常勤医師派遣病院のご紹介

大手前病院

耳鼻咽喉科・頭頸部外科は耳・鼻・咽喉・頭頸部腫瘍を治療する科でありその専門分野は多岐に渡ります。その専門分野全てを扱っている病院はむしろ少なく、専門的な中内耳手術が可能な病院、鼻副鼻腔手術が可能な病院、そして癌センターのように頭頸部癌のみを扱っている病院などです。このため一般的な耳鼻咽喉科医として研修を行うにはいくつかの病院をローテイトする必要があります。

大手前病院の特徴

概要

大手前病院は大阪の中心、大阪城の西の大手前地区にあり最寄りの天満橋駅からは徒歩5分と好立地に有ります。都市型病院の耳鼻咽喉科として一般診療に加えた専門性を発揮すべく、耳科、鼻科領域を中心に外来・入院の双方で診断・治療の充実を図っています。歴代の部長(西村将人、宇野敦彦、西村洋)は何れも耳科・神経耳科を専門にしていたため、聴覚・めまい平衡関連の検査機器を取りそろえておりまた耳科手術も多く行っております。また人工内耳埋込み手術の施設基準の認定を受けており人工内耳のリハビリも行っております。先代からの伝統と現任の専門を併せ持ち耳・鼻領域に関してより専門的な研修することができます。また地域の中核病院として一般的な耳鼻咽喉科手術、急性疾患の治療、耳鼻咽喉科疾患全般の診断を行っており耳鼻咽喉科領域のおおよそ全般を研修することができます。当院で研修できない内容は頭頚部癌の手術治療・化学療法です。

また3名の常勤医師に加え、外来診療におきましては、阪大から 宇野敦彦 講師 と 喜井正士 助教 を非常勤医師として迎え、大阪大学医学部耳鼻咽喉科学教室との連携を密にしております。当科は言語聴覚士(ST)を3名も擁しており、前山ST・梶原ST・中島STの3名で各種聴力検査・補聴器のフィッティング・言語聴覚リハビリ・嚥下リハビリなどを行っております。

手術日は火曜日午後と木曜日全日で、術後は手術症例のみの術後回診を行っております。月曜日・水曜日・金曜日には全員で部長回診を行い症例の治療方針を検討しています。火曜日の夕方には研修医の学習のために抄読会・勉強会を行っております。

耳科・神経耳科

検査に関しては一般的な聴力検査機器・ティンパノメトリーを設置しているのはもちろんのこと、中には阪大病院にも無いような特殊な聴力検査機器も備えております。各診察室に耳用顕微鏡と電子スコープユニットを設置しており、中耳電子ファイバースコープ検査を行えば外来担当医の診ている鼓膜所見がそのまま画面で診れますし、自分で診察している場合でも画面を印刷しておけば後で指導医の助言を受けることができます。聴力関連の検査としては標準純音聴力検査・ティンパノメトリー・アブミ骨反射・語音聴力検査・SISI・UCL・耳音響放射(OAE)・聴性脳幹反応(ABR)・聴性定常反応(ASSR)・幼児聴力検査(プレイオージオ・COR)と非常に充実しており、これらの特殊な聴力検査の理解を深めることができます。味覚の検査に関しては、電気味覚検査および濾紙ディスク法による味覚検査が可能です。また中内耳CTと中内耳の解剖が理解できるように指導しています。

難聴の治療に関しては、突発性難聴などの急性感音難聴に対しては点滴治療を行っております。手術では慢性化膿性中耳炎・真珠腫性中耳炎に対し鼓室形成術を施行し、耳硬化症に対してはあぶみ骨手術を施行しており年間30例以上の中内耳手術を行っています。

めまいに関しては、めまいの多くは発作性・急性に発症しますが当院は二次救急を行っているためこのような急性のめまい症(前庭神経炎・メニエール病のめまい発作・良性発作性頭位眩暈症など)も多く救急車で搬送されてきます。めまい平衡関連の検査機器では、一般的なフレンツェル眼鏡の他に録画可能な赤外線フレンツェルカメラや電気眼振図(ENG)検査機器が有り、これらを用いて頭位眼振検査や温度眼振検査(カロリックテスト)が可能であり、またその他の特殊な検査としては、内リンパ水腫判定検査である蝸電図、グリセロールテスト等の精密検査が可能です。

