大阪大学大学院医学系研究科
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分子病態生化学
Department of Molecular Biology and Biochemistry, Graduate School of Medicine, Osaka University
生体システムとしてのシグナル伝達の分子基盤の確立

私達ヒトを構成する多数の細胞には、接着や細胞外の情報(シグナル)により正しく応答する仕組みが備わっています。これを細胞内シグナル伝達機構とよび、この仕組みが破壊されることが、種々の疾患の発症原因になると考えられています。私達は、細胞の増殖や分化、運動、極性決定等におけるシグナル伝達機構の役割を明らかにすると共に、その異常に基づく疾患の原因を解明し、新しい診断法や治療法を開発することを目指しています。特に、Wntシグナルを中心に据えた研究を展開していますが、他のシグナル経路とのクロストークを視野にいれ、シグナル伝達機構を遺伝子型と表現型を繋ぐ「生体のシステム」としてとらえながら、生命科学や病態に関する新たな分子基盤の創出を行います。

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2019.11.21 研究内容紹介」のページを更新しました。
「Wntシグナルと癌」に「小児肝芽腫におけるWntシグナル関連分子標的GREB1の同定と抗癌剤の開発」「DKK1受容体CKAP4とLRP6のパルミチン酸化修飾を介したDKK1シグナルの制御機構」を追加いたしました。
「Wntと増殖因子シグナルによる上皮形態形成」に「線維芽細胞MARK1による肺胞上皮組織の形態形成制御」を追加いたしました。
II型膜タンパク質CKAP4の機能」を追加いたしました。
2019.11.06 助教麓勝己の論文がJ Cell Sciに採択されました。本論文では、2017年Development誌に発表した肺の形態形成制御に関わるMark1の線維芽細胞における役割を明らかにしました。胎生後期になると、Mark1は線維芽細胞に多く発現するようになり、Mark1 knockoutマウス胎児肺では、気管支遠位側に形成される肺胞内腔の拡張が阻害されました。その分子機構を明らかにするために、肺上皮細胞と線維芽細胞の共培養実験系とその数理モデルを構築しました。その結果、線維芽細胞Mark1はヘッジホッグシグナルを介してコラーゲン蓄積と間質リモデリングを促進することにより、肺胞上皮細胞を扁平化し、羊水等による内圧に依存して肺胞拡張を促進する作用があることが示唆されました。
2019.10.29 セミナーご案内」に新しい情報が掲載されました。
2019年11月7日に千里ライフサイエンスセンタービルにて大阪市立大学大学院医学研究科 分子生体医学講座 病態生理学 教授 大谷 直子先生によるセミナー『難病への挑戦:腸内細菌叢とがん』が開催されます。奮ってご参加ください。
2019.10.19 大学院生佐田僚太の論文がScience Signalingに採択されました。本論文では、DKK1の新規受容体として見出したCKAP4がパルミチン酸化を受けていることに着目して以下の成果を挙げました。CKAP4のパルミチン酸化は、CKAP4の細胞膜上の脂質ラフト画分への局在に必要であり、DKK1依存性のAKTの活性化並びに、腫瘍増殖性にも必要でした。DKK1がCKAP4に結合すると、CKAP4の脱パルミチン酸化が生じ、CKAP4は脂質ラフト画分から非脂質ラフト画分に移動しましたが、この反応にはAKTの活性化と脱パルミチン酸化酵素APTが必要でした。私共は2006年に、DKK1の本来の受容体であるLRP6が、DKK1依存性に脂質ラフト画分から非脂質ラフト画分に移動することを報告していましたが、この機序にもLRP6の脱パルミチン酸化が関与することが明らかになりました。すなわち、DKK1の二つの受容体LRP6とCKAP4が、パルミチン酸化修飾により細胞膜上のミクロドメインでの局在が変化し、下流シグナルの活性を制御することが示唆されました。さらに、LRP6はDKK1、CKAP4と複合体を形成し、DKK1-CKAP4シグナルを活性化することも判明しました。
2019.09.09 セミナーご案内」に新しい情報が掲載されました。
2019年9月30日に千里ライフサイエンスセンタービルにて東京大学大学院医学系研究科 脳神経医学専攻神経病理学分野 教授 岩坪 威先生によるセミナー『難病への挑戦:アルツハイマー病の克服をめざして』が開催されます。奮ってご参加ください。
2019.07.19 助教の松本真司と大学院生山道拓の論文がNat. Commun.に採択されました。本論文では、小児肝腫瘍の肝芽腫において、異常活性化されたWnt/βカテニン経路が発現誘導する新規の標的因子としてGREB1を見出しました。GREB1はSmad2/3と結合することによりTGFβ経路を阻害し、肝芽細胞をがん化することがわかりました。さらに、GREB1に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドが、ヒトおよびマウス肝芽腫モデルに対して、腫瘍抑制効果を示しました。これらの結果から、肝芽腫の腫瘍形成の分子機構が明らかとなり、GREB1を標的とする肝芽腫治療薬の開発が可能となりました。さらに、GREB1は本来ホルモン感受性の補因子として作用することが知られていましたが、本研究によりGREB1の新規の機能が発見されました。
2019.05.29 大学院生大杉の論文がMol. Cell. Biol.に採択されました。本論文では、DKK1の新規受容体として見出したCKAP4が細胞膜上で、DKK1に依存することなく、インテグリンと結合して、SNX17 (sorting nexin 17) と競合することにより、インテグリンのリソソームの輸送を促進することを明らかにしました。インテグリンのエンドソームからのリソソームへの輸送と細胞膜へのリサイクリングの制御の新たな分子機構が解明されました。
