出産しても仕事を続けたいママのサポートシステム
阪大麻酔科および関連施設では結婚、出産しても仕事を続けたいと考えておられる女性の麻酔科医に"ママ麻酔医制度"として、一人でも多くのママ麻酔医の先生方が仕事が続けられるようなサポートシステムを設けています。それは以下の3条件のもと現場に復帰していただくものです。
その条件は
1・子供の保育所の保育時間にあわせての勤務(具体的には朝の遅刻、夕方の早退は不問、症例が残っていたら他のスタッフがやります)
2・当直免除
3・子供の急病時の急な欠勤は不問(バックアップのスタッフを用意します)、
の3つで、これを受け入れていただける施設で勤務をしていただいています。各施設の事情もあり、今のところママ麻酔医の受け入れを受諾していただいている施設は阪大病院
を含めて10施設ですが、多くのママ麻酔医がこの制度を利用しています。また家庭の事情や本人の希望等を含めて、フルタイムの勤務復帰が難しいママに将来のフルタイム復帰までのブリッジとし
て
阪大病院麻酔科では週に2~3日の勤務もフレキシブルに受け入れています。一度現場を離れる
と何かと復帰が難しくなるために少しでも臨床に携わっていただきたいと考えています。
関連施設の部長、医長の先生方の中には "一生懸命に働いてきて、出産したから退職してくだ
さいと言うのは人の道やない"(市立豊中病院、富部長) "5時以降に症例が残ったら私が自分でや
りますから"(NTT 西日本病院、榎本部長)と涙がでるようなセリフを吐いてくださる先生もおら
れます。6年間かけてやっと医師というやりがいのある職業を得たのに女性であるがゆえこれを断
念せざるを得ないのは痛恨の極みと言えるでしょう。卒業後、どの科を専攻するか迷っている女子
医学生のみなさん、科選びも大切ですが、ずっと続けていけるかどうかの判断はもっと大切です。
いくら好きな科でも途中で断念せざるをえないならば意味がありません。この制度を利用して一人
でも多くの女性の麻酔科医が仕事を続けられ、いずれ彼女らが次の世代のママ麻酔科医の助けとな
ってほしいと思っていますし、彼女らの真摯な姿をみて、男性麻酔科医がひとりでも多く女性が働
き続ける事を理解し、必要なときは手をさしのべてほしいと願っています。
関連施設一覧をごらん
いただければどの施設でママ麻酔科医の受け入れが可能かがわかります。また今現在、この制度を
利用している方の声も掲載しております。ご参考にしていただければ幸いです。
ママ麻酔科医の声
阪大麻酔科 医員 平成9年鳥取大学卒 松田 留美子
私は小学校と保育園に通う二人の子供の子育てをしながら、阪大病院でママ麻酔科医として働いています。大学病院というと、大手術、長時間手術が多く、子育てをしながら働けるのかと疑問に思われる方も多いと思います。私も研修医として阪大病院で働いていたころは、朝から深夜、あるいは翌日の早朝まで麻酔をするということも度々ありました。しかしママ麻酔科医として働く現在では、子供の送り迎えに合わせた勤務時間までには必ず交代してもらえます。この手術が終わらないと帰れない...とあせって時計を見つめることもありません。交代の時間まで麻酔に集中することができます。大学病院ですので先進的な医療に触れる機会も多く、病院を一歩出ると家事や育児に忙殺されてしまう私にとっては、働きながらにして新しい知識を吸収できるという点も利点の一つです。
出産後、女性の生活は本当に変わります。今まで自分一人でこなせていたことでも、周りの人の助けなしにはできなくなってしまうことがあります。ましてや仕事に復帰しようとすればなおさらです。このことをつらいと感じた時期もありましたが、弱者の立場に自分が立ってみて、初めて気づかされたことも本当に多くありました。今ではたくさんの方々に助けられていることに感謝しながら働くとともに、ママ麻酔科医制度を利用し子育てのための時間も作ることで、子供の成長を日々楽しんで見つめています。
子育てをしながら働く女性医師を取り巻く環境は、年々改善していってはいますが、まだまだ実際は一人で負担を抱え込んでいる方が多いのが現状ではないでしょうか。小さな子供がいても安心して働ける職場を求める方、子育てをしながらでも豊富な症例を経験して専門医を目指したい方など、このママ麻酔科医制度をぜひ利用していただけたらと思います。私もまわりのママ麻酔科医の姿に励まされ、時には子育ての悩みや愚痴を話しあったりしながら楽しく働いています。ママ麻酔科医の勤務条件は一定ではなく個々の事情に応じて決められますし、大学病院だけでなく関連病院での勤務もあります。どうぞ遠慮なくお問い合わせください。