公開講座
研究科長主催セミナー(Osaka University Advanced Medical Seminar)
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公開講座・セミナー
第328回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC)
| 日時 | 平成24年6月11日(月)18:30~19:30 |
|---|---|
| 場所 | 大阪大学医学部 講義棟2階 B講堂(吹田市山田丘 2-2) |
| テーマ | 肝脂肪化と鉄過剰からみた慢性肝疾患の病態と治療 |
| 演者 | 三重大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授 竹井謙之 |
ライフスタイルの欧米化を反映してわが国でも非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は最も高頻度にみられる肝疾患となった。かつて脂肪肝は予後良好な可逆性の病変であると信じられてきたが、飲酒歴がないにもかかわらず肝実質に炎症や線維化が出現し進行性の経過をとる、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)という疾患概念が登場し、NAFLDは大きなリビジョンを迎えつつある。NAFLD/NASHはメタボリックシンドロームや動脈硬化の発症・進展と密接な関わりを持つ。NAFLDでは肝におけるインスリン抵抗性が現れ、血糖制御破綻を招くと同時に、代償性高インスリン血症によりその負の作用である血圧上昇、動脈硬化促進作用が前景に出る。また内臓脂肪細胞由来のホルモン、アディポカインのいくつかは肝局所でも産生され、NASHではこれらアディポカインクロストークのひずみが生じ、代謝異常やインスリン抵抗性誘導、肝の炎症と線維化促進、免疫系の撹乱を介して病態形成に寄与している。例えば、レプチンはTGF-など組織リモデリングにかかわる遺伝子群を誘導することにより線維化を促進する。さらにNASHでは肝の鉄過剰集積も高率に認められ、酸化ストレス発生の基盤となることでNASH発症や進展に重要な役割を担っている。
肝の脂肪化や鉄過剰は、NAFLD/NASHに限らず、C型肝炎やアルコール性肝障害など様々な肝疾患の病態や進展に関わっている。C型肝炎は肝脂肪化を合併すると肝障害の進行が早まり、治療抵抗性になることが知られる。またC型肝硬変では高率に肝発がんがみられるが、脂質過剰や鉄過剰による酸化ストレスとそれに起因する肝細胞DNA障害が発癌機序に寄与する。C型肝炎における鉄過剰惹起機序について、HCV感染により肝細胞のヘプシジン産生が低下し、腸管上皮に局在するフェロポーチンの活性化により鉄吸収亢進が起こることが明らかになりつつある。教室ではC型慢性肝炎に対し、瀉血療法と鉄制限食を組み合わせた除鉄療法を実施し、約10年間のフォローアップにより、除鉄療法群ではコントロールに比し肝がん発症が約60%低下することを認めている。このようにNAFLDやC型肝炎では過剰栄養と鉄過剰に対する対策を講じることで、糖尿病など代謝異常の発症を防ぎ、肝炎の進行を遅らせ肝がんの予防につながると期待される。講演では「グルメディカルツアー」という三重大学の取り組みも合せてご紹介する予定である。
世話人: 大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学
木曽真一、竹原徹郎
TEL & FAX: 06-6879-3621
E-mail:kiso@gh.med.osaka-u.ac.jp
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次回、第329回CNCは、栄養管理室 安井洋子先生のお世話で平成24年7月9日開催予定です。
【大学院生、ポスドク募集】
大阪大学 微生物病研究所 / 免疫学フロンティア研究センター 合同説明会・見学会
このたび、大阪大学微生物病研究所(微研)、免疫学フロンティア研究センター(IFReC)では、平成25年度大学院修士課程・博士課程入学希望者及びポスドクでの研究を希望されている方々を対象とした説明会・見学会を開催いたします。両研究所では、免疫学・感染症学・生体応答学を中心とした世界最先端の研究が展開されています。意欲のある学生・ポスドクの参加を歓迎します。興味のある方はぜひご来場ください。
※参加登録必要
| 日時 | 平成24年5月19日(土)午前の部 11:00~、午後の部 13:00頃~16:00(予定) |
|---|---|
| 場所 | 大阪大学微生物病研究所 融合型生命科学総合研究棟(融合棟)1階 谷口記念講堂 |
| 研究分野 | 免疫学、感染症学、生体応答学 |
<当日のスケジュール>
午前の部
10:30 受付開始
11:00~11:30 微研所長、IFReC拠点長 挨拶 等
11:30~12:30 各研究室・教授の紹介(各研究室1~2分程度のプレゼンテーション)
12:30~12:40 概要説明
午後の部
13:00頃~16:00(予定) 研究室訪問
参加登録:①氏名(漢字/アルファベット)②所属(大学・学部名/大学院・研究科名)③学年 ④興味のある分野 ⑤何を見て申し込んだか、をメールにてお送り下さい。
suishin*biken.osaka-u.ac.jp(*を@に変えてください)
後日、事務局から登録完了のメールを返信いたします。
詳細はこちら
http://www.biken.osaka-u.ac.jp/suishin/setsumeikai/setsumeikai.html
ツイッターでも更新情報を案内しています
http://twitter.com/biken_suishin
問い合わせ先:
大阪大学微生物病研究所 感染症学免疫学融合プログラム推進室
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘3-1 TEL:06-6879-8320
E-mail: suishin*biken.osaka-u.ac.jp(*を@に変えてください)
微生物病研究所 http://www.biken.osaka-u.ac.jp/
免疫学フロンティア研究センター http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/
第327回大阪大学臨床栄養研究会(CNC)
| 日時 | 平成24年5月14日(月)18:00~ |
|---|---|
| 場所 | 大阪大学医学部 講義棟2階B講堂(吹田市山田丘2−2) |
| テーマ | CKDの食事療法を再考する ~最新のエビデンスから~ |
| 演者 | 大阪大学大学院医学系研究科 老年・腎臓内科学/日本腎臓学会エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン改訂委員会WGメンバー 小尾 佳嗣 |
人工透析療法や腎移植が安定した成績を残せるようになる以前は、末期腎不全は死に直結する病であった。進行性腎疾患を有する患者に対するたんぱく制限が、この末期腎不全までの時間を延長することが様々なランダム化比較試験において明らかにされ、現在も幅広く指導されている。その機序としては尿毒素や酸負荷の軽減があり、その他にも糸球体過剰濾過の是正が関与している可能性がある。
一方で、どの程度のたんぱく制限が最も有効であるのか?という疑問は長く論争の的となっていた。しかし現在、2009年に発表された2つの研究結果によって、各国のCKDガイドラインは一定のたんぱく摂取量を確保する方向にシフトしつつある。今なぜ、このような流れが生まれているのかを理解するためには、単に たんぱく制限に関するランダム化比較試験やメタ解析の結果を見るだけでは不十分である。本講演では、これまでエビデンスとされてきた各研究の限界を明らかにしつつ、CKDにおける疫学と実地臨床の両者の観点から、今後の食事療法がとるべき方向性と その課題を提示したい。
世話人:保健センター 守山 敏樹
E-mail: moriyama@wellness.hss.osaka-u.ac.jp
