教室で実施中の臨床研究

    

課題名: 三次元イメージング技術を用いた病理組織診断の標準化
主任研究者: 野島 聡
 

 腫瘍における病理組織診断は、腫瘍の悪性度、分化度、浸潤・転移の程度を組織学的に診断する医行為のことで、治療方針の決定の根幹に関わる重 要な医学的技術です。しかしながら、現在の病理組織診断は病変を代表とする数か所の割面の組織学的所見のみから行われており、評価されなかった部位におけ る所見の多くが見逃されているものと考えられます。本研究では、近年開発されたCUBICと呼ばれる特殊な試薬を用いてヒト腫瘍組織を透明化し、腫瘍マー カーに対する免疫染色を施行、ライトシート顕微鏡等にて三次元的画像データを取得し立体モデルを作成、三次元的な病理組織学的所見を取得します。得られた 三次元的病理組織学的所見を集積し、予後、再発率、治療反応性といった臨床学的動態と比較検討することにより新規の診断基準を見出し、標準化された新たな 診断システムを確立することを目的としています。腫瘍組織の観察にて得られた知見は適宜、感染性疾患、自己免疫性疾患、血管循環器系疾患を含む他の疾患に も拡大し、より一般的な基盤的技術の確立を目指します。


1.研究の対象
①大阪大学医学部附属病院病理部にて保管されている以下の臨床科の検体
・産科婦人科
 産婦人科領域の腫瘍組織およびその検体に付属する正常部分の組織のパラフィンブロック、および申請認可後(2015年6月11日~)に提出される病理検体およびその検体に付属する正常部分の組織の残余組織。
・血液内科
 血液内科に由来し、病理部において保管されている血液疾患のパラフィンブロック。

②大阪大学医学部附属病院において施行された病理解剖において残余した以下の組織
・病変部組織
・対照となる正常組織
・上記から作成されたパラフィンブロック

2.研究目的・方法
 上記組織検体を用いて、透明化および免疫染色等を施行、ライトシート顕微鏡等を用いて評価し立体モデルを作成します。これらの三次元的病理組織学的所見を集積し、新規診断基準を見出し、新たな病理診断システムを確立することを目指します。
研究期間は、2015年6月11日~2025年3月31日を予定しています。

3.研究に用いる試料・情報の種類
・情報:通常の医療において取得された・あるいは取得される予定の診療情報(既存情報)。
・試料:当院の患者について病理診断のために採取された組織の残余分およびそれらから作成された
 パラフィン包埋ブロック検体の残余分。
・研究対象者のデータや検体から氏名等の個人情報を削り、代わりに新しく符号又は番号をつけて匿名化
 を行います。研究対象者とこの符号(番号)を結びつける対応表は作成しません。
・利用する者の範囲、試料・情報の管理について責任を有する者は研究責任者となります。

4.外部への試料・情報の提供
  組織検体の一部について、共同研究施設である、東京大学 大学院医学系研究科および理化学研究所 生命システム研究センターにこれらを供与する可能性がございます。この場合、検体から氏名等の個人情報を削り、代わりに新しく符号又は番号をつけて匿名化 を行った上で供与を行います。研究対象者とこの符号(番号)を結びつける対応表は作成しません。

5.研究組織
大阪大学 大学院医学系研究科 / 大阪大学 医学部附属病院 病理部(研究責任者:野島 聡)
東京大学 大学院医学系研究科(研究責任者:上田 泰己)
理化学研究所 生命システム研究センター(研究責任者:上田 泰己)

6.お問い合わせ先
 本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
  研究責任者 野島 聡
大阪大学 大学院医学系研究科 病態病理学
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2
電話:06-6879-3711, FAX:06-6879-3719
メールアドレス s_nojima●molpath.med.osaka-u.ac.jp (●を@に変えてください。)