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海外留学記
第4回 テュービンゲン大学 留学記(Sep 2015-Mar 2016)
渡部 直史
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テュービンゲン大学

ドイツ連邦共和国

渡部 直史 (核医学講座 助教)


 

2015年9月から半年間、ドイツのテュービンゲン大学(University of Tübingen)のDepartment of Preclinical Imaging and Radiopharmacyに留学してきました。テュービンゲン大学は1477年に創設されたドイツで3番目に古い大学で、世界で初めてヘモグロビンが発見されたことで有名です。私の留学先は分子イメージングの分野で高名なBernd Pichler教授のラボで、特にPET/MRのハード開発からアプリケーションまで先駆的に取り組んでおり、数多くの論文を出しています。
 日本のラボと比較して感じたことは、まずヒエラルキーが全くないことです。上司や教授に対しても、大学院生は簡単に”No”と言いますし、指摘されたことにもどんどん言い返します。またラボにはテクニシャンの方が7名在籍しており、複雑なPET実験も彼らの素晴らしいサポートのおかげでスムーズに実験を進めることができました。一方、日本と比べると、動物実験への規制がかなり厳しいために計画書の提出から実験開始まで通常3〜6ヶ月を要するとのことでした。
 留学中の私の研究内容ですが、一番大きなテーマは一体型PET/MR装置(7テスラ)を用いて脳内の代謝とネットワークの関係を調べる小動物実験でした。通常PETでは脳内の代謝や受容体結合能といった情報を得ることができますが、これに安静時functional MRIを組み合わせることで、脳内のネットワークの情報を同時に得ることができます。実験の中ではPET/MR同時撮像を行いながら薬剤負荷を行い、脳内のブドウ糖代謝とセロトニントランスポーター結合能の変化と、脳内の機能的ネットワーク接続の変化を比較しました。fMRIについては全くの素人でしたので、どういった方法で解析を行うかなど時間をかけて勉強することができて、大変有意義でした。
 また大学病院の核医学部門にも見学に行きました。ドイツではRI内用療法がかなり進んでいますが、テュービンゲンにおいても日本ではまだ実施されていない新しい核種の治療などが毎週ルーチンで行われており、大きな格差を感じました。また肝臓の悪性腫瘍に対してSIRT(selective internal radiation therapy)と呼ばれる治療も多く実施されています。この治療は放射性同位元素を標識した塞栓物質(イットリウム Y-90マイクロスフェア)をIVRのカテ経由で肝動注することで、通常より大きな治療効果が得られます。このSIRTの治療前にはTc-99m MAA SPECT/CTによる線量計算や標的外臓器への集積の確認も行っており、核医学とIVRの連携がかなり進んでいる印象を受けました。
 さて、振り返ってみるとあっという間の半年間でしたが、海外に家族で滞在するという貴重な機会となり、ドイツのクリスマスマーケットなども楽しむことができました。今後、この留学の経験を生かして、日本におけるPET/MR研究やRI内用療法の推進に貢献していきたいと思います。

ラボの入口前にて(お世話になったHans Wehrl先生とPh.D.大学院生)

実験で使用したPET/MR装置(7テスラ)

 

テュービンゲンの町の風景(ネッカー川沿い)

 

 

 

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