大阪大学医学部 形成外科
Department of Plastic Surgery Osaka University Graduate School of Medicine

教室紹介

 
 教授挨拶

 大学はその役割上基礎的な研究を重視すべきであると言われ、それも当然一理あるのですが、臨床系の教室においては診療や医師教育をおろそかにしては本末転倒になります。

 特に形成外科のように臨床能力を身につけるのに長い年月を要するような診療科においては教室として重視すべき事柄を見誤ればそこで育つ多くの形成外科医に誤った価値観を与えてしまうことになり、ひいては多くの患者の方々を不幸にすることになりかねません。
 優れた診療を提供する中で教室員に十分な臨床能力を身につけさせることこそが形成外科医と名のつく医師を世に送り出す臨床教室の本務であると考えています。

 しかし多くの場合、医師教育においては大学病院の臨床経験だけでは十分でありません。大学病院で扱う疾患には特殊性があり必ずしも市中の病院で扱う疾患と一致するわけではありません。
 私自身これまで約30年間の形成外科医としての人生の中で初期の10年ほどの年月を市中病院の形成外科で過ごしており、その時の経験が大きな財産となっています。

 そこで大阪大学の形成外科学教室は数多くの市中病院を形成外科研修施設群として築き上げ形成外科の多岐にわたる疾患を体験できる教育システムを築き上げてきました。

 この研修施設群の中にはそれぞれ特殊な疾患を専門的に取り扱う施設等も含まれており、この施設群で研修する間に他では身につけることが困難なような幅広い臨床能力を身につけることができるようになっています。

 また、当教室では形成外科本来の臨床に直結した研究を重視し世界に発信する学問的業績を上げており、これについては業績紹介をご覧頂きたいと存じます。

 患者の皆様に優れた形成外科医療を提供すること、優れた形成外科医を養成すること、形成外科医を養成するための優れた教育者を育成すること、斬新でかつ安全な形成外科医療を開発すること、このいずれもが大阪大学医学部の形成外科に求められていることです。

 この目標のために当教室では日々邁進しています。
 教室の概要

●名称
 講座としての教室の正式名称は「国立大学法人・大阪大学・大学院・医学系研究科・外科系臨床医学専攻・器官制御外科学講座・形成外科学」です。 医学部付属病院においては形成外科という診療科名で、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、皮膚科とともに感覚・皮膚・運動系科に属しています


●沿革
 現在の大阪大学医学部形成外科学教室の源流は大阪大学皮膚科学教室のなかに形成外科診療グループが作られた昭和55年7月に遡ります。
グループ長は14年間にわたって松本維明が務め平成6年7月からは細川亙に替わりました。
 この診療グループが独立し、形成外科が診療科として公式にスタートしたのが平成11年2月であり、さらに平成13年には講座として認められ現在に到っています。
 研究テーマ

●乳房再建

 乳房再建は当教室における臨床的なテーマの柱のひとつである。
 年間の手術件数は200例以上で全国でもトップクラス。担当は矢野健二教授と冨田興一学内講師。
(「エキスパンダーを用いた乳房再建における感染リスク因子解析」の概要はこちら
(「広背筋皮弁による乳房再建における経時的皮弁量変化の検討」の概要はこちら
(「インプラントによる乳房再建後の整容性に対する影響因子の解析」の概要はこちら

顔面神経麻痺
顔面神経麻痺の治療も研究テーマであると同時に臨床テーマとして力を入れている。
(「端側神経縫合と神経移植を用いた顔面神経再建の術式とその成績に関する研究」の概要はこちら
末梢神経再生の研究を軸索ガイダンスの観点から行っている。分子生物学的な実験から動物実験まで幅広く行えるのが当教室の特徴である。

頭頸部再建
耳鼻咽喉科・頭頸部外科と連携し、悪性腫瘍切除後の頭頸部再建を積極的に行っている。
(「舌癌再建術後の機能に対するリスク因子解析」の概要はこちら
(「皮弁再建を要した頭頚部癌症例の術後成績に関する後ろ向き検討」の概要はこちら



●創傷治癒
 線維芽細胞と神経軸索の相互作用を解析し、神経軸索が創傷治癒に与える影響を研究している。
 また、いくつかの分子に焦点を当て、それらの創傷治癒におけるシグナル伝達の研究を行っている。

(「V.A.C. グラニューフォームキット シンプレイスEX及びV.A.C.ホワイトフォームを使用しての医療者側の満足度調査」の概要はこちら

 


血管腫・血管奇形
放射線科・整形外科・小児外科・耳鼻咽喉科・脳神経外科・病理診断科など関係各科と連携した症例検討会:Osaka University Vascular Anomaly Conference(OUVAC)を通じて、これまで「血管腫」とひとくくりにされていた病変に最新の診断を行い、集学的治療に挑戦し続けている。
病変血管のつながり解析に基づく血流シミュレーション・圧縮縫合とラジオ波焼灼を利用した非切開低浸襲治療が特徴的である。
 大阪大学医学部形成外科 〒565-0871 吹田市山田丘2-2-C11