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1.授業科目名 2.担当教員・教室 3.学習目標 4.講義の概要、形式 5.講義日程 6.講義内容 (2)全身疾患と耳鼻咽喉科:耳鼻咽喉科疾患には、他科においてプライマリーケアとして必要とされる中耳炎、鼻出血、鼻骨骨折、扁桃炎、急性咽頭炎、呼吸困難などがある。感染症として、顔面神経麻痺(VZV)、風邪、扁桃炎、種々の口内炎(VZV, HSV, measles, candida, STD)、耳下腺炎(mumps)がある。この他、全身疾患とかかわりの深い、アレルギー・自己免疫疾患、腫瘍性病変について述べる。 (3)慢性中耳炎と聴力改善手術・遺伝生難聴の診断と治療:急性中耳炎、滲出性中耳炎の治療が不十分であった り、ハイリスク因子を有すると、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎を発症し伝音難聴、耳漏を呈し、外科的治療によりこれを修復することが必要となる。外耳・中耳の先天奇形や耳硬化症による伝音難聴に対しても聴力改善を目的とした手術が選択される。本講義では、これら伝音難聴の診断、鼓室形成術、アブミ骨手術など外科的治療を解説すると共に、遺伝性難聴についても触れる。 (4)感音難聴の診断と治療・側頭骨外科:感音難聴の代表的疾患である突発性難聴・老人性難聴・騒音性難聴・薬剤性難聴・ムンプス難聴について病態・特徴・治療法を解説し、感音難聴の診断に有用な種々の聴力検査についても概説する。また、近年めざましい発達をとげた側頭骨頭蓋底外科については聴神経腫瘍・グロームス腫瘍・聴器癌を中心にビデオを用いて解剖・手術手技を解説する。 (5)慢性副鼻腔炎と内視鏡手術:慢性副鼻腔炎は副鼻腔(上顎洞、前頭洞、蝶形骨洞、前篩骨蜂巣、後篩骨蜂巣)の粘膜および周囲の骨壁の炎症である。これまでは犬歯窩切開後、上顎骨前壁をノミにて削開し、副鼻腔内の粘膜を可及的に除去するCaldwell-Luc法が主流であったが再発、術後嚢腫の発生率が高かった。近年、副鼻腔炎に対する治療法は大きく変化してきておりマクロライド系抗生物質の少量長期投与及び、内視鏡下鼻副鼻腔手術について解説する。 (6)鼻アレルギーと花粉症:鼻アレルギーの中には、通年性アレルギー性鼻炎、花粉症、血管運動性鼻炎、好酸球性非アレルギー性鼻炎などが含まれる。これらの疾患について、病態、診断法ついて概説する。治療に関しては、保存的治療として、薬物投与と減感作療法、外科的治療法として、レーザー手術、後鼻神経切断術について解説する。 (7)胃食堂逆流症(GERD)と咽喉頭異常感症:胃酸逆流によっておこる症状としては「胸焼け」などの消化器症状を主な治療対象とされてきたが、最近では消化器のみならず耳鼻咽喉科領域の症状である咽喉頭異常感や音声障害などの中にも胃酸の逆流が関与しているものがあると報告されている。さらに、耳鼻咽喉科領域の症状を呈する群は消化器症状の群に比して難治性のものが多いとされており、こうした病態について解説する。 (8)扁桃と免疫:扁桃は感染防御の門戸であり、正常状態では上気道の粘膜免疫の場として抗原特異的IgA抗体を産生し局所免疫に重大な役割を果たしている。その一方、扁桃は急性炎症や慢性炎症の場になったり、あるいは病巣感染のfocusとして全身に様々な疾患を引き起こす事が知られている。本講義では扁桃の生理および、このような各種病態に関して概説する。 (9)嗄声と音声外科:発声は特に特別な訓練を受けずとも可能であるが、そのメカニズムを理解して話したり、歌唱したりしている人は少ないであろう。たしかに、そのようなメカニズムを理解せずとも声は様々な思いを伝えることにより多くの人を感動させる力を持つ。特に音楽に関連した発声は言語・人種すなわち国境を越えて感動を伝える事も可能である。それらの事が不可能になる音声障害についての外科治療を解説する。 (10)唾液腺疾患:唾液腺は耳下腺、顎下腺と舌下腺の3対の大唾液腺と、口腔、咽頭粘膜表面に多数散在する小唾液腺があり、大唾液腺でつくられた唾液は、管を通り口腔内に分泌される。本章では唾液の生理学的意義や 唾液腺疾患の診断と治療について解説する。 (11)口腔癌と誤嚥防止手術:進行口腔癌に対して根治手術を施行した場合、口腔は自家組織を用いて再建するが、嚥下機能の低下は不可避である。誤嚥性肺炎は致死的となりえるため、誤嚥の防止は極めて重要である。本講義では口腔癌について概説するとともに、術後の経口摂取を可能にする誤嚥防止手術を紹介する。 (12)救急疾患/鼻出血・気管食道異物・呼吸困難:耳鼻咽喉科領域の救急疾患について解説する。鼻出血に関しては主に原因疾患の究明と救急止血処置の技術について触れる。気管・食道異物については遭遇しやすい異物の種類を含めた病態と診断、および異物摘出術について概説する。呼吸困難も原因疾患究明と気管切開術などの対処法について解説する。 (13)顔面神経麻痺の基礎と臨床:顔面神経麻痺のうち主に末梢性顔面神経麻痺について原因、頻度、および部位診断と関連した検査法を概説する。また末梢性顔面神経麻痺のうちBell 麻痺は約60%、Hunt 症候群は10%強を占め、後者は varicella zoster virus 感染が関与している。これらの疾患に対する Stennert 法や抗ウィルス剤の使用などの保存的治療と外科的治療である顔面神経減荷術について解説する。 (14)鼾と睡眠時無呼吸症候群:睡眠時無呼吸症候群の定義 は一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上生じる、または睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上生じることである。このために、日中の眠気、居眠り運転で事故などを起こしやすくなり社会問題化している。また治療をせずに放置しておくと生命に危険が及ぶ場合もあり、適正な症状分析と診断、治療、予防などの対策が必要である。 (15)味覚障害・嗅覚障害:味覚、嗅覚ともに化学感覚(chemical senses)と呼ばれ、化学的な感覚によって生じる。いずれが障害されても生活の質は著しく低下するため、的確な診断ならびに治療を必要とする。味覚検査、嗅覚検査について概説し、治療に関しては味覚障害では亜鉛療法を、嗅覚障害ではステロイド投与による治療法を中心に説明する。 (16)咽頭・喉頭癌の診断と治療:咽頭・喉頭癌の早期例では放射線療法で根治可能であるが、進行例では喉頭全摘出を含めた根治手術を余儀なくされ、術後に音声機能の喪失が生じる。近年では喉頭機能の温存を目指し、喉頭部分切除や化学放射線同時併用療法なども試みられている。 (17)上顎癌:副鼻腔癌は上顎洞に発生するものが最も多い。放射線、抗癌剤、手術を組み合わせた集学的治療が行われる。手術としてはDenker手術や上顎全摘術が行われるが、進行例では眼球や頭蓋底を合併切除する拡大上顎全摘術の適応となる。近年では上顎癌の素因となる慢性副鼻腔炎の減少とともに、上顎癌の発生頻度も低下している。 (18)めまいの病態生理:生体は視覚、前庭覚、固有知覚を通して身体の空間における位置や運動の認知(空間認知)を行っている。これらの感覚入力のうち何れか、あるいは複数の障害により生体は空間認知が障害され「めまい」を発症することになる。この講義では中でも特に前庭覚に注目し、末梢内耳から中枢前庭系における前庭覚の認知のメカニズムを詳説しそれが破綻した時に起こる病的異常、即ち眼振や体平衡異常の病態生理を解説する。 (19)めまいの診断と治療:めまいは、平衡機能を維持する器官および反射経路に障害がある時に自覚される症状である。内耳(三半規管、平衡斑)の障害で起こることが多く、小脳・脳幹の血流障害が次いで多い。発作性のめまいで救急外来を訪れる事も多く、めまいの診断と治療はプライマリーケア医として大切な知識となっている。めまいの診断、内科的および外科的治療について述べる。 (20)聴覚障害と補聴:難聴が高度になると内耳障害が原因となり、保存的治療により治すことは困難となる。補聴器が使用されるが、補充現象のために単に音を増幅しても言葉の明瞭さは減少する。しかし、近年は高度の難聴あるいは聾に対して人工中耳や人工内耳が使用される。人工内耳装用の利点としては、ことばの聞き取りや環境音の認識が可能となる他、自声のコントロールができるようになる。内耳性難聴の特徴とその対策について紹介する。 7.参考書 8.成績評価 |