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2017年秋の講演会のお知らせ  <2017.10更新>

 第25回講演会を、下記の要領にて開催いたします。
 特別講演といたしましては、「国内の百日咳対策、新しい章の幕開け」について、百日咳含有ワクチンに関する話題も含め、国立感染症研究所 感染症疫学センター 主任研究官の神谷 元先生にお話しいただきます。また一般演題の発表も、2題予定しております。どうかご期待ください。

 なお今回は、講演会日時と会場が大幅に変更となっております。以下ご確認いただき、お間違えないようお越しくださいませ。(軽食をご用意させていただきます。) また、本研究会の活動の更なる充実を図るため、誠に申し訳ございませんが、当日に参加費500円を徴収させていただきます。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 会員の方々には間もなく、講演会のご案内を郵送します。会員以外の方々も、どうか多数ご出席くださいますようお願いいたします。
 本講演会の担当世話人は、大阪大学の吉田寿雄先生と、大阪急性期・総合医療センターの高野智子先生です。

共催:大阪小児感染症研究会・一般財団法人 阪大微生物病研究会


出欠は、次の2つのどれかでご返事ください。
a. 郵送するご案内に同封の「FAX出欠回答用紙」に記入の上、事務局あてFAXする。
b. 氏名と所属を明らかにして「kansen*ped.med.osaka-u.ac.jp」へ出欠を電子メールで知らせる。
 (お願い:メールで連絡を送る際には、上記*を、@に変えてお送りください。)



<<講演会>>

日時:平成29年11月16日(木)18:50〜21:05

会場: ホテルグランヴィア大阪 20F鳳凰

〒530-0001 大阪市北区梅田3丁目1番1号
(TEL:06-6344-1235(代表))
JR大阪駅 中央口を出て右手すぐ


<<講演要旨>>

19:05〜19:45 一般演題
@当院における百日咳様の症状を呈した乳児症例の検討
尾上 泰祐(石井記念愛染園附属 愛染橋病院 小児科)
田中 裕介、藤岡 澄司、鶴長 玄哉、山口 智裕、鈴木 晶子、高尾 大士、井石 倫弘、甲斐 明彦、前川 周、 隅 清彰、塩見 正司(石井記念愛染園附属 愛染橋病院)

<目的>
百日咳はカタル症状で発症するが、笛声、レプリーゼ、咳嗽後の嘔吐、無呼吸などの特徴的な症状出現後に疑われる。当院では2010年以降、現在の大阪健康安全基盤研究所に依頼して、LAMP(loop mediated isothermal amplification)法による百日咳菌の検出とPCR法で網羅的呼吸器ウイルス検査を行っている。百日咳様の症状を呈した乳児症例について検討した。
<方法>
2010年1月〜2016年12月までの7年間に当院で百日咳が疑われて入院加療を行った7例について、微生物検査結果、治療法、臨床経過などについて、後方視的に検討した。
<結果>
7例全例に基礎疾患はなく、LAMP法によって百日咳菌を同定できたのは6例であった。百日咳例は男:女=3:4、年齢は0〜7ヵ月(中央値1ヵ月、6ヵ月未満が6例)であった。百日咳診断症例の6例中5例がDPT(IPV)ワクチン未接種児で、1回接種が1例であり、家族内に咳嗽を認めていたのは5例であった。百日咳診断例に対して使用した抗菌剤はピペラシリン単剤が2例、クラリスロマイシン単剤が1例、二剤併用が3例であった。免疫グロブリン製剤は4例に併用された。LAMP法は抗菌薬使用後8日でも陽性例があった。経過中に溶血性尿毒症症候群(HUS)を合併し、転院して血液透析により回復した1ヵ月児例を除き、5例は平均入院日数10.2日間であった。百日咳が否定された1例は、LAMP法で百日咳菌は陰性で、PCR法でEnterovirus(EV) D68 が検出された1ヵ月児であった。
<考察>
百日咳の主な合併症は、肺炎、急性脳症、肺高血圧などがあるが、HUSは極めて稀な合併症である。乳児の百日咳は重症例が多く、今後、LAMP法などで早期に確実な診断が可能となれば、百日咳のカタル期からの抗菌薬治療、百日咳の診断がついた家族があれば、抗菌薬による発症予防なども考慮されるべきであろう。なお、EV D68感染に伴う百日咳様症状については、複数の報告がある。

 

A百日咳と気がつかなかった学童期の長引く咳
岡村 隆行(堺市立総合医療センター 小児科)

