大阪大学大学院医学系研究科
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分子病態生化学
Department of Molecular Biology and Biochemistry, Graduate School of Medicine, Osaka University
生体システムとしてのシグナル伝達の分子基盤の確立

私達ヒトを構成する多数の細胞には、接着や細胞外の情報(シグナル)により正しく応答する仕組みが備わっています。これを細胞内シグナル伝達機構とよび、この仕組みが破壊されることが、種々の疾患の発症原因になると考えられています。私達は、細胞の増殖や分化、運動、極性決定等におけるシグナル伝達機構の役割を明らかにすると共に、その異常に基づく疾患の原因を解明し、新しい診断法や治療法を開発することを目指しています。特に、Wntシグナルを中心に据えた研究を展開していますが、他のシグナル経路とのクロストークを視野にいれ、シグナル伝達機構を遺伝子型と表現型を繋ぐ「生体のシステム」としてとらえながら、生命科学や病態に関する新たな分子基盤の創出を行います。

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2017.11.14 セミナーご案内」に新しい情報が掲載されました。
2017年11月27日に千里ライフサイエンスセンタービルにて国立がん研究センター 先端医療開発センター ゲノムトランスレーショナルリサーチ分野 分野長 土原 一哉先生によるセミナー『難病への挑戦:肺がん、消化器がんの新薬開発をめざした がんゲノムスクリーニングプロジェクト SCRUM-Japan』が開催されます。奮ってご参加ください。
2017.11.10 大学院生 新野直樹と特任助教 木村公一の論文がOncogeneに採択されました。本論文では、昨年私共が見出した新規がんシグナル軸DKK1-CKAP4経路(J. Clin. Invest. 126, 2689-2705, 2016) が、食道癌の発症にも関与することを示しました。食道癌において、DKK1とCKAP4の両者が発現している症例の予後が悪く、抗CKAP4抗体の投与によりin vivoでの食道癌の増殖能が阻害されることが明らかにしました。
2017.08.15 准教授 山本英樹と梅田大介の論文がJ. Cell Sci.に採択されました。本論文では、Wnt受容体であるLRP6は肝細胞において、LDLの刺激の有無により側底側から頂上側(flotillinを介する)とライソゾーム(clathrinを介する)へ輸送される経路が存在することを明らかにしました。また、前者の経路にはNPC1L1が、後者の経路にはNPC1が関与することも判明し、LRP6がWntシグナルとは独立してコレステロールの輸送に関わる分子機構の一端が解明されました。
2017.06.01 准教授 山本英樹の論文がJ. Biochem.に採択されました。本論文では、Wnt1が上皮細胞の頂上側にも側底側にも分泌され、特に、頂上側への分泌にはエクソシストを介することが明らかになりました。本機構は、Wnt11の頂上側への分泌にWnt11の糖鎖修飾とガレクチン3が関与する(J. Cell Sci. 126, 2931-2943, 2013)機構とは異なり、Wntの分泌経路における多様性を示しました。
2017.04.28 セミナーご案内」に新しい情報が掲載されました。
2017年5月10日に千里ライフサイエンスセンタービルにて金沢大学 がん進展制御研究所 腫瘍内科 教授 矢野 聖二先生によるセミナー『難病への挑戦:肺がんに対する最新の薬物療法』が開催されます。奮ってご参加ください。
2017.04.01 メンバー紹介」のページを更新いたしました。
2017.01.31 研究内容紹介」のページを更新しました。「Wntと増殖因子シグナルによる上皮形態形成」に「気管支から肺胞が形成される仕組み」を追加いたしました。
2017.01.31 セミナーご案内」に新しい情報が掲載されました。
2017年2月23日に千里ライフサイエンスセンタービルにて九州大学 大学院薬学研究院 ライフイノベーション分野 教授、産学官連携創薬育薬センター センター長 津田 誠先生によるセミナー『痛みと痒みの慢性化メカニズムをグリア細胞から探る』が開催されます。奮ってご参加ください。
2017.01.01 助教 麓勝己の論文がDevelopmentに掲載されました。本論文では、胎生初期から後期にかけての肺発生において、分岐した上皮管腔組織の遠位端が肺胞へと形態変化する新規の機構を見出しました。胎生初期の分岐形成期ではWntシグナルによって上皮細胞が頂端収縮すると分岐構造が形成され、胎生後期の肺胞形成期ではWntシグナル低下に伴って頂端収縮活性が低下し、細胞が立方形あるいは扁平化することにより肺胞構造へと変化することが明らかになりました。この分岐形態形成期から肺胞形成期への移行を制御するWntシグナルの下流因子としてMAP/microtubule affinity-regulating kinase 1(Mark1)を同定しました。
2016.11.07 研究内容紹介」のページを更新しました。「Wntシグナルと癌」に「ヒト肺癌における3’-非翻訳領域の低メチル化によるArl4cの高発現」、「癌細胞が分泌するWnt5b含有エクソソーム」を追加いたしました。
2016.11.07 セミナーご案内」に新しい情報が掲載されました。
  • 2016年11月16日に医学系研究科 共同研究棟 7階 セミナー室にて Prof. Stefan Hoppler (Institute of Medical Sciences, University of Aberdeen, Scotland, United Kingdom) によるセミナー『Tissue- and stage-specific Wnt signalling in embryonic development and heart muscle differentiation.』が開催されます。奮ってご参加ください。
