研究分野

バイオインフォマティクス (bioinformatics)

バイオインフォマティクス(生命情報学)は情報科学の観点から分子生物学の問題を研究する分野横断的な学問です。現在、生命の理解を目指した、データ駆動型オミクス情報解析法の開発に関する研究を行っています。

オミクス (omics) は生体内の分子全体を網羅的に調査する学問です。例えば、分子全体として遺伝子 (gene) を考えたものはゲノミクス (genomics) と呼ばれます。遺伝子は生命の運命を分子レベルで決定する因子の1つです。近年、ハイスループットシークエンシングに代表される配列解読実験技術の普及に伴い、遺伝子の配列が網羅的かつ大量に読めるようになったことから、全体から特定の生命現象を理解するトップダウン型の研究が可能となりました。しかしながら、得られるデータは何らかの誤りが混じっていることが多く、そのようなノイズを含む大量のデータからいかに有用な情報を抽出するかが重要で、当ゼミで取り組んでいる問題に共通するテーマです。そのため、情報科学や数理科学の優れた理論に裏打ちされたアルゴリズムを開発することが求められており、医学部ではまだ珍しい、既存のツールの枠を超えた新規手法の開発に力を入れています。もちろん、ツールを開発しただけでは「絵に描いた餅」です。所属研究室は分子生物学的実験 (ウェット) の専門家が集まっており、マウスなどのモデル生物からの生データ (遺伝子の配列情報など) が入手しやすい環境にあるため、開発ツールの説得力のある検証、および真に興味のある生物学的知見を得られる機会に恵まれています。

主な研究テーマ

その他のテーマ

競争的研究資金

  1. 科学研究費助成事業 (学術研究助成基金助成金) (基盤研究(C)), 研究代表者, 細胞動態の解明に向けた時系列細胞集団データ比較法の確立, #21K12109, 2021年4月—2024年3月.
  2. 科学研究費助成事業 (科学研究費補助金) (基盤研究(B)), 研究分担者, RNA編集酵素ADAR1の脳特異的機能の解明, #20H03341, 2020年4月—2023年3月. [KAKEN]
  3. 日本医療研究開発機構研究費 難治性疾患実用化研究事業 (希少難治性疾患の克服に結びつく病態解明研究分野) (A-2), 研究分担者, 左巻きZ型RNAの認識機構破綻に着目したRNA編集酵素ADAR1変異型エカルディ・グティエール症候群 (6型AGS) 発症病態の解明, #20314695, 2020年4月—2023年3月.
  4. 日本医療研究開発機構研究費 難治性疾患実用化研究事業 (希少難治性疾患の克服に結びつく病態解明研究分野) (A-1), 研究分担者, TDP-43オリゴマーに着目したALSの病因解明と治療法の創出, #20314644, 2020年4月—2023年3月.
  5. 科学研究費助成事業 (科学研究費補助金) (基盤研究(B)), 研究分担者, ナノポアシークエンサーを用いたRNA二次構造決定法の開発, #19H04210, 2019年4月—2022年3月. [KAKEN]
  6. 科学研究費助成事業 (学術研究助成基金助成金) (挑戦的研究(萌芽)), 研究分担者, マウス中枢神経組織における細胞選択的RNA発現プロファイル解析法の確立, #19K22580, 2019年6月—2021年3月. [KAKEN]
  7. 科学研究費助成事業 (学術研究助成基金助成金) (基盤研究(C)), 研究代表者, 種間で保存されたRNAグアニン4重鎖構造のゲノムワイド解析法の確立, #18K11526, 2018年4月—2022年3月. [KAKEN]
  8. 科学研究費助成事業 (学術研究助成基金助成金) (基盤研究(C)), 研究代表者, 構造情報の粗視化による高速ゲノムワイドRNA遺伝子発見, #15K00401, 2015年4月—2018年3月. [KAKEN]
  9. 科学研究費助成事業 (学術研究助成基金助成金) (若手研究(B)), 研究代表者, 高次構造を考慮した高速RNA間相互作用予測, #24700296, 2012年4月—2015年3月. [KAKEN]
  10. 科学研究費補助金 (挑戦的萌芽研究), 研究分担者, 機械学習と最適化に基づくRNAタンパク質相互作用予測, #23650153, 2011年4月—2013年3月. [KAKEN]
  11. 科学研究費補助金 (若手研究(B)), 研究代表者, ハイブリッド型最適化によるRNA間相互作用予測, #22700313, 2010年4月—2012年3月. [KAKEN]
  12. 科学研究費補助金 (若手研究(スタートアップ)), 研究代表者, 形式文法に基づくRNAタンパク質相互作用予測, #20800023, 2008年4月—2010年3月. [KAKEN]
  13. 科学研究費補助金 (特別研究員奨励費), 研究代表者, 生物配列の高次構造記述向き形式文法とその構造予測への応用, #172830, 2005年4月—2008年3月. [KAKEN]

学生の皆さんへ

今後ますますデータが蓄積されて、既存ツールの枠を超えた新規解析手法を開発するスキルが重要になってくると予想されます。基本的には情報系の研究ですので、紙と鉛筆とコンピューターがあれば、時間、場所を問わずにフレキシブルに実施することができます。指導方法については、学生の皆さんの自主性を尊重しながら、適宜教員との個別ゼミを行い、研究内容のディスカッションおよび進捗を報告してもらっています。学部学生が多く所属しており、学部3年次の基礎医学講座配属から研究を開始して、その後も継続するケースもあります。その多くは、学外で口頭発表し、論文を書き上げており、通常大学院で経験することを学部で経験できるように教育しています。数学や生物学が好きで、簡単なプログラミング経験があり、バイオインフォマティクスのアルゴリズム開発に興味を持たれた方は、いつでもご連絡下さい。学生の皆さんのフレッシュな発想を待っています。



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