受賞者:小豆澤宏明
論文名:Prevention of toxic epidermal
necrolysis by regulatory T cells.
(和文タイトル「制御性T細胞による中毒性表皮壊死症(TEN)の回避」)
雑誌名:European Journal of
Immunology35巻,6号,1722〜1730,2005年
受賞日:2007年2月17日
和訳サマリー
中毒性表皮壊死症(TEN)は、薬剤によるT細胞免疫の活性化を介した表皮障害により、全身の皮膚が熱傷様に剥離する重篤な薬剤副作用であり、薬剤を用
いた動物モデルの樹立は困難で、その病態は十分に解明されていない。我々は表皮のモデル抗原とそれに特異的なCD8+T細胞受容体の両方の遺伝子をもつマウス(dTg)を作製することで、TENの病態を再現した。通常の胸腺を持つdTgマウスでは生後6ヶ月まで皮膚に変化が見られなかったが、胸腺を持たないdTgマウスを作製したところ、すべてのマウスが生後8から12週でTENを自然発症した。胸腺を持つマウスでは胸腺由来のCD4+CD25+制御性T細胞(Treg)がTENの回避に関与していることが示唆され、これを抗体投与により除去するだけでTENを誘導しえたことから、TregがTENにおける薬剤特異的CD8+T細胞による表皮障害を抑制していると考えられた。