教室で実施中の臨床研究

    

課題名: 立体像可視化プロトタイプソフトウェアの医療応用
主任研究者: 堀 由美子
 

 医療分野でヒトの病変を観察する際、その観察法は2次元像から3次元像に展開しつつあります。既存の画像診断では検証困難であったミクロ構造 やナノ構造に関しても、2次元的な病理標本から3次元構造を構築する手段を得ることで、これまでの病理診断で得られていた情報の解釈がさらに容易となり、 臨床情報と照らし合わせることで病態の解明につながると考えられます。また、大きな病変のなかに一部複雑な構造がみられる場合に関しても、この技術を応用 することで明らかにできる可能性があります。3次元構造を得るための画像処理を医療分野で汎用的にするには、画像の撮影から3次元再構成、可視化までの一 連の処理の自動化、省力化、高速化が不可欠です。このステップは大きく、 (1)画像の撮影、(2)投影像間の座標合わせ、(3)輪郭抽出・立体表示に集約されますが、特に(3)は、これまで人手による労力を最も必要とする作業 であり、汎用化のボトルネックになっていました。これまで開発されてきた立体像可視化プロトタイプソフトウェア(HawkC)は、自動輪郭抽出機能やグラ フィカルユーザーインタフェースによる簡便な編集機能などを含む実用化レベルのソフトウェアであり、(3)のボトルネック解消が期待できます。既存の試料 の中で病変の性状や形態が適切な検体を光学顕微鏡で確認、選択し、ソフトウェアのvalidationを行い、高速かつ簡便な3次元構造解析を行い、病変 部の微細構造の把握を行うことができると考えられます。

① 対象
 大阪大学医学部附属病院病理部で過去に手術を受け、肺腫瘍、血管奇型病変と診断された方。

② 研究機関名
 大阪大学医学部附属病院

③ 目的
 立体像可視化プロトタイプソフトウェアを医療応用するため、ソフトウェアを実際の病変に関して使用し、検証を行います。

④ 方法
  大阪大学医学部附属病院病理部で保管している肺腫瘍、血管奇型病変のブロックのうち、手術時に研究利用に関して同意を得た症例の計20例についてそれぞれ のパラフィンブロックの連続切片を作成します。その際、さらに個人情報とは全く連結不可能な番号で匿名化します。その後、立体像可視化プロトタイプソフト ウェア(HawkC)による解析を行い、解析画像と顕微鏡による観察像とを比較し、評価を行います。

⑤ 意義
 病変を3次元的に把握することは、病態の把握や解明において重要です。立体像可視化プロトタイプソフトウェア(HawkC)の医療応用が可能となれば、細かい血管の走行が問題となる血管奇形症例の構造などが解明でき、将来の治療に役立つ可能性があります。

⑥ 個人情報の扱い
 大阪大学医学部附属病院病理部にて匿名化を行い、連結を不可能にします。
 
⑦ 問い合わせ先
 堀 由美子
大阪大学医学部附属病院 病理部
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-15
電話:06-6879-3711, FAX:06-6879-3719
メールアドレス yumiko-hori●molpath.med.osaka-u.ac.jp (●を@に変えてください。)
  
⑧ 研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法
 本研究は、既存試料等の提供により行われますが、試料等は匿名化(連結不可能匿名化又は連結可能匿名化であって対応表を提供しない)を行います。また、試料を利用する際には、所属する組織の代表者等に対し、その旨の報告を行います。
  本研究は、介入を伴わず、「臨床研究に関する倫理指針(厚生労働省 平成20年7月31日全部改正)」において「観察研究」とみなされるため、被験者から インフォームド・コンセントを受けることを必ずしも要しません。ただし、これを省略する場合には本臨床研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開し なければならないため、本ホームページに以下の情報を公開します。

    ① 対象
    ② 研究機関名
    ③ 目的
    ④ 方法
    ⑤ 意義
    ⑥ 個人情報の扱い
    ⑦ 問い合わせ先
    ⑧ 研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法

  本研究に関して参加施設が保有する個人情報に関しては、被験者等により開示を求められた場合には遅滞なく個人情報を開示します。個人情報の訂正、利用停 止、第三者への提供の停止を求められ適正と判断された場合には、これを行います。保有する個人情報に関して、被験者等からの苦情・問い合わせに迅速に対応 します。個人情報開示の求めに対して、開示しない場合には、その理由を提示します。これらの依頼や詳細については、上記の問い合わせ先までご連絡くださ い。