統合失調症をはじめとする精神疾患は慢性で重篤であることから、精神科医療に携わる精神科医をはじめとするさまざまな職種が協力して全力で長期にわたる治療を行っています。医学・医療の進歩により、よりよい治療が提供できるようになっていますが、まだ十分とはいえません。

厚生労働省の統計資料によると精神科患者数は平成8年には188万人であったものが平成17年に264万人の1.4倍に急増していますが、よりよい治療を行うための基盤となる診療報酬は削減する方向にあります。

我々は徐々に縮小される医療の中で全力を尽くしていますが、このままでは今までと同じ水準の医療を行うことすら現実的に難しいといえます。それにもかかわらず医療の質の向上と効率化が必要であることはいうまでもなく、我々はこの一見矛盾した問題を解決することを期待されています。

そこで我々は、新たな治療法・診断法の開発を行うことにより、この問題を解決することができるという考えにいたりました。新たな治療・診断法の開発を目指した研究は時間がかかりすぐに効果が表れるものではありませんが、現在の問題点を根本的に解決し、精神科医療に貢献するものであると信じています。

大阪大学大学院医学系研究科附属
子どものこころの分子統御機構研究センター
特任准教授 橋本 亮太

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