大阪大学大学院医学系研究科 核医学講座 / 大阪大学医学部附属病院 核医学診療科・放射線部 Department of Nuclear Medicine and Tracer Kinetics, Osaka University Graduate School of Medicine
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海外留学記
SNM2012学会レポート
 
   


SNM 59th Annual Meeting
Miami Beach, Florida,
June 9-13, 2012

下瀬川恵久
(准教授)

2012年6月9日(土):
現地時間の夕方5時半、マイアミ国際空港到着。20時間近い長旅。人生で3度目のフロリダであるが、いつもながら遠い。教授以下、5名が同行。学会場はマイアミビーチの中間点に位置し、リゾートゾーン真っ只中である。当然のように街ではビキニ姿の女性が闊歩する中、この夜は時差ぼけの体に鞭打ってレストランに集合し、皆で会食して終了。


2012年6月10日(日):
午前中に早速展示会場に足を運ぶ。今回の目的の一つは小動物用PET/CT装置を吟味すること。教授、某大学院生、私の3名で各社のブースを見て回った。日本と同様にMolecular imagingの熱気もいささか冷えた感のある昨今、会場内でも数年前に比べて小動物用装置の展示は少なくなってしまっている。そんな中、充実の装置をブース前面に押し出して展示しているメーカーでは、某大学院生が説明員に食いついて真剣に質問していた(図1)。引き続き、学会場のConvention centerでポスター貼付作業を行う。今回は当講座からEducation sessionのシンポジウム1演題、一般口演4演題、ポスター演題10演題が採択されており、噂では(中味はともかく)単一講座としての採択数で日本一との事である。実質的に学会初日のこの日はYoung Investigator Award表彰者の講演などが設けられていたが、当講座では該当者なし。また、この日のEducation sessionではPediatrics関係のイメージングや被曝、一般核医学や内用療法の講演が中心であった。そんな中、夕方から東日本大震災に関連した福島でのNuclear emergencyについて日本核医学会理事4名によるシンポジウム講演があった。当講座の畑澤教授も日本における核医学関連団体・業界の今後の活動について発表を行った。直前のスライド受付でいささか冷や汗を掻く事態が発生したが、無事発表を終了(図2)。会場内は日本人が少ないもののほぼ満席状態で、関心の高さが伺われた。
夜の時間帯に一部のポスター発表が行われた。当講座からの18F-FBPA標識合成の演題については、台湾からの参加者を中心に質問者が相次いだ。

2012年6月11日(月)−12日(火):
11日から本格的に一般sessionが始まる。印象としてはやはり画像解析や方法論よりも臨床重視のプログラム構成だと思う。個人的にはSNMに来たら必ず新規PET probeの話を聞くことにしている。Neuroscienceのsessionでは臨床での実用性を意識してか、sigma-1受容体やアセチルコリントランスポーターなど、18F標識化した製剤の発表が多かったが、代謝産物や局所分布について11C標識製剤との解離が問題となっていた。また、古くて新しい製剤と言われる18F-FMISOや18F-FDOPAは、体幹部を含め腫瘍イメージングに演題が多く登場し、関心の高さが伺えた。臨床用PET-MR装置のsessionでは、先のPSMR2012レポートと同様に、吸収補正など画像補正関連の演題や最新のTOF-PETとの組み合わせについての使用経験的な演題が主体を占めており、本格的な臨床応用の報告は未だ少ない。今後の発展的な普及のためには画像再構成上の問題点を解決することが不可欠である。中国、韓国からの興味深い演題としては99mTc-3PRGD2や68Ga-RGDによるangiogenesisイメージングの発表があった。当然のごとく、肺を始めとする腫瘍イメージングが主体であるが、面白い所ではもやもや病のEC-ICバイパス術後のrevascularizationと血行力学的改善との関係や、脳梗塞亜急性期の評価に用いた内容も発表されていた。
12日には畑澤教授の脳槽シンチグラフィの演題がPoster AwardのNeuroscience部門でまさかの第2位に選ばれるというハプニング(?)があった。第1位は隣に貼ってあった東北大の岡村先生で、二人で記念写真となった(図3)。その他、当講座の大学院生の渡辺先生もOncology部門でノミネートされたが、今回は惜しくも受賞を逃した。 夜はOsaka Nightに一同集合(図4)。名大の山本先生も合流したが、食事後の記念撮影では店のお姉さんから何故か’Are you a family?’という意味不明の質問あり。


2012年6月13日(水)−14日(木):
 dullでlazyなマイアミビーチの雰囲気にやっと慣れたと思ったら、早くも帰国である。朝6時に5名がホテルに集合し、ぞろぞろとワシントンに向かった。その後、日付変更線を越えて14日夕方に成田着。国内線に乗り換えて夜に伊丹着。疲れました。
 今回はPost molecular imagingとしてどのような方向に核医学が向かうのか、興味深い気持ちで参加したが、臨床回帰とも言える雰囲気が感じられた。これも世界的な経済不況の中で研究費が限られるなか、実臨床に根ざした内容が求められていることが影響しているのかもしれない。一方、日本からの演題については、新規性や革新性の高い内容は少なかったが、大学を拠点とする研究の発表が多く、同様の傾向が感じられた。
阪大では今年度から核医学を用いたマイクロドーズ臨床試験の体制が本格的にスタートする。来年のSNMでは数に加えて内容的にも一層power upした演題が採択されることを望む。

説明: C:\EKUgerrard2\2012SNM\2012SNM_in_Miami\IMG_0378.JPG図1 小動物PET装置展示ブースにて

 

 

 

 

説明: C:\EKUgerrard2\2012SNM\2012SNM_in_Miami\IMG_0413.JPG図2 Nuclear emergency at Fukushima

 

 

 

 

説明: C:\EKUgerrard2\2012SNM\2012SNM_in_Miami\IMG_0459.JPG図3 受賞を喜ぶ岡村先生と畑澤教授

 

 

 

説明: C:\EKUgerrard2\2012SNM\2012SNM_in_Miami\IMG_0451.JPG図4 Osaka Night終了後

 

 

 

 

説明: C:\EKUgerrard2\2012SNM\2012SNM_in_Miami\IMG_0455.JPG図5 いわゆるマイアミビーチ

   
 
 

 

 

       
       
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