ご挨拶

糖尿病は、膵β細胞から分泌されるインスリンの相対的作用不足により起こる高血糖が年余にわたり続き、眼、腎臓、神経などの障害や、動脈硬化促進による心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈閉塞症などにより生活の質を著しく悪化させる疾患です。現代の日本では高度発達の反面、高カロリー・高脂肪といった食生活の欧米化や運動習慣の減少により、糖尿病ことに2型糖尿病が爆発的に増加しており、2010年には1千万人を越えるとも推計され、21世紀の国民病とも呼ばれています。当研究室(大阪大学大学院 病態情報内科学 糖尿病・膵臓研究室)は、50年以上前から糖尿病とその合併症を治療、予防することを最終の目標として種々の研究により日本における糖尿病研究、診療をリードしてきました。

 疾病を治療、予防しようとするとき、@その病態を正しく計測、Aその病態に即した適切な治療法を診断、B適切に治療、予防する、ことが重要です。このような観点から、病態を定量的に計測しうる、1)血糖クランプ法の開発(クランプOGL法、多段階クランプ法、低血糖クランプ法)、2)超音波的頸動脈壁肥厚度(IMT)の計測、適切な治療法としては、3)人工膵島の開発と臨床応用、4)1型、2型糖尿病患者に対する強化インスリン療法の開発、そしてこの結果として、5)高血糖による膵β細胞機能不全発現メカニズムの解明、6)糖毒性の病態解明、7)長期厳格な血糖管理による糖尿細小血管合併症の発症阻止、8)運動療法さらには薬物療法によるインスリン抵抗性の解除機構の解明、9)膵腎同時移植による合併症進展阻止と改善効果、などが可能となりました。国内外の糖尿病学、生理学、生化学の分野の優れた研究者を交えて得られた成果は、我が国の糖尿病の診断・治療の昂揚と国民福祉の発展に寄与すると確信いたしております。


連  絡  先
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大阪大学大学院医学系研究科
病態情報内科学(第一内科)

糖尿病・膵臓研究室
山  義 光
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