大阪大学大学院医学系研究科 分子治療学講座 遺伝子治療学分野
Division of Gene Therapy Science Department of Molecular Therapeutics, Graduate School of Medicine, Osaka University.
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はじめに
私達の研究室は1999年の5月より活動を開始しました。遺伝子治療の研究と言っても広く生命科学を研究するという姿勢がなければ何も進みません。最初は手探りで始めた研究も、研究が進むにつれて次第に基盤が作られ、それぞれの研究内容が自然と融合しあい、また刺激しあって次第に大きな流れになってきました。その中で他には類例のないような独創的な研究成果が、徐々にではありますが得られてきています。ようやくその手ごたえを少し感じられるようになりました。
私達は自分達の成果を基礎研究だけにとどめることなく、応用につなげ、難病の治療を見据えるという姿勢をもたねばなりません。しかし応用研究といっても弱い基盤の上に立つものは自然と破綻してしまいます。それぞれの研究を1つ1つ深く掘り下げ、その成果をもとに倦まず弛まず研究を積み上げねばなりません。
私達の教室には臨床医もいれば、理学部や薬学部や工学部などの出身者も大勢いますし、国外からの研究者も数名おります。様々なバックグラウンドをもっている者の集まりですが、皆、当教室のあるべき姿をよく理解し、高い志を抱く者ばかりです。
これからも難病の治療を念頭に置いた研究者が全世界から集まって、ともに研究の楽しみを分かち合いながら治療学を盛り上げてほしいと願っています。
大阪大学大学院医学系研究科遺伝子治療学 教授 金田安史
付記:2008年1月16日私の師である岡田善雄先生(阪大名誉教授)がご逝去されました。岡田先生と出会わなければ、私は研究者の道は歩んでいなかったですし、研究の厳しさ、楽しさ、素晴らしさを感じることもなく、現在の私も私の研究室も存在しなかったろうと思います。岡田先生からは有形無形の数えきれないほど多くのことを学びました。その中で、“治療を見据えた研究をせよ”と言われたことを覚えています。これは“病気を治療しなさい”、ということではなく、“生体反応を正しくとらえた研究をせよ”、という意味で、“そのずっと先に難病の治療ができるなら素晴らしい”、という含みもあったのだと理解しております。私の研究室の本質はまさしくこの言葉に裏付けられたものです。岡田先生に感謝し、ご冥福をお祈り申し上げます。
大阪大学大学院医学系研究科 分子治療学講座 遺伝子治療学分野
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