  • 2016年12月12日に千里ライフサイエンスセンタービルにて国立がん研究センター 研究所 ゲノム生物学研究分野・先端医療開発センター ゲノムTR分野 分野長 河野 隆志先生によるセミナー『肺がんの予防・診療を推進するための基礎研究、TR研究』が開催されます。奮ってご参加ください。
2016.10.18 特任助教 藤井慎介の論文がOncotargetに掲載されました。本論文では、私共が見出した新規のがん遺伝子産物Arl4cが肺癌症例において高発現する際に、3’非翻訳領域の低メチル化が関与することを明らかにしました。本結果は、脱メチル化酵素TET1/2/3をノックアウトすることにより、Arl4cの発現抑制と3’非翻訳領域のメチル化が観察されたことから確認されました。また、TCGAデータベースの379肺癌症例の解析でも確かめられました。本結果は、Arl4cの癌における発現には、これまでに報告しているEGFとWntのシグナルの活性化に加えて、3’非翻訳領域の脱メチル化も重要であることが明らかになりました。
2016.10.16 特任助教 原田武志の論文がCancer Sci.に掲載されました。本論文では、Wnt5bを精製して、質量分析にてWnt5bの糖鎖修飾と脂質修飾を決定しました。また、Wnt5bがある種の癌細胞からエクソソームと共に分泌されて、パラクライン的に他の癌細胞の増殖、運動能を亢進することを明らかにしました。
2016.08.31 大学院生 Lim Boon Chengの論文がJ. Cell Sci.に掲載されました。本論文では、Wnt/PCPシグナル構成因子であるPrickleの新規の機能を見出しました。Prickleは運動している細胞の退縮側の細胞周辺部、特に接着斑近傍に特異的に集積していました。Prickleは、接着斑近傍に局在して微小管の接着班へのリクルートに関与するCLASP/LL5βと複合体を形成して、接着斑のターンオーバーを促進して、細胞運動能を亢進しました。また、本機能を発揮するためには、PrickleのC末端側のファルネシル化が必要でした。これらの結果から、Wntシグナルとは独立したPrickleによる細胞極性、運動の制御機構が明らかになりました。本内容は“In this issue”でハイライトされました。
2016.08.25 研究内容紹介」のページを更新しました。「Wntシグナルと癌」に「ヒト癌における新規Dkk1-CKAP4シグナル軸の発見とCKAP4を標的とする抗癌剤開発」、「Wntと増殖因子シグナルによる上皮形態形成」に「WntとKITシグナルの協調による唾液腺の形づくりと機能獲得過程の制御」、「Wntシグナルによる細胞機能制御」に「Prickleを介した新規の細胞極性、運動の制御機構」を追加いたしました。
2016.08.25 セミナーご案内」に新しい情報が掲載されました。
2016年9月8日に千里ライフサイエンスセンタービルにて東京医科歯科大学 難治疾患研究所 神経病理学分野、同 脳統合機能研究センター 教授・センター長 岡澤 均先生によるセミナー『真の変性疾患治療ターゲットをオミックス統合から捉える』が開催されます。奮ってご参加ください。
2016.07.01 特任助教 木村公一の論文がJ. Clin. Invest.に掲載されました。本論文では、Dikckopf1 (Dkk1)の新規受容体としてCytoskeleton associated protein 4 (CKAP4)を同定して、Dkk1-CKAP4シグナル軸がPI3K-AKT経路を活性化する結果、細胞増殖を促進することを明らかにしました。また、ヒト膵がんと肺がんにおいて、Dkk1とCKAP4の両タンパク質が発現している症例は予後が悪いことが分かりました。さらに、抗CKAP4抗体は、ヌードマウスにおける膵がん細胞と肺がん細胞による腫瘍形成を抑制しました。したがいまして、CKAP4はがん治療において新規の分子標的となる可能性が示唆されました。本内容は“Commentary”と“In this issue”でハイライトされました。
2016.07.01 助教 松本真司の論文がDevelopmentに掲載されました。臓器の形成過程において形づくりと機能分化がどのように調整されているかは不明でした。本論文では唾液腺をモデルとして、マウス個体とin vitroでの唾液腺と唾液腺上皮細胞の3次元培養を用いて、Wntシグナル活性の変化がKITの発現を介して、腺房での導管分岐と上皮細胞の分化を巧妙に制御することを明らかにしました。本内容は“In this issue”でハイライトされました。
2016.04.01 セミナーご案内」に新しい情報が掲載されました。
2016年5月9日に千里ライフサイエンスセンタービルにて東京医科歯科大学 難治疾患研究所 教授 稲澤譲治先生によるセミナー『がん細胞におけるアミノ酸欠乏時細胞文脈応答とオートファジー機能』が開催されます。奮ってご参加ください。
2016.04.01 メンバー紹介」のページを更新いたしました。
2016.04.01 特任研究員 前原奈都美、大学院生 廣田傑(博士課程D3)、安河内絢(博士課程D1)、佐田遼太(博士課程D1)、梶原千裕(修士課程M1)がメンバーに加わりました。
2016.04.01 特任助教 松本真司が助教として、大学院生 木村公一が特任助教として採用されました。
2016.04.01 助教 佐藤朗が滋賀医科大学医学科分子病態生化学教室准教授に、特任助教 藤井慎介が九州大学歯学研究院口腔病理学研究分野 助教に採用され、異動しました。
  • 特任研究員・大学院生募集
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  • 上皮管腔組織の形成・維持と破綻における極性シグナル制御の分子基盤の確立 【文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究(平成23〜27年度)】
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