教室紹介
HOME > 教室紹介 > 教授ご挨拶

教授ご挨拶

教授 望月秀樹 最新版2014年度2013年度2012年度就任時

(2015年神経内科学年報より抜粋)

早いもので、私も赴任して5年目に入りました。今年は、大阪大学神経内科学教室における脳卒中診療と研究を中心に最近のことまで紹介します。

大阪大学神経内科学教室は、臨床では大阪大学神経内科・脳卒中科と命名し、脳卒中診療及び研究に特に力を入れております。脳外科の吉峰教授がセンター長として脳卒中センターが設立されました。 大阪大学脳卒中センターは、24時間体制で脳卒中患者さんを受け入れています。高度救急救命センターを窓口として脳神経外科、神経内科・脳卒中科の医師が対応しています。 老年・高血圧内科、放射線科、リハビリテーション部、看護部、保健医療ネットワーク部とも緊密に連携して、できるだけ早い社会復帰を目指します。 神経内科では、血管内治療専門医である坂口先生がグループリーダーとして、脳卒中センターで活躍しています。2016年4月から吉峰教授のご退官に伴い、望月がセンター長を拝命しました。 今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。研修医教育にも力を入れていく予定です。 すでに、府立急性期病院で神経内科研修を行っている北野先生が血管内治療専門医を取得するために、川崎医大の脳卒中科(八木田教授)で研修を開始しています。すでに半年で約50例の経験を積んでおります。 このように関連病院での連携を強め、研修医レベルでの脳卒中診療の教育に力を入れたいと思っています。

次に日本脳卒中協会を紹介します。この団体は、脳卒中に関する正しい知識の普及及び社会啓発による予防の推進並びに脳卒中患者の自立と社会参加の促進を図り、国民の保健、福祉の向上に寄与することを目的としています。 大阪大学でも、大阪支部の事務局として活動しています。寺崎先生が事務局長として大阪地区のマネージメント業務に尽力しています。具体的には、市民公開講座の啓発活動や事務局での電話対応など交代で行っています。 大変意義のある運動ですので、さらに教室でも力を入れて行きたいと思っています。

脳卒中の研究面ですが、臨床研究、基礎研究ともたいへん活発です。脳卒中基礎研究は、北川先生(現女子医科大学)、八木田先生(現川崎医大)が推進されてきた多数の基礎研究があり伝統があります。 現在は佐々木先生が中心となって大学院を指導し、基礎研究を進めています。臨床研究では、三輪先生がリードして臨床論文が出ております。 その中のひとつに旗手先生の脳小血管病と軽度パーキンソニズムの頻度などを画像等から検討した論文が昨年度発表されました。脳血管障害性パーキンソニズムは、転倒などの問題点があり治療にも苦慮します。 そのメカニズムの一端が本研究から捉えられたのではないかと思っています。脳卒中研究と変性疾患研究の両方の視点から捉えた興味深い研究です。また、権先生は癌と脳卒中に注目して関連の解析を推進しています。 すでに第一報はAnnals of NeurologyのWeb版に論文発表しましたが、まだ詳細な機序など不明な点も多く、今後も解析を進めていく予定です。

2015年のニュースとしては、広島大学の松本教授が星ヶ丘医療センター病院長として大阪にお戻りになりました。また松本先生はJ-STARSなどの臨床研究の成果が評価され、2015年度の美原賞を受賞されております。 広島大学神経内科では、脳卒中、変性疾患の基礎と臨床で着実な結果を出されていましたので、どのような指導をされているのかお聞きしました。 基礎研究班と臨床研究班に分け、脳卒中も変性疾患もそれぞれのチームで一緒になって解析・研究されているとのことでした。その方がそれぞれの効率よく利点を得られるとのご指導を受けましたので、我々もそのようなシステムを上手く導入できないか検討しました。 その結果、阪大の基礎研究でも、佐々木先生が血管障害と変性の共通機序を解析しており、変性班との連携が進んできました。大山先生は留学中今最先端である血管障害と腸管免疫を研究し、現在免疫チームとの共同研究を開始しています。 このように脳卒中の横断的な基礎研究面も当科では推進していく予定です。今年度から、松本先生は大阪大学神経内科学の招へい教授にご就任頂きましたので、学生の授業などもお願いする予定です。

神経内科においての脳卒中診療は大変重要な分野です。神経内科の医師は誰でもが、脳卒中診療ができなければなりません。大阪大学神経内科学では、脳卒中診療における教育、研究、臨床にはさらに力を入れて進めていくつもりです。

次に、「神経難病認知症探索治療講座」という新しい寄付講座が2015年1月に大阪大学に開設されましたのでご紹介します。教授には、国立精神神経センターから永井義隆先生をお迎えしました。 脊髄小脳変性症、ALS、パーキンソン病など変性疾患の病態機序解明、治療の開発などをご専門です。最新の手法や動物モデルを駆使して疾患の発症に関わる重要な成果を発表されています。 すでに他大学からの大学院生が加わり新たなプロジェクトを開始しています。当科とも人的交流や研究の連携を開始しています。また、高橋正紀先生が、2016年4月から保健学科の教授にご就任されるなど嬉しい報告がありました。 最近になって、高橋先生のグループも含めNature Communicationなど多数研究が成果もでております。基礎研究にも一層力を入れていきたいと思います。皆様におかれましては、今後ともご指導、ご鞭撻のほど何卒宜しくお願いします。

大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学 教授 望月秀樹
Page Top