肝臓研究室・肝再生・肝代謝グループ

私たちの研究グループは、以下のテーマを中心に研究を進めています。

肝細胞癌の分子標的治療の開発

 肝細胞は癌化することで細胞自体がtransforming growth factor-β(TGF-β)を産生します。私たちは、肝癌細胞は自ら産生するTGF-βからの増殖抑止(ブレーキ)がかからない状況にあること、そしてTGF-βは、肝癌の腫瘍血管の増殖、構築を促し、肝癌細胞自らが増殖しやすいように宿主の免疫能を下げていることを明らかにしました。一方、肝癌細胞においてはfarnesyl transferase活性が上昇しており、それによりRhoAの発現が亢進している肝癌は予後不良である事も明らかしました。これらの低分子量GTP結合蛋白質の機能発現には、メバロン酸代謝経路が関与することが知られています。Pamidronate等のビスフォスフォネート製剤は、メバロン酸代謝経路のファルネシルピロリン酸やゲラニルゲラニルピロリン酸の構造類似体として作用することにより、メバロン酸代謝経路を抑制すると報告されています。現在、Pamidronate等による肝癌細胞抑制作用を明らかにすることで、臨床への応用を目指しています(図)。

メバロン酸代謝経路におけるPamidronateの作用


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  1. Fukui K, Tamura S, Wada A, et al. Expression of Rab5a in hepatocellular carcinoma: Possible involvement in epidermal growth factor signaling. Hepatol Res 37; 957-965. 2007
  2. Wada A, Fukui K, Sawai Y, et al. Pamidronate induced anti-proliferative, apoptotic, and anti-migratory effects in hepatocellular carcinoma. J Hepatol. 44; 142-150. 2006
  3. Sawai Y, Tamura S, Fukui K, et al. Expression of ephrin-B1 in hepatocellular carcinoma: possible involvement in neovascularization. J Hepatol. 39(6):991-6. 2003