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医局会

O.C.C.

関西眼科先進医療研究会

第218回 関西眼科先進医療研究会

2017年9月8日(金) 18:00〜

場所:オンコロジーセンター棟5階 キャンサーボードホール

テーマ

「重症先天性視覚障害に対する視覚再建時期と視路の可塑性」

演者:西口 康二 先生 (東北大学大学院医学系研究科 視覚先端医療学寄付講座 准教授)

紹介文:

網膜色素変性症(RP)は日本人の失明原因の第3位を占める罹患者数の非常に多い疾患であるにもかかわらず、有効な治療法が確立されていません。近年、次世代シーケンサー(NGS)を用いた原因遺伝子解析、遺伝子編集技術を用いた病態解析、ES細胞やiPS細胞を用いた細胞治療、遺伝子治療といった新しい治療法等の研究開発が盛んに行われています。
西口先生はこの分野において、非常に幅広い研究をされ、数多くの成果をあげてこられました。西口先生は1997年名古屋大学医学部をご卒業され、名古屋大学眼科学教室に入局されました。2000年より米国ハーバード大学へご留学され、R9APとRGS9の変異が遅視症(Bradyopsia)の原因であることを2004年Nature誌に発表されました。それを皮切りに様々な新規変異を同定されておられます。2006年に名古屋大学に戻られた後、2011年スイスローザンヌ大学へご留学され、NGSを用いた遺伝子解析にてNEK2がRPの原因遺伝子であることを2013年にPNAS誌に報告されました。2012年には英国ロンドン大学へ移動され、rd1マウスが遺伝子治療でレスキューできなかった謎を解明され2015年Nature communications誌に報告されています。現在は、東北大学視覚先端医療学寄附講座准教授としてご活躍されています。本日の講演は、「先天性網膜変性疾患に対する遺伝子治療がなぜ高度な視機能の回復を得られなかったのか」という大きな疑問に対する先生の探求の成果をお聞きできる貴重な機会だと思います。是非、皆様ご参集ください。
(文責:佐藤 茂)

抄録:

近年、重症先天性網膜変性疾患に対する視覚再建遺伝子治療の臨床試験が行われたが、期待に反して高度な視機能の回復は得られなかった。その原因の一つに、治療が手遅れだった、つまり視路の可塑性喪失が考えられる。我々は、先天的に低視機能を来すマウスモデルを作製し、様々な時期に遺伝子治療による網膜機能再建を行い、その効果を網膜と大脳レベルで解析した。その結果、マウスでは、生後16カ月までは、治療時期によらず高度視機能の再建が可能であることが判明した。
一方で、片眼治療して2.5か月後に対側眼の治療を行った場合、生後3.か月に治療を開始した方が、生後9か月に治療開始したマウスに比べて、対側眼の視機能再建が良好であった。しかし、生後11.5か月でも、ほぼ両眼同時に治療することにより対側眼の良好な視機能再建が得られた。先天性低視機能に対する網膜機能再建の効果の治療時期による効果の差異はなかった。但し、対側眼の治療を行う場合は、早期に治療した方がよい結果が得られる可能性がある。

バックナンバー

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関西眼科先進医療研究会について

昨今の眼科医療状況を考えますと、疾患構造の大きな変化、高度先進医療技術を応用した診断機器の進歩、医療面でも屈折矯正手術から網膜下手術まで幅広い治療手段が身近に行えるようになってまいりました。

そこで、これらの先進的な眼科医療をさらに深く掘り下げて、その「基礎及び臨床研修」に先鞭をつけていくと同時に、眼科先進医療の知識を広く啓蒙することによって、地域医療の活性化ひいては会社への厚生及び福祉に貢献することを目的として、「関西眼科先進医療研究会」を平成7年1月に発足いたしました。

本研究会は、この目的に沿って「学術講演会」のほか「研修会・小セミナー」等を大学内のカンファレンス室等で実施しております。

なお、運営は会費をもって当たり、現在法人会員は40社、個人会員は160名が参加されています。趣旨にご賛同いただき入会をご希望の場合は、06-6879-3459までFAXにてご連絡下さい。研究会のご案内等を送らせていただきます。

ご多忙とは存じますが、より多くの方のご参加をお待ち申し上げております。

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