CD28スーバーアゴニストによる腎炎の治療|大阪大学腎臓内科

CD28スーバーアゴニストによる腎炎の治療

Mol Med. 2011, 17(7-8): 686-96.

A superagonistic monoclonal antibody for CD28 ameliorates crescentic glomerulonephritis in wistar-kyoto rats.

Takabatake Y, Li XK, Mizui M, Miyasato K, Matsui I, Kawada N, Imai E, Hünig T, Takahara S, Wada T, Furuichi K, Rakugi H, Isaka Y.

Clin Exp Nephrol. 2011, 15(1): 50-7.

CD28 superagonist-induced regulatory T cell expansion ameliorates mesangioproliferative glomerulonephritis in rats.

Miyasato K, Takabatake Y, Kaimori J, Kimura T, Kitamura H, Kawachi H, Li XK, Hünig T, Takahara S, Rakugi H, Isaka Y.

 

制御性T細胞(Treg)はT細胞の分画の一つで、自己反応性T細胞のみならず炎症全般を抑制することから最近注目されている細胞群です。

図1 CD28スーパーアゴニストはTregを優先的に増殖させる

 

CD28は全てのT細胞に発現する分子です。CD28に対するモノクローナル抗体JJ316はT細胞に対する強い活性化作用を持っており、スーパーアゴニストと呼ばれています。JJ316をラットに投与すると、制御性T細胞、非制御性T細胞が共に活性化されますが、前者は後者の活性化を抑制し、後者が分泌するIL-2により前者が増殖することにより、結果的に制御性T細胞が優先的に増殖します。

図2 CD28スーパーアゴニストのラット半月体形成性腎炎に対する治療効果

 

私たちはこのJJ316をラットの腎疾患モデルの治療に利用しました。まずラット半月体形成性腎炎モデルに投与したところ、1週間後には尿たんぱく量や糸球体半月体数の著明な減少を認めました。また2ヶ月間の観察では疾患コントロール群ではほぼ全例が死亡したのに対し治療群では全例が生存していました。

図3 CD28スーパーアゴニストのラット半月体形成性腎炎に対する治療効果

 

以上よりCD28スーパーアゴニストは腎疾患の治療薬として極めて有望であると考えられます。