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1.科目名
皮 膚 科 学
2.担当教員
(1)学内教員
片 山 一 朗:皮膚科学講座
板 見 智:皮膚科学講座
玉 井 克 人:遺伝子治療学講座
佐 野 栄 紀:皮膚科学講座
樽 谷 勝 仁:皮膚科学講座
乾 重 樹:皮膚科学講座
中 村 敏 明:皮膚科学講座
山 口 裕 史:皮膚科学講座
長 澤 智 彦:皮膚科学講座
谷 守:皮膚科学講座
室 田 浩 之:皮膚科学講座
(2)学外教員
西 岡 清:横浜赤十字病院
岡 田 奈津子:大阪厚生年金病院
佐 藤 健 二:近畿中央病院
井 上 千津子:大手前病院
土 居 敏 明:大阪労災病院
金 田 真 理:金田内科クリニック
衣 笠 哲 雄:きぬがさクリニック
東 山 真 里:日生病院
片 岡 葉 子:大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター
浅 田 秀 夫:奈良県立医科大学
羽 白 誠:大阪警察病院
調 裕 次:NTT西日本大阪病院
田 所 丈 嗣:国立病院機構大阪医療センター
宮 島 進:大阪厚生年金病院
大 畑 千 佳:大阪労災病院
(3)カリキュラム担当教員
樽 谷 勝 仁:皮膚科学講座
3.学習目標
視診、触診は臨床診断学の第一歩であり、医師と患者との接点となるため、実地臨床医学教育にとって極めて重要である。皮膚に現れる病変について学習し、皮膚を診る習慣を養う。次いで代表的皮膚疾患につき皮膚病変とその成立機序を学習する。
4.概 要
代表的皮膚疾患については教科書レベルを超えたup-to-dateな話題を交えた講義とし、実習にあたっては疾患を有する患者さんの診断と治療のプロセスへの理解を深める。
5.講義日程
6.講義内容
(1)皮膚科総論T(皮膚科診断学)
皮膚は生体の最外層を覆う器官であり、内外からの影響を受けて鋭敏に反応し、様々な病変を呈する。「皮膚は内臓の鏡」ともいわれる所以である。この講義では、臨床医に必要な皮膚疾患の概説を行うが、単なる暗記ではなく、皮膚結合組織の構造と機能を理解し、病変を見た場合の診断の仕方を、(1) 皮疹の見方、(2) 病理所見、(3)病因、(4) 病態などを把握しながら学んでほしい。
(2)皮膚科学の考え方
皮膚にはいろんな形態が表現される。この表現系をどのように捉え、かつどのように演繹するかによって皮膚疾患の診断とそれに基づく治療方針の決定が行われる。本講義では、皮膚疾患の診断と治療法確定への思考方法について講義する。
(3)皮膚科総論U(構造と機能)
皮膚は生体最大の臓器であり外界から生体を保護する役目を担う。その保護機能がどの様な構造(分子レベルで)維持されているのかを主に先天異常症の皮膚症状から概説する。
(4)紫外線と皮膚
紫外線は利害関係を含めて色々に評価されている。地球周囲にオゾン層が発生して以来、紫外線を害とする生物が増えた。人の皮膚は紫外線に影響される部位であり、慎重な検討が要求される。環境の一要素である紫外線を物理学、化学、生物学を通して皮膚科学に進める内容として概説したい。
(5)接触皮膚炎とアレルギー学
接触皮膚炎は湿疹・皮膚炎群に属し、もっともポピュラーな皮膚疾患である。Tリンパ球により惹起される湿疹反応をその共通の特徴とする。湿疹反応は表皮を介して入ってくる化学物質、細菌、真菌などを排除する過程で作働する防御システムに付随して生じる。その破綻はアレルギーという表現型をとる。本講義では接触皮膚炎をモデルとして皮膚のアレルギー学を概説する。
(6)アトピー性皮膚炎 痒疹 蕁麻疹
蕁麻疹は、臨床各科で遭遇する機会のある疾患である。病態、分類、治療の総説ともに、各論では全身疾患との関わりの深い蕁麻疹を重点的に解説する。アトピー性皮膚炎は、皮膚科臨床の中で頻度が高く、近年増加傾向にある疾患である。アトピー性皮膚炎の疾患概念、歴史、症状、原因あるいは悪化因子、合併症、治療について概説する。痒疹については臨床像の概略をとらえられるよう代表的な症例を供覧する。
(7)紅斑類、動物による皮膚炎
