診断に苦慮した乳腺原発悪性リンパ腫の1例
医療法人愛仁会高槻病院病理検査室
小林 学(CT) 谷口 由美(CT) 栗山 行央(CT) 川真田 智子(MT) 岩井 泰博(MD)
【症例】50歳代女性。
【家族歴】特記すべきことなし。
【既往歴】特記すべきことなし。
【現病歴】約1ヶ月前より右乳房腫瘤の増大を認め来院。右乳腺AC領域に径4.5cmの腫瘤を認め、穿刺吸引細胞診にて悪性腫瘍が疑われたため、右乳房切除術が施行された。
【穿刺吸引細胞像】出血、壊死性背景に、比較的広い細胞質を持つ、多形性の強い異型細胞を小集塊様に認めた。背景にリンパ球も多数認めた。
【病理組織像】豊かな細胞質と多形性の強い大型核を有する異型細胞がびまん性に増殖し、免疫染色にてLCAおよびL-26が陽性となりびまん性リンパ腫(B細胞性)と診断された。
【まとめ】穿刺吸引細胞診において、多形性の強い上皮様細胞の出現は乳腺の悪性上皮性腫瘍を疑わせるものであり組織型の推定が困難であった。