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教授ご挨拶

教授 望月秀樹 最新版2013年度2012年度就任時

(2014年神経内科学年報より抜粋)

昨年はSTAP細胞で翻弄された一年でした。日本における細胞治療研究ばかりでなく基礎研究そのもの信頼が失われかけました。 その結果我々は、頻回に研究倫理の講習会を受けることになり、研究費の厳密な使用制限、資料の長期保存や評価法についても大学側から 指導を受けております。研究費使用者内訳も大変厳しく管理されるようになりました。それぞれが獲得したもの以外に使用できないという ルールは理解できるのですが、若い先生やまだこれからという研究のために、もう少し柔軟性があってもいいのではと思います。

また、厚生労働省、文部科学省などの医学系研究費の多くがJapan Agency for Medical Research and Development (AMED)という出口を 目指した研究組織に移行しました。どうやら、translational researchを重点化していくという政府の意向のようです。研究はできるだけ 自由な発想でチャレンジするのが良いと思いますが、これも難しくなるかもしれません。神経内科独自の研究もすべて治療に結びつくわけ ではありませんし、基礎や臨床で重要な研究はたくさんあります。その重要性を神経内科においても意見集約を行い、表明をする必要が あります。それに向けて前代表理事の水澤先生が、日本神経学会に将来構想委員会を設立されました。現在は、高橋代表理事が委員長に なり、私が副委員長をしております。簡単にご紹介しますと、まず水澤先生が中心となり理事会で「神経疾患克服に向けた研究推進の提言」 が作成されました。これをこの委員会では毎年改正し、HPや政府関係などに提出し、神経内科研究の重要性を提言します。また、研究費の 流れや申請法などをわかり易く会員に報告する作業も行います。このような委員会活動に対して、皆様方からご意見を頂けますと幸いです。

次にご報告するのは、難病・在宅システムについての話です。新難病対策法ができ、いよいよ難病制度の変革が進められています。大阪府 では「大阪府難病患者在宅支援事業」が立ち上がりました。これは4大学病院と府立急性期・総合医療センター病院が医師会と連携して、 神経難病の方がその病院を退院する時に、専門医が同行し在宅をサポートするというシステムです。大阪大学病院が、在宅関連の仕事をする 事に驚いている方もおられると思います。しかしこれからの難病・在宅への取り組みは社会的なニーズも多く、我々もリーダーシップを取って 進めていければと考えております。第一回日本難病医療ネットワーク学会を2013年に大阪で開催しましたが、大変参加者が多く、熱気に満ちた 会でした。その大阪でこのような事業を展開させることは意義があり、他府県に対しても良いモデルケースになるのではないかと思って おります。大阪大学では我々の教室に加え、保健学科の小西先生、聲高先生と共同で運営し府立急性期・総合医療センター狭間先生、 澤田先生にもご指導いただきながら運営を進めております。今後は大阪大学でも、難病を中心に診療している小児科や神経内科が中心 になって、難病センターなどを立ち上げる必要性があると思っています。

話は変わりますが、昨年度は残念ながら、CPCが教室で開催できませんでした。病理解剖は大学ではなかなか難しく、昨年度は一件もあり ませんでした。今後は刀根山病院藤村先生と共同しながら、病理研究を進めていかなかればらないかと感じています。関連病院の先生方 におかれましては、是非剖検を積極的に行われますようお願い申し上げます。

昨年9月八木田先生が、川崎医大脳卒中科の主任教授になられました。脳卒中臨床ばかりでなく、基礎研究においても多くの業績がある 優秀な先生ですが、マネージメント力にも優れています。例えば、私が最も力を入れているもののひとつに、研修医勉強会があります。 八木田先生は、その事業責任者のひとりとして、司会や連絡係などを務め、この会を立ちあげてくれました。研修医勉強会では、各部長 先生が、神経内科と脳卒中科で交互に研修医にわかり易く臨床の話をしてくれるのですが、八木田先生が脳卒中科の各部長にお願いして くださって、この会を開始することができました。研修医の先生方には大変好評で、その成果により入局者も年々増加傾向にあります。 今後は、大阪大学神経内科・脳卒中科と川崎医大の脳卒中科で臨床や研究の連携ができると良いと思います。

大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学 教授 望月秀樹
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