末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺・ハント症候群)に対しては点滴治療を行っています。また、高度な顔面神経麻痺の症例は電気性理学的検査(ENoG、NET等)も施行し予後不良と判断した症例に対しては顔面神経減荷手術も施行しています。

幼児の難聴に対しては、幼児難聴検査(COR、プレイオージオ)、ABR、ASSR、耳音響放射(OAE)などを専門外来(小児耳鼻科外来)で行っています。興味があればこの外来を見学し幼児の聴力検査や難聴疾患に関しての理解を深めることができます。

鼻副鼻腔・鼻アレルギー

鼻鏡検査や鼻腔・嗅裂部電子ファイバースコープでの所見や副鼻腔CT検査での鼻腔の解剖を理解できるように指導しています。鼻科に関した検査としては、鼻腔通気度計、ジェット式T&Tオルファクトメトリーによる精密嗅覚検査、アリナミンテストが可能です。またアレルギー検査は採血による RIST/RAST を行っております。

アレルギー性鼻炎に対しては原則的に抗アレルギー薬の内服・点鼻治療ですが、希望の症例にはレーザー手術を施行しています。また鼻中隔弯曲症を伴い鼻閉が強い症例には、鼻中隔矯正術・粘膜下下鼻甲介骨切除術を行っています。慢性鼻副鼻腔炎に対しては内視鏡的鼻副鼻腔手術を行っています。

咽頭・喉頭

従来の間接喉頭鏡による診察では観察者のみしか見られませんでしたが、昨年、耳鼻咽喉科外来の各診察室に喉頭電子スコープシステムを配備しました。これにより検者以外も喉頭の所見を同時に観察できるようになりました。また写真に記録し後で所見を確認することができるようになりました。

急性扁桃炎・扁桃周囲膿瘍・急性喉頭蓋炎などの急性疾患に対して、抗生剤の点滴治療や扁桃周囲膿瘍切開術、場合によっては気管切開術を行っています。また慢性扁桃炎やアデノイド増殖症に対しては扁桃摘出術やアデノイド切除術を行っています。声帯ポリープ・ポリープ様声帯・喉頭腫瘍に対して全身麻酔下に喉頭直達鏡による手術(ラリンゴマイクロサージャリー)を施行しています。

嚥下回診

近年、嚥下障害に対するリハビリテーションの重要性が認識されてきている。当院では嚥下障害の患者のリハビリに対して耳鼻咽喉科が積極的に関与しており、主として嚥下内視鏡検査にて嚥下の状態を評価し、言語聴覚士のリハビリの指導を行っています。嚥下障害は脳機能の障害により起きることが多いため神経内科医、脳神経外科医、脳神経病棟の看護師とともに、耳鼻咽喉科を中心に嚥下言語リハビリ回診を施行しています。

2009年度の手術件数は下記の通りです。

2009年4月−2010年3月
  術式   術式
耳科手術 鼓膜形成術 9   鼻科手術 鼻中隔矯正術 31
  鼓膜切開術(注1) 5     下鼻甲介切除術 94
  鼓膜チューブ留置術(注1) 9     下鼻甲介粘膜焼灼術 23
  鼓室形成術 29     鼻茸切除術 2
  乳突削開術 12     内視鏡下鼻内開放術 82
  アブミ骨手術 1     上顎洞根本術 2
  人工内耳埋込術 2     上顎骨骨折整復術 1
  顔面神経減荷術 4     内視鏡下涙嚢鼻腔開窓術 2
  内リンパ嚢開放術 1   頭頸部外科手術 口腔悪性腫瘍手術(再建なし) 1
  耳瘻孔摘出術 5     喉頭良性腫瘍手術 1
咽喉頭科手術 アデノイド切除術 9     喉頭悪性腫瘍手術(直達鏡下、生検) 2
  口蓋扁桃切除術 28     鼻・副鼻腔良性腫瘍手術 2
  軟口蓋形成術 2     耳下腺良性腫瘍手術 4
  声帯ポリープ切除術 13     顎下腺良性腫瘍手術 1
  気管切開術 4     頸嚢胞摘出術 1
  (注1)小児のため全身麻酔で行ったもの