大阪大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学

専門外来のご案内

難聴・めまい外来

難聴・めまい外来は、難聴、めまい、顔面神経麻痺といった耳に関する疾患を幅広く扱っています。
真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎に対する鼓室形成術、耳硬化症に対するアブミ骨手術を数多く手掛けている他、人工内耳手術は乳児から高齢者まで行っており、難聴遺伝子検査やリハビリを含めて質の高い医療を提供しています。
めまい疾患に対しては各種平衡機能検査を行っており、特にメニエール病や良性発作性頭位めまい症の診断、治療に力を入れています。
さらに専門性の高い外来として、幼児難聴外来、人工内耳リハビリ外来、顔面神経外来があります。

1. 担当医師

今井 貴夫

  • 講師
  • いまい たかお
  • 今井 貴夫
  • 平成7年 大阪大学卒
  • 耳鼻咽喉科専門医
    めまい平衡医学会専門会員
    めまい相談医
    補聴器相談医

太田 有美

  • 助教
  • おおた ゆみ
  • 太田 有美
  • 平成8年 大阪大学卒
  • 耳鼻咽喉科専門医
    補聴器適合判定医
    補聴器相談医
    臨床遺伝専門医
    めまい相談医

大島 一男

  • 助教
  • おおしま かずお
  • 大島 一男
  • 平成10年 大阪大学卒
  • 耳鼻咽喉科専門医
    補聴器適合判定医
    補聴器相談医

佐藤 崇

  • 助教
  • さとう たかし
  • 佐藤 崇
  • 平成12年 大阪大学卒
  • 耳鼻咽喉科専門医
    補聴器適合判定医
    補聴器相談医

花本 麻佐美

  • 言語聴覚士
  • はなもと まさみ
  • 花本 麻佐美

諏訪 圭子

  • 言語聴覚士
  • すわ けいこ
  • 諏訪 圭子

2. 診療の特徴

中耳手術

真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎などに対する鼓室形成術を数多く行っています。手術プロセスをほぼ内視鏡だけで行う低侵襲手術であるTEES(transcanal endoscopic ear surgery)も行ってます。耳硬化症に対するアブミ骨手術も数多く行っています。顔面神経モニター装置(NIM)を用いて手術を行っています。手術支援機器として、内視鏡システム以外にも顔面神経モニター装置(NIM)、CO2レーザーを有しており、これらを用いて安全性の確保、手術成績の向上をはかっています。

人工内耳手術

人工内耳植え込み術の手術数は全国中でも有数です。乳幼児から高齢者まで対応しています。手術を行うだけでなく、術後の(リ)ハビリテーションにも力を入れています。経験豊富な専任の言語聴覚士2名が(リ)ハビリテーションを担当しており、医師と連携をとってチームで人工内耳医療に取り組んでいます。*人工内耳リハビリ外来のページ参照

難聴遺伝カウンセリング

難聴の中には遺伝が関係しているものも多いことが分かっています。日本では平成24年から難聴遺伝子検査が保険診療で行えるようになっていますが、結果の解釈には専門的な知識が必要です。当科では臨床遺伝専門医の資格を持つ医師が丁寧に説明した上で検査を行い、結果の説明を行っています。

メニエール病

メニエール病診断のためのあらゆる検査が可能であり、必要時には一週間の入院で内耳造影MRIなどの検査を施行しています。難治例に対しては内リンパ嚢開放術を行っています。それでも症状がコントロールできない場合は鼓室内ゲンタマイシン投与を行っています。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)

BPPVの病態の解明、眼球運動3次元解析による責任部位同定、さらに難治例には手術治療を行っており、全国でも有数の専門性が高い診療を行っています。当科はBPPVの国際診療ガイドラインの作成にも参画しています。

平衡機能検査

当科ではあらゆる平衡機能検査が可能ですので、めまいを主訴とする全ての疾患に対する対応が可能です。(※ENG、VEMP、蝸電図、回転検査、グリセオールテスト、重心動揺計検査、眼球運動解析)
特に、自宅眼振記録装置を導入して、めまい発作時の所見をリアルタイムでとらえて診断に生かしているのは当科の特徴です。

特殊外来
幼児難聴外来

乳幼児の難聴の診断、治療を行っている外来です。原則として他の医療機関(耳鼻咽喉科、小児科など)や院内他科からの紹介のみ受け付けており、完全予約制です。新生児スクリーニングで要精密検査となった方や、他の医療機関や健診などで難聴が疑われたり言葉の遅れを指摘されたりした方が紹介となります。

乳幼児は大人と同じ聴力検査は出来ないので、乳幼児聴力検査(BOA、COR、ピープショウテスト)、ABR検査、ASSR検査といった特殊な検査を行って難聴の種類、程度を総合的に評価します。その上で必要に応じて補聴器導入および調整、言語聴覚士による療育の相談、外科的治療を行っています。また、当科には臨床遺伝専門医が在籍しており、遺伝カウンセリングを行った上で難聴遺伝子検査を行うことができます。

