講義棟2階 B講堂
【演 題】 「インスリン治療;基礎から最近の話題まで」
【演 者】 小杉圭右(大阪警察病院副院長)
インスリン治療の基本は、生理的な血中インスリン濃度になるようにインスリンを投与することである。生理的なインスリン分泌を考える際には、食後にブドウ糖などの栄養を肝臓や脂肪に貯えるため分泌される追加分泌、空腹時に抗インスリンホルモン(グルカゴン、コルチゾールなど)による血糖上昇を抑制するための基礎分泌に分けると理解しやすい。
追加分泌を補うものとして以前はRインスリンが使用されていたが、高濃度ではインスリンが重合し六量体を形成するため、注射後2-4時間にしか効果が発現せず、今では重合しない超速効型インスリンとしてリスプロ(ヒューマログ)、アスパルト(ノボラピッド)、グルリジン(アピドラ)が広く使用されている。
基礎分泌を補うものとして以前はNインスリンが使用されていたが、Nインスリンはピークを作ること、持続時間が18時間程度であること、注射前に均一化するため攪拌が必要であるなど問題が多かった。今では持効溶解型として、グラルギン(ランタス)、デテミル(レベミル)が広く使用されるようになった。
2型糖尿病の原因としては、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性があるが、血糖が悪化するとさらに分泌が低下し、抵抗性が増す悪循環となり(糖毒性)、経口剤では血糖コントロールが困難となりインスリン治療が必要となる。そのような場合、入院し持効溶解型と超速効型インスリンできっちり血糖をコントロールすると、比較的短期間(1-2週間)に抵抗性・分泌が改善し、少量の経口剤で血糖管理が可能となる場合が多く、インスリン治療への早期の変更が望まれる。
しかし頻回注射を受容することが難しく、1回注射なら可能と言う場合も多い。その点、経口剤をそのまま継続投与しながら、持続型インスリンを追加するBOT(Basal Supported Oral Therapy)療法はしばしば血糖コントロールに有効である。
インスリン治療は非常に有効であるが、低血糖はインスリン治療継続に障害となるため、導入時にはインスリン作用の特徴、低血糖などについて十分な説明が大切である。継続的な療養指導も必要であるが、医師のみでは対応は困難であり、看護師、栄養士、薬剤師などを含むチーム医療が必須である。当院におけるチーム医療の実際を紹介したい。
世話人:甲子園大学栄養学部 今野英一
次回、第309回CNCは、看護実践開発科学 梅下浩司先生のお世話で平成22年7月12日(月)に開催予定です。 |