教室で実施中の臨床研究

    

課題名: 組合せ不変量アルゴリズムによる癌組織判定ソフトの開発
主任研究者: 森井 英一
 

 病理医数は現在の日本でも十分ではありません。病理診断が必要な時に迅速に行えない事態が生じ、処置に遅れをきたすなどの、深刻な事態となる場合があ ります。病理医育成には長時間の訓練を必要とするので、早急に病理医の数を増やすことは困難です。このままでは、高齢化に伴い今後増え続ける癌患者に対し て、十分な診断を行っていけるのか懸念されています。病理診断を支援する解析プログラムの開発は希求の要請です。
 これまでは「パターン認識技術」を基礎とした解析プログラムの研究が進められてきました。しかし、がん組織の形態があまりに多様なため、実用に適したものはいまだ開発されていません。
 この様な状況の中、パターン認識技術によらない癌病変部判定アルゴリズムが大阪大学医学系研究科により提案されました。この判定アルゴリズムは、癌細胞 の無秩序増殖による圧迫・浸潤を位相幾何学的な性質の変化として読み取るため、偽陰性(見逃し)が非常に少なく、ライブラリー参照を行わないため、一般の 計算機でも極めて短時間での判定が可能です。本研究は、実際の診断と画像処理の結果を比較することで、本アルゴリズムの信頼性を確認するために行われま す。

① 対象
 2008年1月1日から2012年9月31日までに大阪大学医学部附属病院で病理診断を受けた方

② 研究機関名
 大阪大学医学部附属病院

③ 目的
 大阪大学大学院医学系研究科で新たに開発されたアルゴリズムにより、病理電子画像から癌病変部を特定する技術の開発

④ 方法
 対象患者の診療記録から、患者と新たに付された符号又は番号の対応表を残さないように匿名化を行い、ヴァーチャルスライドにより組織標本の電子化を行います。その電子化された画像の処理を行い、処理結果と病理診断の結果を比較することで本手法の有効性を確認します。

⑤ 意義
 計算機によって病理診断を支援する技術を確立します。これによって、病理医不足からくる様々な問題に対応していきたいと考えております。特に、遠隔診断に対する応用も考えられ、遠隔地医療に対する貢献も可能できるよう開発を進めます。

⑥ 個人情報の扱い
 大阪大学医学部附属病院病理部にて匿名化を行い、病院外では連結を不可能にします。大阪大学医学部附属病院からは、連結不可能な情報しか提供しません。

⑦ 問い合わせ先
 中根 和昭
大阪大学医学部保健学科 機能診断科学
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-7
電話:06-6879-2595, FAX:06-6879-2595
メールアドレス k-nakane●sahs.med.osaka-u.ac.jp (●を@に変えてください。)

⑧ 研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法
 本研究は、既存試料等の提供により行われますが、試料等は匿名化(連結不可能匿名化又は連結可能匿名化であって対応表を提供しない)を行います。また、試料を利用する際には、所属する組織の代表者等に対し、その旨の報告を行います。
 本研究は、介入を伴わず、「臨床研究に関する倫理指針(厚生労働省 平成20年7月31日全部改正)」において「観察研究」とみなされるため、被験者か らインフォームド・コンセントを受けることを必ずしも要しません。ただし、これを省略する場合には本臨床研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開 しなければならないため、本ホームページに以下の情報を公開します。

    ①対象
    ②研究機関名
    ③目的
    ④方法
    ⑤意義
    ⑥個人情報の扱い
    ⑦問い合わせ先
    ⑧研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法

 本研究に関して参加施設が保有する個人情報に関しては、被験者等により開示を求められた場合には遅滞なく個人情報を開示します。個人情報の訂正、利用停 止、第三者への提供の停止を求められ適正と判断された場合には、これを行います。保有する個人情報に関して、被験者等からの苦情・問い合わせに迅速に対応 します。個人情報開示の求めに対して、開示しない場合には、その理由を提示します。これらの依頼や詳細については、上記の問い合わせ先までご連絡くださ い。