高度難聴で補聴器装用効果が十分でない場合は、人工内耳の適応となります。CTおよびMRIによる画像評価、発達評価、合併症の状態、遺伝子検査の結果を踏まえ、総合的に手術適応を考えています。手術は1歳頃から行っており、両耳同時手術も行っています。

顔面神経外来

当外来では顔面神経麻痺を来した方の診断と治療を行っています。顔面神経麻痺をきたす疾患はいくつかあり、各種画像検査、血液検査などを行って原因を調べます。

当外来では原則として全例に電気生理学検査(顔面神経刺激検査)を行い、麻痺の程度、予後を評価しています。検査で予後不良と推測される場合、顔面神経減圧手術を行っています。

また、重症例では発症数か月以降で病的共同運動(目をつぶると口が動いてしまい、口を動かすと目が意に反して閉じる)や顔面拘縮(ほうれい線が深くなり、顔面が非対称に見える)などの後遺症が残りやすいため、その予防・軽症化のために発症早期からリハビリの指導を行っています。

人工内耳リハビリ外来

人工内耳を使いこなすには、術後の(リ)ハビリテーションが必須であり、当科では専任の言語聴覚士2名がリハビリ外来を担当しています。

言語聴覚士は術後だけなく、手術前から機種選択のサポート、聴こえの評価を行っています。さらに乳幼児では発達の評価も行っています。当科では、人工内耳の機種は国内で使用可能な人工内耳3社すべて、また日本で人工内耳が開始された初期の機種から最新の機種まで、全てに対応しています。

術後は、人工内耳機器(サウンドプロセッサ)の設定を行うのみでなく、人工内耳を装用した時の聴こえを評価し、よりよい聴こえを得るための工夫や訓練についてアドバイスしたり、必要な情報提供を行ったりしています。先天性難聴の場合は、聴こえの評価だけでなく、言語発達についても評価し、学校や療育施設とも密接に連携を取って、きめ細かく指導・サポートしています。

近年、先天性難聴に対する人工内耳手術は低年齢で行うことが多くなっており、術後のハビリテーションは専門的な技量が必要です。当科の言語聴覚士は経験豊富であり、安心してハビリテーションを受けていただけます。

3. 手術・診療実績

平成28年度に当科で加療した症例数は以下の通りです。

●手術
手術名 症例数
鼓室形成術 128
アブミ骨手術? 8
人工内耳埋め込み術 31
顔面神経減荷術? 11
内リンパ嚢開放術? 7
外耳道良性腫瘍摘出術 4
中耳良性腫瘍摘出術 1
鼓膜チューブ留置術 11
●めまい疾患内訳
めまい疾患内訳

4. 研究

  • 将来より良い医療を患者の皆さんに提供できるよう、当科では次のような研究に取り組んでいます。どうかご協力をよろしくお願いいたします。
  • 既に当科で治療あるいは検査を受けられた方の中で、ご自身の既存情報(画像データ、血液検査データなど)が使われることを希望されない場合は当科まで(耳鼻咽喉科・頭頸部外科学医局:06-6879-3951)ご連絡ください。
臨床研究
  • エプリー法の至適施行時間決定のための非盲検ランダム化比較試験PDF
  • 良性発作性頭位めまい症に対する疲労現象検査時の頭位変換とエプリー法の治療効果の非盲検ランダム化比較試験
  • メニエール病患者における標準的な内耳形態画像の開発、及びそれを用いたメニエール病MRI画像の半定量的解析法の開発
  • 自宅での眼球運動簡易記録
  • 良性発作性頭位めまい症の診断に最も効果的な頭位・頭位変換眼振検査法の開発
  • 回転椅子を用いた平衡機能、バランス機能の評価
  • 内耳造影MRI検査による内リンパ水腫疾患の治療効果判定
  • 眼球運動解析によるめまいを訴える疾患の診断
  • 高齢難聴患者に対する聴力改善手術が認知機能・意欲・社会性に及ぼす影響
  • 人工内耳両耳装用効果に関する研究
  • 真珠腫性中耳炎に対する画像診断精度の評価
  • 学齢期人工内耳装用児の学校生活と心理発達に関する研究
共同研究
  • 先天性難聴の遺伝子解析と臨床応用に関する研究(共同研究:信州大学その他)
  • 抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎性中耳炎の診断法、治療法の開発(共同研究:旭川医大その他)
基礎研究
  • ヒト真珠腫性中耳炎組織を用いたその骨破壊機序と治療に関する研究
  • 内耳特異的発現遺伝子の探索および機能解析
  • セロトニン受容体と聴覚伝導路の関係についての研究
  • 遺伝子変異マウスを用いた内耳有毛細胞の平面細胞極性決定因子の解析
  • 偏中心回転検査と前庭誘発筋電位検査(VEMP)を用いたメニエール病における耳石機能の研究