血漿交換を受けられる患者さんへ | 大阪大学腎臓内科

血漿交換を受けられる患者さんへ

血漿交換とは

血液は、赤血球や白血球などの血球成分と、それ以外の血漿成分からなっています。血漿成分には、アルブミン、グロブリン、凝固因子など様々な蛋白が含まれる一方、病気の原因となる物質(以下、病因物質と呼びます)も含まれています。血漿交換とは、体外に取り出した血液を血漿分離器で血球成分と血漿成分に分離した後、患者さんの血漿を廃棄し、その分を健常な方の血漿(あるいはアルブミン)で置き換える治療を言います。血漿交換を行うことで、血漿成分に含まれる病因物質を除去することができます。同時に、正常な血漿に含まれる凝固因子を補充することも可能です。

血漿交換の適応

 薬物治療のみでは十分な治療効果が期待できず、血漿交換を行うことにより病状の改善が期待できる場合に適応となります。つまり、病因物質が血漿成分に含まれていると考えられ、それを血漿交換により除去できると考えられる様々な疾患が対象となります。実際、適応となる疾患には様々な病気がありますが、基本的に現在の患者さんの重症度やその他の治療方法などを十分検討した上で行います。

血漿交換の方法

まず血漿交換を行うには体内の血液を体外に取り出す必要があります。一般的には頸部や大腿部の太い静脈にカテーテルを挿入し、そこから血液を脱血しそして返血する必要があります。このとき、血液が凝固するのを避けるため抗凝固剤を使用するのが一般的です。

血漿交換を行う際には患者さんはベッドに横になって頂き、約2、3時間かけて1回の血漿交換を行います。但し、1回の血漿交換で処理される血漿量はおよそ3Lであり、患者さんの血液がすべて置き換わる訳ではありません。このため、一連の治療として数回繰り返し行う必要があります。血漿交換の回数については病気の種類や患者さん個人によって異なり、実際、血漿交換の効果を評価しながら決定することとなります。

血漿交換の合併症や危険性

以下のような副作用・合併症が起こることがあります。

(1) 血圧低下、ショック

(2) 悪心、嘔吐

(3) 発熱、悪寒

(4) 頭痛、めまい

(5) しびれ、テタニー

(6) かゆみ、発疹などのアレルギー反応

(7) アナフィラキシー様症状;呼吸困難や全身紅潮など

(8) 不整脈

(9) 出血

(10) 感染症

これらの多くは、体外循環や血漿の除去、そしてまた血漿の補充により起こるものと考えられています。また、このような副作用・合併症が起こった場合は、必要に応じ治療を行うことがあります。万一、血漿交換により状態が悪化する場合は血漿交換を中断することもあります。また、重篤な合併症が起こった場合は集中治療室で治療を受けて頂くことがあります。

さらに、血漿の補充には健康な方から献血された血漿(あるいはアルブミン)を使用するため、輸血と同様の副作用に注意しなければなりません。特にウイルス感染に関しては、B型肝炎、C型肝炎、エイズ(後天性免疫不全症候群)、成人T型細胞性白血病などの検査を行い陰性であることを確認しておりますが、それでもこれらのウイルスが感染する可能性はゼロではなく、また未知のウイルスに感染する可能性もあります。このため、血漿交換後3カ月の時点で、新たな感染がおきているかどうかを血液検査で確認させて頂く必要性があります。もちろん、これらの検査を希望されない場合でも血漿交換を行うことは可能です。

 

何かご不明な点等があれば、担当医にお尋ねください。