教室で実施中の臨床研究

    

課題名: 悪性リンパ腫における幹細胞を規定する因子の解析
主任研究者: 池田 純一郎
 

 
 従来、正常組織の細胞と異なることで腫瘍細胞として判断されてきた病理診断も、様々なマーカー分子の発見により、正常細胞と腫 瘍細胞の差が分子レベルで明らかにされつつあります。さらに、最近腫瘍細胞の中でも最も悪性度の高いと考えられる腫瘍幹細胞が存在することが報告されてき ましたが、この腫瘍幹細胞に関しては種々の腫瘍組織で発現している分子が異なり、また同一の悪性腫瘍においても、腫瘍幹細胞間で共通して発現している分子 はまだ明確にはなっていません。そこで、すでに組織型が判明しており、悪性度の診断が判明している病理組織標本を用いて、腫瘍組織のなかに腫瘍幹細胞と考 えられる細胞が存在するか否かをレトロスペクティブに解明することにより、腫瘍幹細胞の存在と、悪性腫瘍の臨床的な悪性度を比較検討することができると考 えます。腫瘍幹細胞の多寡は今後生検サンプルを解析する際に、悪性度の診断的な補助として利用することができ、治療方法を選択する上で有用な情報をもたら せることができると考えられます。本研究では、幹細胞的性質を有する因子であるFoxO3aやALDHなどを用いて悪性リンパ腫症例の腫瘍幹細胞性、ある いは悪性度を解析することを計画しています。悪性リンパ腫は組織型が多彩であるとともに、同一の組織型でもヘテロな集団が含まれているものもあり、本解析 に成功すれば、治療有効性が組織診断のみでは明確に判断できなかった症例も、今後できるようになり、医師および患者ともに利益を被ると考えられます。


 1.研究の対象
 1999年1月1日から2012年12月31日までに大阪大学医学部附属病院で病理診断を受けられた方

 2.研究目的・方法
  悪性リンパ腫の病理組織を用い、幹細胞的性格を有する因子のなかでも特にFoxO3aやALDHの発現について詳細に検討し、病期などの臨床像と照合し て、腫瘍の悪性度の診断として、FoxO3aやALDHの発現がバイオマーカーとして有用か否かを検討することを目的とします。大阪大学医学部附属病院病 理部で保管している悪性リンパ腫症例ブロックの中で、種々の組織型の診断名のついた150例について、病理部で匿名化して、その切片におけるFoxO3a やALDHの発現を検討します。

3.研究に用いる試料・情報の種類
・情報:通常の医療において取得された・あるいは取得される予定の診療情報(既存情報)
・試料:当院の患者について病理診断のために作成されたパラフィン包埋ブロック検体の残余パラフィン
 包埋ブロック検体
・研究対象者のデータや検体から氏名等の個人情報を削り、代わりに新しく符号又は番号をつけて匿名化
 を行います。研究対象者とこの符号(番号)を結びつける対応表は作成しません。
・利用する者の範囲、試料・情報の管理について責任を有する者は研究責任者となります。

4.お問い合わせ先

 本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

  照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
  研究責任者 池田 純一郎
大阪大学医学部附属病院病理部
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-15
電話:06-6879-3711, FAX:06-6879-3719
メールアドレス jikeda●molpath.med.osaka-u.ac.jp (●を@に変えてください。)