大阪大学大学院医学系研究科 核医学講座 / 大阪大学医学部附属病院 核医学診療科・放射線部 Department of Nuclear Medicine and Tracer Kinetics, Osaka University Graduate School of Medicine
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海外留学記
学会レポート
 
   

Annual Congress of the European Association of Nuclear Medicine

Hamburg, Germany,

October 10-14, 2015

渡辺 晋一郎
(特任助教)

2015年のEANM年次集会は北ドイツのハンブルク市で開催された。ハンブルクはエルベ川沿いに開けた港町であり、ベルリンに次ぐドイツ第2の大都市である。ハンバーグの語源となった街としても知られる。大阪とは姉妹都市らしいが、われわれ大阪人に対する特典はない。市の中心部はとても綺麗で洗練されていたが、自分が泊まったホテルの周辺は怪しく危険な雰囲気が漂っていた。気温は日本よりずっと低く、木々の一部は紅葉していた。緑色の木は常緑樹? 街に隣接するアルスター湖では、この寒い中にヨットが何艘も浮かんでおり、もしもチンしたら結構マズイことになると思われるが、愛好家の執念のように感じられた。
EANM年次集会に参加するのは昨年のヨーテボリに続き2回目である。昨年はRI内用療法のCMEセッションなどを聴講し、とてもわかりやすく、感激した。英語を母国語としない人達が多い集会だからか、演者の英語が聞き取りやすく、自分の英語能力が少しは向上したのかと思ったりしたが(←錯覚)、今回は全然そうではなかった。ドイツ人はハキハキ話す人達のはずなのに。自分の発表ではとても緊張し、質問者の英語は何を言っているのかさっぱり聴き取れなかった。
セッションにより聴衆の人数に大きな差があったが、みんな熱心に聴いていた。最終日も比較的多くの人が会場に来ていた。
自分が聴いた演題では、RI内用療法では、神経内分泌腫瘍に対する177Lu-DOTATOCや177Lu-Octreotideなどによる腎機能障害について、どの程度までなら投与を中止せず継続できるかとか、肝転移に対する90Y-DOTATATEや177Lu-DOTATOCの動注療法だとか、相変わらず日本のずっと先を行っていた。213Bi-substance PによるGliobrastomaのα線治療というのがあって、やはり浸潤性が高く根治が難しい腫瘍では特にRI治療への期待が高い。その他には滑膜炎に対する関節腔内投与など。18F-FDGで盛んに行われているのと同様に、68Ga-DOTATATEのPETでSUV値やMTVを測定し、治療効果予測に役立てようとする試みも複数報告されていた。CT部分を造影CTにして、非造影CTと比較するものもあった。169Erという核種は初めて聞いた。PET/MRIの演題もあって、脳や骨軟部領域におけるCTに対する優位性や、X線被曝が無いことをやたらと強調していた。免疫不全者の日和見感染に対するFDG-PETの有用性を指摘する演題では、医療経済的にもよい (感染が再燃してから治療するよりマシ) とのことであった。かつて内科医をしていた頃に、特定の抗生物質を多用したために製薬会社のMRさんから感謝されたことを思い出した。抗生物質の値段は安くはないからである。
これらの演題は、必ずしも帰国後にすぐ応用できる内容ばかりではないが、日本の核医学会ではあまり聞けないような話が聴けるのはおもしろい。
来年のEANM年次集会はバルセロナで開催される。

 

 

   
 
 

 

 

       
       
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