紅斑類は、多型滲出性紅斑、結節性紅斑、環状紅斑、Sweet病、Behcet病などについて解説する。動物による皮膚炎は、節足動物(ダニ、シラミ、 疥癬、毒蛾など)によるものと、それ以外の生物(ヘビ、海洋生物、幼虫爬行症など)によるものついて解説する。
(8)薬疹とGVHD
(9)先天性角化症
最近の分子生物学の進歩はめざましく、先天性疾患の原因遺伝子が次々と発見されている。先天性角化症の中でもその原因遺伝子が比較的古くから見つかっており、モデルマウスまで作製されているものもあれば、最近見つかりその遺伝子が皮膚の増殖分化とは全く関係なかったというものもある。それらの疾患の臨床及び病態について供覧する。
(10)炎症性角化症
炎症性角化症は炎症を伴う角化症であり潮紅と角化を特徴とする。このうち尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、扁平苔癬など比較的頻度の高い疾患を中心に概説する。これら疾患の病因、臨床状況、診断、治療について基本的内容を理解することを目的とする。
(11)膠原病
膠原病は皮膚科、内科、整形外科など複数の診療科にまたがる境界領域の疾患である。全身症状の出現と同時にあるいは先行して様々な皮膚病変が見られることより、その診断と病態の理解はどの診療科においても必要不可欠と考えられる。このような全身病としての膠原病診療において皮膚科医の果たす役割を概説する。
(12)メラノサイトと色素異常症
皮膚及び虹彩の色調はメラノサイトの機能に依存し、多因子(紫外線、隣接細胞、ホルモン)の影響を受ける。メラニン生合成を中心にメラノサイトを細胞生物学的に概説し、他細胞との相違点を明確にする。更に先天性及び後天性色素異常症について最新の知見を網羅できるよう解説する。特に罹病率の比較的高い尋常性白斑にて解決すべき多くの問題点について議論する。
(13)水疱症(先天性・自己免疫性)
水疱症には非常に多様な病型があり、それらを覚えることはなかなか難しく思えるだろう。しかし、そのメカニズムと臨床像がよく対応しているのでそこをおさえれば理解はやさしいことをわかってもらいたい。また近年明らかになりつつあるその病態の分子メカニズムにも触れたい。
(14)全身疾患と皮膚(血管炎・代謝異常含む)
全身性疾患に伴いさまざまな皮膚症状を生じる。とくに皮膚所見により全身性疾患の発見、診断にいたることも多くそのサインを見逃してはいけない。今回、内臓悪性腫瘍・肝障害・腎障害・糖尿病その他の代謝異常症・血管炎その他の循環障害などの全身疾患と関連した皮膚所見・皮膚疾患につき解説する。
(15)付属器疾患・脱毛・ニキビ・QOL・Anti-aging
脱毛・ニキビと言った付属器疾患はいずれもホルモン学的機序により発症し、さらに年齢層を違うがQOLに大きな影響を及ぼす点が共通する。これらの疾患のメカニズムと治療について述べることでホルモン学的な、またAnti-agingの側面からみた皮膚科学の基礎と臨床を解説したい。元気で楽しい皮膚科学を実感しさらに興味をもって頂ければ幸いである。
(16)リンフォーマ
皮膚原発悪性リンパ腫についてEORTC分類とWHO分類を用いて病態、診断、治療について説明する。特に診断に至るプロセスと最新の治療についての理解を目指す。
(17)母斑・母斑症
母斑は皮膚科領域においてしばしば認められる疾患で、母斑症は母斑の範疇に属する病変が皮膚及び他の他器官にも生じる通常先天性、遺伝性疾患である。中でも結節性硬化症やレックリングハウゼン病は原因遺伝子の解明に伴って、この10年で急速な発展をみた疾患である。これらを中心に症状や原因を臨床的、基礎的見地から最新の知見を交えて解説する。あわせて、遺伝子相談についてヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理規範を交えて解説する。
(18)皮膚腫瘍
代表的な皮膚腫瘍である脂漏性角化症、日光角化症、基底細胞癌、乳房外ページェット病、悪性黒色腫、菌状息肉症などについてその病態、臨床像、組織像、治療法について概説する。
(19)感染症とフットケア
