新着情報

【2】カリウムチャネルの機能制御

(1) RGS(Regulators of G protein signaling)蛋白質
G蛋白質制御内向き整流性カリウム(KG)チャネルは心臓では徐脈を引き起こし、神経では遅延性の抑制性後シナプス膜電位を形成します。KGチャネルはKir3.1-Kir3.4の4種のサブユニットによって構成されます。それらのサブユニットは組織、細胞によって異なる組み合わせで、同種または、異種4量体を形成します。このKGチャネルは、主にG蛋白質の解離型βγサブユニット(Gβγ)が直接結合することで活性化されます。アゴニストによって刺激されたG蛋白質共役型受容体(G-protein coupled receptor)は、3量体G蛋白質のGαサブユニットをGDP型からGTP型に変換します。その結果、GβγはGα-GTPから解離し、KGチャネルを活性化するわけです。これは、アゴニストという細胞外の化学信号が電気信号である膜電位変化へ情報変換される過程です。   元々KGチャネルが電位依存性に活性調節されることが知られていました。近年、この調節機構に、GαサブユニットのGTP水解活性を促進するRGS蛋白質(Regulator of G protein Signaling)が関与することが明らかになりました。その機構は以下の通りです。
1.心筋細胞のRGS蛋白質は、定常状態では細胞膜のリン脂質 PI(3,4,5)P3 (PIP3)によって機能が抑制されています。
2.細胞内のカルシウム濃度を増加させる脱分極等の刺激は、カルシウム/カルモデュリン複合体(Ca2+/CaM)の産生をもたらします。
3.このCa2+ /CaMがPIP3と競合的にRGS蛋白質と結合し、Ca2+/CaM/RGS複合体が形成されます。
4.PIP3を解離したRGS蛋白質はGα サブユニットのGTP水解活性を促進する。
 以上をまとめたものが下図ですが、このようなPIP3によるRGS蛋白質の機能の抑制とCa2+/CaMによる脱抑制が、RGS蛋白質活性制御即ち、生理的なG蛋白質シグナル制御に機能すると、我々は現時点で推測しています。


RGS

研究成果の解説トップに戻る