| 1)未熟児くる病の病態におけるFGF23の動態の解析 |
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未熟児くる病の病因として中心をなすのはカルシウムとリンの絶対的不足と言われています。たくさんのカルシウム、リンが胎盤を通して蓄積される妊娠後期を過ごすことなく生まれてくる早産児はカルシウム、リンの蓄積量が不足した状態で、また、出生後も摂取量は不十分であるため、未熟児くる病が出現すると言われています。
近年、線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor:FGF)23は、血中を循環するリンとビタミンD代謝を調節する液性因子であることがわかってきましたが、新生児期におけるFGF23の動態についてはまだわかっていません。
本研究では新生児におけるFGF23の動態と、未熟児くる病におけるFGF23の関与を解明し、未熟児くる病の治療に役立てたいと考えています。
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| 2)臨床研究 |
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大阪大学小児科関連病院のネットワークの広さをいかして、新生児を扱う施設での日常診療における問題点を
evidenceを明らかにしていくことで医療の質の向上を目指しています。現在までに、新生児溶血性黄疸に対するガンマグロブリン療法についての報告、また、ウイルスグループと共同で、先天性サイトメガロウイルス感染症のスクリーニング法について報告してきました。 |
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| 3)新生児低酸素性虚血性脳症におけるプロスタグランジンD2の役割の解析 |
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低酸素性虚血性脳症における脳組織の傷害には様々な炎症反応の関与が報告されています。神経発達グループ、大阪バイオサイエンス研究所、大阪府立母子保健総合医療センター病理部との共同研究により動物モデルを用いて炎症媒介物質であるプロスタグランジンD2の役割を解明しています。私たちの研究グループでは主に以下の手法を用いて病態解析を進めています。
1、新生児低酸素性虚血性脳症モデルの作成(マウス、ラット)
2、免疫組織化学による各種関連物質発現細胞の同定
3、リアルタイムRT-PCRを用いたmRNAレベルの経時的変化の解析
4、レーザードプラー脳血流計を用いた小動物での脳血流解析
現在、これまでに得られたデータをもとに、新たな脳保護療法を検討中です。
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| 4)乳幼児突然死症候群(SIDS)の病態解明 |
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乳幼児突然死症候群(SIDS)では脳内での炎症性変化、アポトーシスなどが報告されており、これらの機序は周産期脳障害との共通点があります。またニューロンの未熟性や無呼吸からの回復遅延なども未熟児との生理的な類似点が示唆されていることから、SIDSの病態解明に力を注いでおります。
本研究では、大阪府立母子保健センター病理部や大阪大学法医学教室で保存されている剖検脳を用いて、免疫組織学的手法により病態の手がかりを得ようとしています。 |
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| 5)ヒトiPS細胞を用いた染色体異常症候群における合併症の発症メカニズムの解明 |
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染色体異常症、とくにダウン症候群では精神発達障害・先天性心疾患・内分泌異常・白血病などさまざまな合併症が見られます。しかしトリソミーによる遺伝子発現の過剰というだけではこれらの症状がなぜ起こるのかを説明することはできません。またダウン症候群の適切な研究モデルがないため、その発症メカニズムの研究は進んでいません。
iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、皮膚や血液検体に遺伝子導入するだけで各患者さん固有の幹細胞を作り出すことができる技術です。これを体の組織に再び分化誘導することで、これまで不明であった多くの難病の病態解析が可能になると期待されています。私たちは当科に受診されている患者さんからの検体を用いて疾患特異的ヒトiPS細胞を作成し、さらに心筋・神経・血球細胞などに分化誘導することによって、染色体異常症候群における合併症の発症メカニズムの解明を目指しています。将来的にはこれをさらに発展させ、臨床的知見に基づいた小児難治性疾患の病態解明と治療法の確立を目指します。
この研究テーマは科学技術振興機構さきがけ「iPS細胞と生命機能」領域に採択されました。
http://www.ips-s.jst.go.jp/j/sakigake3/saki_02.html
http://www.ips-s.jst.go.jp/index.html |
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| 6)臍帯・胎盤組織からの人工多能性幹細胞(iPS細胞)の樹立 |
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臍帯・胎盤組織は分娩後に廃棄される組織です。私たちは当NICUにおいて生まれた赤ちゃんの臍帯・胎盤からのヒトiPS細胞の作成を行っています。この技術によって、皮膚生検や採血検査のようにこどもにストレス・侵襲を与えることなくiPS細胞を作成することができ、小児難治性疾患の解析が容易になるばかりか、細胞のバンク化によって再生医療にも役立てることができると考えています。
現在、このヒトiPS細胞を用いた研究をいっしょに進めてくれる大学院生を募集中です。やる気さえあれば出身大学・学部は問いません。 |