2019.05.17 セミナーご案内」に新しい情報が掲載されました。
2019年5月29日に千里ライフサイエンスセンタービルにて京都大学大学院 医学研究科 発達小児科学 教授 滝田 順子先生によるセミナー『難病への挑戦:小児がんのトランスレーショナルリサーチ』が開催されます。奮ってご参加ください。
2019.04.01 大学院生名越章裕(博士課程)、井口浩輔(博士課程)と瀬田みなみ(修士課程)がメンバーに加わりました。
2019.01.31 セミナーご案内」に新しい情報が掲載されました。
2019年2月22日に千里ライフサイエンスセンタービルにて福島県立医科大学医学部 多発性硬化症治療学講座 教授、一般財団法人 脳神経疾患研究所 多発性硬化症・視神経脊髄炎センター センター長 藤原 一男先生によるセミナー『難病への挑戦:視神経脊髄炎:疾患概念の変遷と自己免疫性アストロサイトパチーの病態』が開催されます。奮ってご参加ください。
  研究内容紹介」のページを更新しました。「Wntシグナルと癌」の「ヒト癌における新規Dkk1-CKAP4シグナル軸の発見とCKAP4を標的とする抗癌剤開発」を更新しました。
2019.01.02 特任助教 木村公一の論文がClin. Cancer Res.に採択されました。本論文では、DKK1の新規受容体として私共が見出したCKAP4に対するモノクローナル抗体を作製しました。作製にあたって、野生型マウスとCKAP4 ノックアウトマスにヒトCKAP4抗原を免疫した点がユニークです。6種類のエピトープの異なる抗CKAP4抗体の中から、強い抗腫瘍効果を示す抗体が取得できました。また、本抗体はゲムシタビン耐性膵がん細胞株に対しましても増殖阻害効果をしましました。CKAP4がエクソソームと共に細胞外に分泌することが明らかになりましたので、抗CKAP4抗体を用いたELISAを開発しました。その結果、膵がん患者血清中のCKAP4値は健常人血清のCKAP4値よりも高いことが判明しました。従いまして、抗CKAP4抗体は膵がん等に対する新規の抗がん剤となる可能性と共に、コンパニオン診断薬の開発にも有効と考えられました。
2018.11.24 研究内容紹介」のページを更新しました。「Wntシグナルと癌」に「肝腫瘍に対するARL4Cを標的としたアンチセンス核酸を用いた新規抗癌剤の開発」を追加いたしました。
2018.11.08 特任助教 原田武志の論文がMol. Cancer Ther.に採択されました。本論文では、私共が見出しているWnt/β-cateninシグナルとEGF/Rasシグナルの下流で発現するARL4Cに着目して、肝細胞癌におけるARL4Cの役割につき検討しました。さらに、ARL4Cに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を合成し、原発性肝がんと転移性肝がんのマウスモデルに投与したところ、ARL4Cの発現が減少し、肝腫瘍が縮小することを明らかにしました。これらの結果から、肝腫瘍に対する新規の核酸医薬品の開発の可能性が考えられました。
2018.10.22 セミナーご案内」に新しい情報が掲載されました。
2018年11月14日に千里ライフサイエンスセンタービルにて金沢大学がん進展制御研究所 分子病態研究分野 教授 後藤 典子先生によるセミナー『難病への挑戦:がん幹細胞とそのニッチの制御機構』が開催されます。奮ってご参加ください。
2018.09.26 第91回日本生化学会大会 が滞りなく終了いたしました。
3000名以上の研究者に参加していただくことができ、ご協力いただきました全ての関係者の方々に、心からお礼を申し上げます。
2018.07.31 大学院生 梶原千裕と助教 麓勝己の論文がCancer Res.に採択されました。本論文では、DKK1の新規受容体として私共が見出したCKAP4がDKK1ファミリー(DKK2,3,4)全ての受容体となることを示しました。さらに、食道癌では、DKK1またはDKK3が発現している症例に加えてDKK1とDKK3の両者が発現している症例が存在することが判明しました。抗CKAP4抗体の投与により、DKK3が過剰発現している食道癌の増殖能が阻害されましたので、抗CKAP4抗体はDKKファミリーが発現しているがん腫に効率よく作用することが考えられました。
2018.04.09 セミナーご案内」に新しい情報が掲載されました。
2018年5月31日に千里ライフサイエンスセンタービルにて大阪大学大学院 医学系研究科 ゲノム生物学講座 がんゲノム情報学 教授 谷内田 真一先生によるセミナー『難病への挑戦:探索的な網羅的ゲノム解析とそれに基づくがんゲノム医療』が開催されます。奮ってご参加ください。
  研究内容紹介」のページを更新しました。「Wntシグナルと癌」の「ヒト癌における新規Dkk1-CKAP4シグナル軸の発見とCKAP4を標的とする抗癌剤開発」を更新し、「上皮細胞におけるWntの極性分泌制御」の「Wntの脂質修飾と分泌」、「Wntの糖鎖修飾と分泌」を更新し、「肝細胞におけるLRP6の異なるエンドサイトーシス経路の制御」を追加いたしました。
  メンバー紹介」のページを更新いたしました。
2018.04.02 大学院生 原田昭和(博士課程)と高田直季(修士課程)がメンバーに加わりました。
2018.03.31 大学院生 廣田傑(博士課程)と梶原千裕(修士課程)がそれぞれ学位を取得して、課程を修了しました。
  • 特任助教・大学院生募集
  • 大阪大学大学院医学系研究科
  • 大阪大学
  • 第91回日本生化学会大会
  • 上皮管腔組織の形成・維持と破綻における極性シグナル制御の分子基盤の確立 【文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究(平成23〜27年度)】
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