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HOME研究内容 > レトロトランスポゾン(LINE-1)

研究内容詳細

レトロトランスポゾンとウイルスとの相互作用の探索

私たちは、ヒトを含む多くの哺乳動物のゲノムに、RNAウイルスであるボルナウイルス由来の配列が存在することを発見しました(1)。通常、RNAウイルスはRNAをDNAにする酵素を持たないため、その生活環においてDNAになることはないと考えられてきました。私たちの解析から、宿主ゲノム中のレトロトランスポゾンが、ボルナウイルスの遺伝子をDNAにしていることが明らかとなりました(1)。以後、ボルナウイルス以外の様々なRNAウイルス由来の配列が、宿主ゲノムに発見されてきています。このような相互作用の分子メカニズムの詳細について、研究を行っています。

レトロトランスポゾン-ウイルス相互作用による宿主の変容

では、ゲノム中にウイルス遺伝子を取り込んで、宿主にはどのような影響があるのでしょうか?一般的に、レトロトランスポゾンの転移は、宿主の遺伝子発現を変化させることが知られています。私たちは、レトロトランスポゾンの活性によりゲノムに取り込まれたウイルス由来配列が、宿主のエピジェネティックな制御のターゲットになることを見出しました(2)。さらに、ウイルス由来配列のゲノムへの挿入により、周辺遺伝子の発現が変化することも見出しています(2,3)。一方で、肝炎ウイルスなどでは、レトロトランスポゾンとウイルスの相互作用によりがん化を促進する可能性も示唆されています(4)。このようなレトロトランスポゾン-ウイルス間相互作用の生理的な意義の解明を試みています。

レトロトランスポゾンによるウイルスの制御

宿主ゲノムへのウイルス遺伝子の取り込み現象(transcript reversion)は、実験的な動物細胞へのウイルス感染により再現できます。最近ゲノム編集ツールとして有名になったCRISPR/Casシステムは、元来細菌の免疫機構の一つです。細菌は、感染してきた病原体の遺伝子を自身ゲノムに取り込み、それを利用してその病原体に対する免疫を獲得します。同様に、transcript reversionも、宿主のウイルス制御に関わるという仮説を想定し(3)、その検証を行っています。

ウイルスによるレトロトランスポゾンの制御

もし、レトロトランスポゾンがウイルスを制御することができるなら、それに対抗する手段をウイルスも獲得しているはずです。まだ全く手つかずの分野ですが、少しずつ手がかりを集めています。一緒に研究してくれる人募集中です!

参考文献

1. Horie M, Honda T, Suzuki Y, Kobayashi Y, Daito T, Oshida T, Ikuta K, Jern P, Gojobori T, Coffin JM, Tomonaga K. Endogenous non-retroviral RNA virus elements in mammalian genomes. Nature. 2010 Jan 7;463(7277):84-7

2. Sofuku K, Parrish NF, Honda T, Tomonaga K. Transcription Profiling Demonstrates Epigenetic Control of Non-retroviral RNA Virus-Derived Elements in the Human Genome. Cell Rep. 2015 Sep 8;12(10):1548-54

3. Honda T, Tomonaga K. Endogenous non-retroviral RNA virus elements evidence a novel type of antiviral immunity. Mobile Genetic Elements 2016 Mar 22;6(3):e1165785.

4. Honda T. Links between human LINE-1 retrotransposons and hepatitis virus-related hepatocellular carcinoma. Frontiers in Chemistry 2016 May 11;4:21

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