内科学

循環器内科学

大阪発の新しい循環器医療を世界の患者さんに届ける
    • 疾患を見つめることから始める研究展開
    • 最先端手法を駆使した循環器疾患の発症機序・病態解明
    • 新技術の開発により研究成果をベッドサイドに還元する研究
教授 坂田泰史
内科学講座 循環器内科学
循環器内科学教室は、2005年春の内科再編により、旧第一内科心臓研究室、旧第二内科循環脂質研究室、旧第三内科循環器研究室が一緒となり創設されました。初代教授堀正二先生、二代目教授小室一成先生を経て現在に至っています。

ベッドサイドを起点とし、病因・病態解明に基づく新規診断・予防・治療法の開発を目指した研究

『大阪発の新しい循環器医療を世界の患者さんに届ける』ことを目標に、適切な仮説の提示、病因の同定、病態の解明、そしてそれらの臨床への応用の4つの視点に立ち、各研究グループが協力して研究を進めています。

1.実臨床に根付いた適切な仮説を提示する
(臨床リサーチクエスチョン解明グループ・多施設共同臨床研究グループ)

症例は細かく見れば1例1例が異なります。“臨床医の眼”、”AIの眼”で観察し、新しい仮説を提示し、連携病院を含む多施設研究で普遍性を検証します。

2.病因遺伝子を同定する
(病態分子探索グループ、重症心不全内科治療学研究グループ)

日本医療開発研究機構(AMED)が主導する臨床ゲノム医療データベース事業や、未診断疾患の原因究明プロジェクト(IRUD)に、循環器主要拠点施設として参画し、遺伝性心血管疾患症例のゲノム情報データベースを作りました。更にこの実績を連携病院に拡げることで新規病因遺伝子の同定、及び臨床表現型とジェノタイプの関連を研究しています。

3.細胞・代謝機能を解析し、循環器疾患の病態解明する
(分子心臓病研究グループ、病態分子探索グループ、重症心不全内科治療学研究グループ・循環器脂質・動脈硬化研究グループ)

オートファジー[1,2]、ミトコンドリア呼吸鎖活性制御[3,4]、脂質代謝[5]、血管増殖シグナル[6,7]、DNA損傷応答等の細胞機能に着目し、これらの心血管疾患における役割を調べることで病態解明、新規治療標的の同定を目指しています。

4.基礎研究の成果を、新技術開発により臨床に還元する
(心血管再生グループ、トランスレーショナルリサーチグループ、循環器脂質・動脈硬化研究グループ、医療機器開発グループ、重症心不全内科治療学研究グループ)

AMED再生医療実現化事業として「重症家族性高コレステロール血症に対する同種脂肪組織由来多系統前駆細胞移植療法の安全性の検討」を行っている他、再生医療の実現化、ゲノム編集技術の臨床応用を目指した研究を行っています。また、医工連携を元に医療機器開発にも取り組んでいます。また、当研究室では生体サンプルとして症例の血液、心筋組織検体の蓄積と、不全心筋組織遺伝子発現データベースの構築、疾患iPS細胞の樹立等を行ってきました。それら貴重な生体サンプルを各研究グループで活用し、最終的には患者さんのためになる研究を進めています。

【文献】

1.Murakawa et al. Nat Commun. 6:7527, 2015.
2.Oka et al. Nature 485:251-5, 2012.
3.Kioka et al. PNAS 7;111(1):273-8, 2014.
4.Hayashi et al. PNAS 12(5)1553–1558, 2015.
5.Koseki et al. Nature 14;535(7611):303-7, 2016.
6.Arita et al. Nat Commun 29; 5: 4552, 2014.
7.Hashimoto-Kataoka et al. PNAS 19; 112(20): E2677-86, 2015.