オートファジーグループの紹介

前列左から
濱野倫子、山本毅士、高畠義嗣、高橋篤史
後列左から
松田 潤(留学中)、南 聡、
藤村龍太、酒井晋介、部坂 篤

細胞内のタンパク質や器官を分解するための仕組みの一つで自食とも呼ばれます。異常なタンパク質の蓄積を防いだり、飢餓時にタンパク質のリサイクルを行ったり、細胞内に侵入した病原微生物を排除することで生体の恒常性維持に関与しています。オートファジーは各臓器で生じていますが、近位尿細管はオートファジーが活発に起こっていることが1960年頃から知られています(オートファジーが報告された最初の臓器ともいわれています)。

阪大腎臓内科では、2006年ころ猪阪教授がヒト腎移植生検組織でオートファゴソーム様構造物を見出したのを契機に、腎臓におけるオートファジーの研究を開始しました。今日まで、自然状態、腎虚血再還流およびシスプラチン腎症などの急性ストレス下、シクロスポリン腎症や代謝性アシドーシスなど慢性の代謝ストレス下において、近位尿細管オートファジーが果たす役割について探求してきました。

これまでの約10年の研究で分かってきたことは、様々な腎疾患ストレス下では腎オートファジーが亢進して腎臓を守ろうとしているが、オートファジーの攪乱(疲弊)が生じていて、それが病態の進行に悪影響を与えている、ということです(オートファジーストレス)。オートファジー調節薬による腎疾患治療が私たちの夢ですが、単なるオートファジー亢進薬では解決しないこともわかってきました。しかし各腎疾患におけるオートファジーステータスへの深く理解することにより、オートファジーの研究が疾患治療に応用できる日が近いものと確信しております。