大阪大学大学院医学系研究科・医学部

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研究科主催セミナー歴

公開講座・セミナー

第375回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC)

日時 平成29年3月13日(月)18:00~
会場 大阪大学医学部 講義棟2階B講堂
テーマ 栄養と腸内フローラが織りなす腸管免疫環境の構築と健康科学への展開
講師 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 國澤 純先生


近年、アレルギーや生活習慣病との関連も含め、健康維持・増進を担う最重要キーワードとして「腸内環境」が注目されている。食事は栄養素だけではなく、様々な含有成分や代謝物を供給することで生体応答の制御に関わる。さらには数百、数千種類とも言われる腸内細菌も栄養素の供給や食事の代謝に関わる。一方、宿主側の観点で眺めてみると、腸管は消化組織としてだけではなく、最も多くの免疫担当細胞を有する体内最大の免疫臓器である。腸管免疫は免疫本来の機能である異物を認識し排除するだけではなく、有益な異物に対しては積極的に無視や寛容を誘導することで、食事の取り込みや腸内細菌の共存を可能にしている。最近の研究から、腸管の免疫は生体内の免疫、さらには免疫以外の生体応答にも関わることが示されてきている。すなわち腸内環境を介した生体応答を考える際には、腸管免疫と腸内細菌、食事の三者間相互作用が一つの鍵になると言える。
これまでも腸内環境の重要性は広く認識されていたものの、それらを構成する因子が複雑多岐に渡るため、その実体については長い間不明であった。しかしながら近年、次世代シークエンサーを用いた腸内細菌叢の遺伝子レベルでの解析やメタボローム解析による代謝物の測定が可能になってきたこと、さらには免疫学的観点からの腸管免疫のユニーク性が解き明かされてきたこともあり、腸内環境の詳細が明らかになりつつある。本講演では脂質やビタミンといった食事や腸内細菌を介した免疫制御に関する基礎研究の成果とその知見を応用した機能性食品やワクチン開発、創薬などへの応用的展開、さらには医薬健栄研において取り組んでいる健常人を対象としたコホート研究を活用した健康科学に関する研究について、最新の知見も含め紹介したい。

世話人:生体情報科学  木原 進士
E-mail:skihara@sahs.med.osaka-u.ac.jp


                                                                           
次回、376回CNCは、森 正樹先生のお世話で平成29年4月10日(月)開催予定です。



第374回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC)

日時 平成29年2月13日(月)18:00~
会場 大阪大学医学部 講義棟2階C講堂(吹田市山田丘2-2)
テーマ 関節リウマチの環境因子
講師 大阪大学大学院医学系研究科
呼吸器・免疫アレルギー内科学 講師 楢崎雅司先生


代表的な免疫疾患である関節リウマチは遺伝背景を有する個体に環境因子が加わることによって抗CCP抗体出現などの免疫異常が生じ、ある時点で多関節炎を発症すると考えられている。関節リウマチの治療では早期診断し、疾患活動性の寛解を目指して積極的に加療していく治療戦略が良い予後につながる。現在、生物学的製剤などの内科的治療薬が進歩普及し、戦略に沿った治療で多くの患者さんが臨床的寛解に到達できるようになって来た。これからの関節リウマチの診療は発症前介入や発症予防を考える時代になるであろう。
遺伝背景による関節リウマチ発症リスクの評価とともに、介入できる環境因子を同定し、対処していくアプローチが発症予防に重要である。これまで、喫煙、歯周病、腸内細菌叢の乱れなどと関節リウマチ発症の関連が指摘されており、中でも喫煙は最も関連の強い発症因子と考えられている。これらの環境因子がどのような機構で免疫異常を引き起こし、関節リウマチに関与しているのかは興味深い。また、疫学からは低気圧、ストレスや食事内容などは関節症状の悪化との関連が指摘されている。
今回は関節リウマチの発症や増悪に関与するとされる環境因子について概説する。臨床現場においては患者さんから日常生活の注意点などを尋ねられることも多いが、どのようなことを指導するべきかを提案したい。

世話人:呼吸器・免疫アレルギー内科 田中 敏郎
E-mail:ttanak@imed3.med.osaka-u.ac.jp