目標:下肢感染症の危険性とそれに対するフット・ケアの重要性を理解する。内容:下肢を中心とした感染症は、糖尿病をはじめとした易感染状態の症例に生じ易く、経過により下肢の切断や、敗血症など、機能予後や生命予後にも影響を及ぼす重大な病態を招くこともありうる。今回の講義では、様々な臨床症例を提示しながら、感染防御、発症予防のためのフット・ケアについてその重要性を解説する。
(20)感染症(ウイルス)
皮膚科の日常診療において遭遇する頻度の高い、ヘルペスウイルス感染症、パピローマウイルス感染症、急性ウイルス性発疹症を中心に様々な症例を紹介し、臨床症状、診断、治療ならびに診療上の注意点について基本的な知識を習得させる。また、ウイルス感染症とアレルギーとの接点について最近の知見を交えて紹介する。
(21)皮膚外科
良性及び悪性の皮膚腫瘍、熱傷や褥瘡を含む種々の要因による皮膚潰瘍、そして色素異常症など皮膚外科が扱う疾患は多岐にわたっている。皮膚外科の対象疾患に関して、外科的治療の適応と実際の治療方法について若干の解説を行う。
(22)美容皮膚科
ここ数年来、皮膚そのものの美しさ、素肌の美しさを求める社会的なニーズの高まりにつれ、皮膚科医の中からも、いわゆる"しみ" ・"くすみ"、毛細血管の拡張、"シワ"、毛穴の開大などの皮膚の老化に対する皮膚の若返りや再構築(Facial Rejuvenetion)に対する関心が高まっている。今回『美容皮膚科』における治療手段として、ケミカルピーリングを中心に、コラーゲン・ヒアルロン酸の注入、ボトックス注入、IPLなどの光治療、クールタッチ・サーマクールなどのレーザー治療、イオン導入・ビタミン導入などのメディカルエステ、レチノール・ハイドロキノンなどの外用剤、電気脱毛・レーザー脱毛などの脱毛術、育毛術・植毛術等について言及するとともに、多数の症例を供覧する。
(23)皮膚科と再生医療(糖尿病の管理含む)
皮膚創傷治癒過程では上皮と真皮の相互作用が重要である。この過程におけるシグナル伝達について分子レベルで理解を深める。また近年増加してきている糖尿病性足潰瘍の治療を中心に細胞増殖因子製剤、人工皮膚、骨髄幹細胞による皮膚再生医療について紹介する。
(24)皮膚疾患の遺伝子治療
21世紀未来医療のひとつとして遺伝子治療がいよいよ現実になりつつある。皮膚は成体の再外層に位置するため、遺伝子導入、効果判定および安全性評価に極めて適した臓器である。本講義では、皮膚疾患に対する遺伝子治療の現状とその問題点、さらに将来の展望に関する総論を概説すると共に、現在大阪大学で進められているアトピー性皮膚炎、遺伝性水疱症、さらには悪性黒色腫などの皮膚悪性腫瘍を標的とした遺伝子治療法開発の現状について学ぶ。
(25)心身症と皮膚疾患
皮膚疾患における心身症は、皮膚疾患がストレスによって影響を受けるものと、皮膚疾患がストレスになるものとがある。そのほか性格的なものが皮膚疾患のコントロールに影響するものや精神疾患で皮膚科的主訴を呈するものもある。代表的な疾患はアトピー性皮膚炎や慢性蕁麻疹、円形脱毛症のほか抜毛癖や皮膚感覚異常症などである。心身症の概念とこれらの診断や治療について概説する。
(26)ありふれた皮膚疾患と専門医に相談すべき皮膚疾患
さまざまな病気のなかで、皮膚の病気ほど、薬局で薬を買ってすませたり、他科の医師に治療されている病気はない。それは、誰の眼にも見えるからである。情報の9割は、見ることからくると言われる。医学生のなかで、皮膚科の専門医になる人は、1割もいないので、この講義では、非常に具体的に、ありふれた皮膚疾患のなかにどのような病気がかくされているか、どうすべきかといったことを、皮膚疾患のスライドを見せながら、述べる。役に立ちます。
7.教科書・参考文献
標準皮膚科学、小皮膚科学書、New皮膚科学
8.成績評価
1)講義、実習では毎回出席をとる。出席率が特に悪い者は卒業試験に際してペナルティーを課すことがある。
2)卒業試験は筆答で行う。
3)成績は出席率、レポート、卒業試験にて総合的に判定する。
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