本研究グループは、統合失調症をはじめとする精神疾患のトランスレーショナルリサーチを行っています。トランスレーショナルリサーチは、研究概念図と研究手法に示したように精神疾患の脆弱性遺伝子を同定するリサーチデータベースを用いた臨床研究と、同定した遺伝子に基づく治療法・診断法の開発のためのリサーチリソースを用いた基礎研究の二つの部分からなります。
1.研究概念

2.研究手法

3.研究体制
本研究は、大阪大学精神医学教室の関連精神科施設の協力を得て、本学をはじめとして他の大学・研究所との共同研究を進めながら、行っています。
本研究グループでは、精神疾患の研究に興味がある方の参加または共同研究を歓迎しています。
●トランスレーショナルリサーチとは?
医療分野におけるトランスレーショナルリサーチは、経験科学である臨床医科学の定量化によってゲノム医科学を用いた臨床研究を基礎的な生命科学研究に結び付けて、最終的に臨床応用可能な新しい診断法や新しい治療法に結びつける研究のことを言います。
●中間表現型とは?
精神障害の中間表現型は神経生物学的な指標で以下の6つの条件を満たすものである。1)遺伝性があること、2)量的に測定可能であること、3)弧発例において精神障害や症状と関連すること、4)長期にわたって安定していること、5)精神障害の家系内で精神障害を持たないものにおいても発現が認められること、6)精神障害の家系内では精神障害を持つものでは持たないものより関連が強いこと。記憶・知能などの認知機能や、脳皮質体積・前頭葉機能などの脳画像、脳波・驚愕反応などの神経生理学的指標、遺伝子発現などが用いられている。
●ディスバインジンとは?
ディスバインジンは、統合失調症の遺伝子連鎖研究と関連研究から統合失調症の脆弱性遺伝子としてはじめて見出された遺伝子である。本グループではディスバインジン遺伝子が日本人においても統合失調症と関連することを初めて示し、ディスバインジンの神経系における機能(グルタミン酸の放出や神経保護作用への関与)を世界で初めて報告しました(Hum Mol Genet, 13:2699-2708, 2004)。
