大阪大学大学院医学系研究科 核医学講座 / 大阪大学医学部附属病院 核医学診療科・放射線部 Department of Nuclear Medicine and Tracer Kinetics, Osaka University Graduate School of Medicine
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研究内容(基礎研究)
トレーサーの開発

核医学講座における新規トレーサー開発などの研究は主に医学部附属病院のサイクロトロンとホットラボ室で、臨床検査の空いた時間を利用して行っています。臨床使用しているPET用薬剤は18F-FDGをはじめ、15O-Gas製剤、15O-H2O、11C-メチオニン、11C-酢酸や13N-アンモニアを合成しています。

また、附属病院以外でも大阪大学内には核物理センターには大型サイクロトロン、そして医学部のPET分子イメージングセンターには12 MeVのサイクロトロンが設置されており、それぞれ理学部および医薬分子イメージング学講座と共同で、これらのサイクロトロンを利用した研究も行っています。また、学外でも他大学や他の研究機関と新規薬剤の研究を共同で行っています。さらに阪和第二泉北病院と新規薬剤開発において全面的に協力しています。このように我々は、共同利用を含めると大型サイクロトロンからPET核種製造用の小型サイクロトロンまで4台のサイクロトロンを利用できる体制で研究を行っています。

11C-phenytoin

我々はこれまで新規PET用放射性医薬品として11C-phenytoinを開発してきました。11C-phenytoinの標識合成はこれまでにいくつかの方法が報告されていますが、再現性が悪い、または収量が少ないなどの欠点がありました。原因の一つとしてカルボニル基の導入に用いる11C-phosgene合成が困難であることも挙げられます。しかし、Nishijimaら(北海道大学)と住友重機械により11C-CH4から安定で信頼性の高い11C-phosgeneの合成方法が開発されました(Nucl Med Bio, 29, 345-350, 2002)。我々はこの方法により合成した11C-phosgeneから臨床使用に耐えうる安全性と信頼性を確保した11C-phenytoinの合成方法を開発しました。

11C-donepezil, 11C-PBR28, 11C-flumazenil

11C標識薬剤として現在、我々は11C-donepezil, 11C-PBR28, 11C-flumazenilの標識合成に取り組んでいます。11C-donepezilは東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 11C-PBR28は米国のNIH (National Institute of Health)のMIB(Molecular Imaging Branch)で、11C-flumazenilは世界的にも汎用されている薬剤ですが、我々はより経済的で汎用性の高い方法による合成を目指しています。

124I-標識薬剤

124Iは近年、PET用核種として注目を集めている放射性同位体です。124Iは現在、臨床で汎用されているような核種(11C, 13N, 15O, 18F)と比べて半減期が長いなどの特徴がありますが、β+改変割合が少なく、また放出されるβ+線のエネルギーが高いことなどから124I標識薬剤の標的は腫瘍がほとんどでした。しかし、我々は半導体PETを用いることにより124I標識製剤でも脳機能の画像化が可能であると考え、東北大学との共同研究でiomazenilを124Iで標識した124I-iomazenilの合成に挑戦し、また標識した124I-iomazenilを用いて半導体PETによるラットの脳機能の画像化を試みました。その結果、トリブチルスズを導入した前駆体からスズ-ヨウ素交換反応により良好な放射化学的収率で124I-iomazenilを合成することができ、また半導体PETによりラットの脳におけるベンゾジアゼピン受容体分布を画像化することに成功しました。124Iについては、現在は大阪大学でも核物理研究センターにおいて製造を開始しており、製造した124IとPET-MRIを用いてラットの甲状腺のイメージングに成功しています。

124I-iomazenil PET画像(右)とARG画像(左)。PET画像とARG画像はよく一致している
その他の薬剤・SPECT用薬剤
SPECT用薬剤

PET用放射性薬剤を用いたもの以外にも、SPECT用製剤である123I-IMPの製剤間比較を行ってきました(Kanai Y et al., Ann Nucl Med, )。それ以外にも筑波大学と共同で高分子化合物を123Iで標識し、体内動態の観察を行ったりもしています。

DPA 713(11C標識薬剤)およびDPA 714(18F標識薬剤)

PETアルツハイマー診断薬。同一の前駆体から11Cメチル基を導入することによりDPA713を、18Fフルオロアルキル基を導入することによりDPA714を合成することができる可能性があります。

18F-FBPA

2010年度はBNCT (Boron Neutron Capture Therapy)療法の診断薬として18F-FBPA (Fluoro Brono Phenyl Alanine)の合成を行う予定です。

他のPET用薬剤

前述の124I以外にも現在、大阪大学核物理研究センターと共同で62Feや65ZnなどのPET用核種を製造し、新たな薬剤への標識を予定しています。また、奈良先端科学技術大学などと共同でポルフィリン誘導体をPET用核種で標識する研究を行っています。

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