慢性の痛みに対するリハビリテーション療法
難治性疼痛に対する視覚を介した神経リハビリテーション
痛みは身体の危険信号として生体に備わっている生理的な神経システムです。
つまり、体性感覚の一つである“痛み”と“身体”は、切っても切り離せない関係にあります。
さらには、身体の認知には視覚が非常に重要なことから、ヒト神経因性疼痛を対象として視覚と体性感覚(痛み)の相互作用研究および痛みに対する神経リハビリテーション治療の開発を行っています。
鏡療法
鏡を使って神経損傷によって麻痺している患肢の運動イメージを形成すると痛みが和らぎます。
この治療は副作用もなく、鏡というありふれた道具を使って痛みを治療するので世界中どこでも行うことができ国際的にも注目されています。

我々の診療グループは内戦が続いたボスニア・ヘルツエゴビナ(欧州)にも専門医を派遣し、幻肢痛、腕神経叢引き抜き損傷後疼痛、神経障害性疼痛などの戦争後遺症の痛みで苦しんでいる患者さんの治療協力をJICA expert(国際協力機構)を通じて行っています。
認知行動療法
痛みという症状は、慢性化するとその症状に意識が集中し「痛みにとらわれる」ことが一つの特徴です。
「痛みがあるから~できない」
という思いに陥り、ますますとらわれてしまいがちです。
このような考え方がかえってご自身を苦しめる結果になっていることは意外と患者本人は気づきません。
痛みという感覚の性質を御理解いただき、
「痛みはあるけど~はできる」
という前向きな考え方に改めることができれば、慢性痛の治療は半分以上終わったとも言えます。
認知行動療法とはそのような考えになる過程を、医師がささえていく診療方針全体を指します。

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大阪大学医学部付属病院