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「子どものこころの分子統御機構研究センター」設立の背景

 いま、日本では少子化が進む一方、犯罪低年齢化、不登校、引きこもり等の子どものこころのひずみによると考えられる社会的問題が大きくクローズアップされています。とりわけ広汎性発達障害、注意欠陥/多動性障害を始めとする発達障害を持つ子どもに適切な教育・療育がなされなかった場合、学校で落ちこぼれるばかりでなく、行為障害・反社会的行動等の二次障害をきたすことがわかってきています。しかし、これらの発達障害の病因に関しては不明な点が多く、生物学的指標に基づいた診断基準がないため、適切な療育・教育をすることが困難となっています。さらに、子どもの統合失調症やうつ病も最近問題となっています。本研究センターは浜松医科大学、金沢大学、中京大学との連携の下、臨床家と分子生物学や神経画像解析研究等の基礎研究者が共同で子どものこころのひずみの原因を科学的に探り、その成果を新たな教育・療育に還元することを目的に2006年4月に設置されました。2009年に開設した連合小児発達学研究科と協働して子どものこころの問題の解決を目指します。

取り組みの概要
 
子どものこころネットワーク1
子どものこころネットワーク2
子どものこころネットワーク3
 

(1)学際的研究システムの構築:
基礎(分子生物学者、神経生理学者)と臨床(医師、教育者、臨床心理士等)が 一体となった研究システムの構築

(2)分子生物学的探索: 新しいマイクロアレイ技法を導入した、革新的なこころのひずみの診断技術。発達障害、統合失調症、感情障害の感受性遺伝子とタンパク質の解析。

(3)環境が発達障害に及ぼす影響の探索:現代社会におけるストレスや環境の変化、とりわけ質の悪い睡眠が発達に及ぼす影響について疫学、分子生物学、生理学的検索により追求する

(4)脳画像研究: ポジトロン CT (PET)、機能的MRI、近赤外線分光法などで行動異常の基礎をなす神経解剖的異常を探索し、分子生物学的探索につなげる

(5)動物モデル解析部門:疾患/関連分子解析部門で発見された遺伝子の機能を遺伝子改変モデルで解析する

(6)疫学的追跡調査と専門家育成: 特別な支援を要する子どもたちがどのくらいの頻度で存在するのかを検索し、現実的なニーズに応じて専門家を養成する

(7)地域ネットワーク支援:民間支援団体や自治体等地域とのネットワーク作りの支援と学部学生の教育。

 

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