Home↑

現在サイバーナイフでは
体幹部の治療はできません

サイバーナイフ(CyberKnife)は、最近のコンピュータ技術・ロボット工学・画像認識技術の進歩と共に、米国で開発された放射線治療装置である。この新しい装置は超小型リニアック(135kg)を6 軸制御の日本製産業用ロボット(Fanuc社、繰り返し精度0.4mm以下)に取り付けたものである。更に二台のX線透視用カメラを患者の動きのモニターに利用することにより構成されている。つまり眼(透視用カメラ)と腕(ロボットアーム)と頭脳(治療計画装置)を持つ高精度の定位放射線治療装置である。それらの組み合わせと新しい発想により従来の放射線治療とは異なる様々な特徴を有する。
CGイメージ(全体の動きの約3割をシミュレーション)サイバーナイフは100か所以上のロボット停止位置から照射を行う。それぞれの照射位置において、サイバーナイフではIPS (Image Processing System)と呼ばれる患者の位置認識システムを用いて、正確な病変部への照射が行われる。この過程は以下の通りである。まずロボットが停実写の合成写真 実際は100ヶ所以上の位置に動く止位置に止まるとX線透視が行われ、リアルタイムの画像が治療台の斜め下部2カ所に取り付けられた透視用カメラにより取り込まれる。このリアルタイムの画像とCTから再構成した透視用カメラに映るべき画像で照合を行い、患者のずれを定量的に認識する。巡航ミサイルのナビゲーション技術を利用したものである。患者の位置情報はロボットに転送され、患者を動かすことなくロボットがリニアックを移動させることにより、病変部に正確に照射を行う。このため患者は観血的なフレームで固定される必要がなくなった。
Arbtrary shape planning の場合、各ビームはアイソセンターに向かって照射されない サイバーナイフでは、ロボットアームを用いることにより、リニアック部分の動きの自由度を飛躍的に高めることが出来た。これにより従来の放射線治療装置では不可能であったアイソセンターを持たない照射が可能となる。アイソセンター以外への照射で不整形腫瘍に対しても出来るだけその腫瘍の形に合わせた照射が出来るようになった(Arbitrary Shape Planning:赤色:腫瘍、青色:照射ビーム) 。
阪大病院では1998年4月に日本での第一号機を導入し、延べ約170人の患者さんを対象に、脳腫瘍・頭頚部腫瘍(良性・悪性とも)に対しての定位放射線治療を行っている。

<関連事項>

共同通信社・医療新世紀(2005年6月14日)に掲載
日本経済新聞・社会面(2001年9月27日)に掲載

読売新聞・医療ルネッサンス(1999年7月29日)に掲載
*対象疾患は? top↑

 現在は、頭蓋内および頭頚部領域の良性・悪性腫瘍、および機能性疾患を対象としております。(肺・肝臓などの体幹部腫瘍は適応になっていません)
頭蓋内:
原発性脳腫瘍、転移性脳腫瘍、良性腫瘍(聴神経鞘腫、下垂体腺腫、髄膜腫など)、機能性疾患(三叉神経痛)
頭頚部領域:
頭頚部腫瘍(口腔内も含む。中位頸椎まで治療可能)、神経鞘腫

 狭い範囲の病変を正常の組織にできるだけ障害を与えずに治療するため、病変が小さく、数も少ない場合が対象になります。具体的には、”大きさは3cm程度まで・数は3つまで”、が目安になります。
ただし、これ以上の場合でも通常の放射線治療・抗癌剤治療を行ない、縮小させたのちサイバーナイフを行なうこともあります。

*治療期間は? top↑

 多くの場合、1回照射(1日)または3回照射(3日間)です。通常入院で治療しております。治療前に2-5日間程度入院し、検査や準備をします。総入院期間は概ね7-10日間です。

*医療費は? top↑

 サイバーナイフ治療関連だけでは63,000点(630,000円)です。これには保険診療が適用されます。たとえば2割負担の方は、126,000円の自己負担となります。1回照射で治療しても3回照射で治療しても同額ですし、治療計画のために撮影する造影CTの費用も含まれます。入院・各種検査・外来診察などの費用は別途必要となります。

*治療の流れは? top↑

 まず準備として、治療計画のために造影剤を使用したCTを撮影します。この時は、治療時と同様に頭部を固定します。固定にはメッシュ状の顔の形に合わせた固定具を用います。従来の固定具のように痛みを伴うことは皆無です。造影CTが終われば、固定具を外しその日の作業は終了です。この間、約30分です。

 治療当日も、まず固定具をとりつけます。そして10分程度の位置合わせの後、照射が始まります。照射時間は、1-2時間です。照射中は治療室外からモニター監視をしております。
 治療中はリラックスしていただくために、お好みの音楽をかけることも可能です。ご希望であれば、お気に入りのCDを持参ください。

*受診するためには? top↑
 
 まず主治医と相談し、大阪大学附属病院放射線科あての紹介状およびレントゲンフィルム(CT/MRI)を持参して受診してください。
 サイバーナイフ外来は毎週水曜日に行なっております。休診している場合もありますので、事前にご確認ください。
(放射線科外来:06-6879-5600)

 初診の方は11時30分までに受付をお済ませください。詳しくは大阪大学病院ホームページを参考にして下さい。
http://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/entrance/entrance.html

 サイバーナイフ外来では、放射線科・脳外科の担当医が相談の上で、治療の適応を判断させていただきます。
 来院されても治療ができない場合もありますので、ご了承ください。

*受診から治療までの期間は? top↑

 概ね1-2週間ですが、場合によっては1ヶ月以上お待ちいただくことがあります。

*ガンマナイフとの違いは? top↑

 サイバーナイフもガンマナイフも病巣部に集中的に照射をする定位放射線治療装置であります。サイバーナイフはX線、ガンマナイフはガンマ線を用いておりますが、生物学的な効果は変わりません。

 一番の違いは固定法です。ガンマナイフでは局所麻酔後、固定具をネジで頭蓋骨に固定します。サイバーナイフでは前述の通り、メッシュ状の顔の形にあわせた固定具で覆うのみです。これは上述のように高度な位置認識システムを用いているために可能となっています。

 ガンマナイフでは侵襲的な固定具を使用するため、何日かにおよぶ分割照射を通常は考慮していません。分割照射を行うと正常組織の障害を抑えながら治療効果をあげることが可能であると考えられております。例えば聴力の残存している聴神経鞘腫や、視交叉に接する下垂体腫瘍などの治療に有効と思われます。

大阪大集学放射線治療ホームへ

当ページに関するお問い合わせは電子メールでどうぞ
www@radonc.med.osaka-u.ac.jp
(C) 1997-2002 Multidisciplinary Radiotherapy, Osaka University