消化管研究室・消化管運動グループ

 消化管の自律的運動は腸管神経によると考えられてきましたが、近年カハール介在細胞(ICC)がこの運動に寄与していることがわかってきました。ICCは筋層内で神経細胞と平滑筋細胞の間に介在する膜型受容体チロシンキナーゼKIT陽性細胞で、自律した電気活動を示すペースメーカー細胞です。 消化管運動障害におけるICCの関与を調べるため、2型糖尿病に注目しました。同疾患の患者さんの大腸を検討したところ、ICCが減少していることを見出しました(2)。さらに2型糖尿病モデルマウスを用いて詳しく検討したところ、ICCが減少するだけでなく消化管の自律運動も障害されていることを報告しました(3)。

 現在、私達はICCが発生・分化する仕組みを明らかにしようとしています。従来は平滑筋周囲の幹細胞から発生・分化すると考えられていましたが、最近の私達の研究によれば、骨髄にも幹細胞が存在するのではないかと考えています。

消化管カハール介在細胞 自立した電気的活動を示すペースメーカー細胞


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  1. Yamamoto T, Watabe K, Nakahara M, et al. Disturbed gastrointestinal motility and decreased interstitial cells of Cajal in diabetic db/db mice. J Gastroenterol Hepatol. 23:660-667. 2008.
  2. Nakahara M, Isozaki K, Hirota S, et al. Deficiency of KIT-positive cells in the colon of patient with diabetes mellitus. J Gastroenterol Hepatol. 17: 666-670. 2002.
  3. Isozaki K et al. Disturbed intestinal movement, bile reflux to the stomach, and deficiency of c-kit-expressing cells in Ws/Ws mutant rats. Gastroenterology 109:456-464. 1995.