【はじめに】長引く咳の診断には、詳細な問診による咳嗽の性状・推移と身体所見の把握が重要である。百日咳も長引く咳の原因疾患の一つであり、咳嗽の性状から容易に診断可能である。今回、長引く咳を主訴に受診、診断がつかず専門機関に紹介したところ、問診のみで百日咳の診断に至った学童を経験したので、自戒の念をこめて報告する。
【症例】11歳女児。喘息の既往なし。某年5月10日に二種混合などの予防接種を施行、その後夜間に増強する乾性咳嗽を認めた。5月22日近医受診、鎮咳剤とクラリシッドを処方されたが、夜間・朝方に強い咳嗽が持続した。6月1日夜に「息が吸えない」様な呼吸困難感がありヒューヒューという呼吸音が聞かれたが、30分程度で自然軽快した。翌日近医再診後当院に紹介された。当院受診時、咳嗽はなく、呼吸音は清明、喘鳴は全く認めなかった。胸部Xpで異常所見はなかったため、鎮咳剤とモンテルカスト、頓用薬としてプロカテロールを処方し帰宅とした。6月5日の再診時も乾性咳嗽は持続しており(診察時咳嗽なし)、呼吸機能検査を施行したが異常は認めなかった。咳嗽の原因は不明であったが全身状態は良好であったため、鎮咳剤による治療を続行した。6月12日にも改善なく、運動時の咳嗽も認めたため運動誘発喘息なども考え専門病院を紹介した。紹介先病院にて咳の性状が百日咳に典型的であることを指摘され、血液検査にて抗百日咳毒素(PT)抗体の上昇を認めたため確定診断に至った。
【考察】学童期以降の百日咳を診断することは比較的稀である。しかし、ワクチン接種後数年で予防効果は低下するため、小学生以降での発病はあり、乳児への感染源ともなり得る。学童期以降の長引く咳を診た際には、鑑別疾患として百日咳を忘れてはならないと痛感した。

 

20:00〜21:00 特別講演
○国内の百日咳対策、新しい章の幕開け
神谷 元(国立感染症研究所感染症疫学センター 主任研究官)

 百日咳はWHOが提唱する拡大予防接種計画(EPI)に含まれる予防対象疾患の1つであるが、ワクチンによって十分コントロールできていない。このため、海外では特に重症化しやすい乳児を守る対策が実施されている。これは百日咳を全数報告サーベイランスによりモニタリングし、全年齢における百日咳患者の分布や特徴が把握されていること、またワクチン効果を正しく評価した研究が行われた結果、それらに基づいた政策提言が行われているからである。
 日本では百日咳は感染症発生動向調査における定点把握の5類感染症であり、全国約3,000の小児科定点から臨床診断による患者数が年齢、性別ごとに毎週報告される。このため、小児における百日咳流行のトレンドは把握できるものの、成人の状況の把握は困難である。また、2週間続く咳が届出基準に含まれていることから、1週間程度の咳で医療機関を受診し、検査診断で百日咳と診断されても届出が受理されない。現在のサーベイランスでは百日咳の真の疾病負荷の把握は不可能である。
 百日咳に対する国民の抗体保有状況調査の結果によると、百日咳菌の百日咳毒素(PT)に対する抗体保有率は、月齢6〜11カ月は90%に達するが、年齢が上がるにつれ抗体保有率は低下し、5〜6歳周辺が30%以下と最も低くなっている。それ以降は年齢とともに上昇しているが、定期接種のスケジュールや報告患者の年齢分布を考慮するとこの上昇はおそらく自然感染による抗体価の上昇を反映していると思われる。我々や全国の自治体の皆様が実施される百日咳アウトブレイク調査の調査報告をみると、昨今の百日咳の流行は中学校での流行や小中学生での集団発生を端とした地域流行などとなっている。これらの年代や、成人層の百日咳は乳幼児への感染源になりうるため、報告される百日咳患者の年齢が高くなることは百日咳に対する新たな対策の必要性を強く感じさせる。
 幸い百日咳の新しい検査診断法(LAMP法)が確立され、正確な百日咳の疫学の把握に向け、2018年から全数報告サーベイランスに移行する。また、青年、成人層に接種できるワクチンの認可も行われるなど百日咳予防を強化する環境は整いつつある。国内の百日咳対策の新しい章の幕開けを迎えるにあたり、国内の百日咳を取り巻く現状や海外の状況などについてご紹介する。

 



 ご不明の点があれば当研究会事務局「kansen*ped.med.osaka-u.ac.jp」あてに電子メールでお問い合わせください。
(お願い:メールで連絡を送る際には、上記*を、@に変えてお送りください。)

大阪小児感染症研究会代表世話人 大薗恵一
                                    事務局担当世話人 塩見正司、山本威久

 
 
大阪大学小児科

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