ふぁっつ・にゅう

 

                      今後予想される甲状腺癌診療の大転換
  
  ホームページ上に甲状腺癌診療マニュアルの項目を加えました。これはもともと我々のところに甲状腺癌診療を教えて欲しいと見学に来られた医師に対して配布していたものです。甲状腺癌において人類史上初めて、患者を殺さない癌・”悪性化”しない癌の存在が明らかになりました。このことはとりもなおさず、今まで何も考えずに癌とみれば手術してきたことが必ずしも正しくなかったことを意味します。今後の癌診療は、やみくもに早期発見・早期治療を目指すのではなく、どんな癌を見つけるべきなのか、どんな癌を治療すべきなのか(すなわち、治療すべきでない”癌”があるということです)を考えながら行っていかなければなりません。甲状腺癌の診療はまさにその先駆けとなります。今後は癌の経過観察の取り組みがどんどん広がっていくでしょう。甲状腺癌は非常に頻度が高く、経過観察を甲状腺外科の専門医のみで行うのは困難です。おそらく一般内科医が甲状腺結節の診断と経過観察の役割を担っていくことになるのではないかと予想します。すなわち、専門でない医師にも甲状腺結節の管理法について最低限のことは知っておいていただく必要があるということです。 我々が開発したTFF3測定法の治験がスタートしていますがこのような客観的な判定法の普及も一般医が甲状腺結節を管理する一助になるのではないかと考えています。将来的には甲状腺癌の手術数、特に若年者の甲状腺癌に対しての手術数は大幅に減少するでしょう。、一般内科医がスクリーニングと悪性度の評価をして、手術が必要な症例を外科の専門医に紹介し、手術後はRI治療や分子標的薬の治療が必要な症例のみが専門医で通院し、その他の症例はある程度経験のある内科医が管理するようになるのではないでしょうか。その意味で今後、多くの内科医に甲状腺結節の診療経験を積んでいってもらう必要があると思います。特に穿刺吸引細胞診の方法は特別な道具や設備も不要で1人で簡単にできるようになっています。ある甲状腺専門病院を見学された後、我々の方法を見学した方に「先生のところのやり方は安くていいですねぇ。」と言われました(笑)。是非ご活用ください。

大阪大学医学系研究科甲状腺腫瘍研究チーム:ホームへ戻る