教室で実施中の臨床研究

    

課題名: GINS複合体因子の発現によるがん悪性度の診断方法の開発
主任研究者: 森井 英一
 

 従来正常組織の細胞と異なることで形質転換している細胞、いわゆるがん細胞として判断されてきた病理診断も、様々なマーカー分子の発見によ り、正常細胞とがん細胞の差が分子レベルで明らかにされつつあります。さらに、最近がん細胞の中でも最も悪性度の高いと考えられるがん幹細胞が存在するこ とが報告されてきていますが、このがん幹細胞に関しては種々のがん組織で発現している分子が異なり、また同一のがん種においても、がん幹細胞間で共通して 発現している分子はまだ明確にはなっていません。そこで、すでに病期が判明しており、悪性度の診断が判明している病理組織標本を用い、がん組織のなかのが ん幹細胞と考えられる細胞が存在するか否かをレトロスペクティブに解明することにより、がん幹細胞の存在と、がんの臨床的な悪性度を比較検討することがで きます。今後生検サンプルを解析する際に、悪性度の診断的な補助として利用することができ、治療方法を選択する上で有用な情報をもたらせることができま す。GINS複合体因子を用いて、前立腺がんのがん幹細胞性、あるいは悪性度を解析する研究はまだなされておらず、先行する研究はまだありません。本解析 に成功すれば、治療の必要性が組織診断では明確とできなかった症例も、今後できるようになり、医師および患者ともに利益を被ると考えられます。

① 対象
 2008年1月1日から2012年9月31日までに大阪大学医学部附属病院で病理診断を受けた方

② 研究機関名
 大阪大学医学部附属病院

③ 目的
 前立腺の病理組織を用い、GINS複合体因子のなかでも特にPSF1の発現について詳細に検討し、病期などの臨床像と照合して、がんの悪性度の診断として、PSF1の発現がバイオマーカーとして有用か否かを検討することを目的とします。

④ 方法
 大阪大学医学部附属病院病理部で保管している前立腺ブロックの中で、分化度の異なる診断名のついた20例について、病理部で連結不可能な番号にて匿名化して、その切片におけるPSF1の発現を検討します。

⑤ 意義
 がんの悪性度がPSAなどの血清蛋白だけでなく、組織学的にも診断され、治療方法の選択が容易になる可能性があります。

⑥ 個人情報の扱い
 大阪大学医学部附属病院病理部にて匿名化を行い、連結を不可能にします。

⑦ 問い合わせ先
 森井 英一
大阪大学医学部附属病院 病理部
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-15
電話:06-6879-3711, FAX:06-6879-3719
メールアドレス morii●molpath.med.osaka-u.ac.jp (●を@に変えてください。)

⑧ 研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法
 本研究は、既存試料等の提供により行われますが、試料等は匿名化(連結不可能匿名化又は連結可能匿名化であって対応表を提供しない)を行います。また、試料を利用する際には、所属する組織の代表者等に対し、その旨の報告を行います。
  本研究は、介入を伴わず、「臨床研究に関する倫理指針(厚生労働省 平成20年7月31日全部改正)」において「観察研究」とみなされるため、被験者から インフォームド・コンセントを受けることを必ずしも要しません。ただし、これを省略する場合には本臨床研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開し なければならないため、本ホームページに以下の情報を公開します。

    ① 対象
    ② 研究機関名
    ③ 目的
    ④ 方法
    ⑤ 意義
    ⑥ 個人情報の扱い
    ⑦ 問い合わせ先
    ⑧ 研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法

  本研究に関して参加施設が保有する個人情報に関しては、被験者等により開示を求められた場合には遅滞なく個人情報を開示します。個人情報の訂正、利用停 止、第三者への提供の停止を求められ適正と判断された場合には、これを行います。保有する個人情報に関して、被験者等からの苦情・問い合わせに迅速に対応 します。個人情報開示の求めに対して、開示しない場合には、その理由を提示します。これらの依頼や詳細については、上記の問い合わせ先までご連絡くださ い。