共同研究講座

次世代内視鏡治療学

産学官連携で革新的な医療機器を共同開発するオープン・イノベーション型の研究複合体
  • 大学と企業が連携し、医療現場で見いだされた課題(ニーズ)を解決する革新的な医療機器を共同で開発する
  • 研究開発段階にて発生した種々のデータを大学と参画企業間でしっかり共有し、大学は学術的に発信、企業は機器の開発改良に活用する
  • ラピッド・プロトタイピングに必要となる3D機器一式をそろえ、ベンチテストや非臨床試験に耐えうる試作品を自作する
  • 販社が有する顧客ニーズを研究開発の初期段階からインプットし、幅広いユーザーにアピールできる製品を事業化する
  • 医療機器の研究開発に取り組む企業人材を受け入れ、臨床実習、模擬病院、動物実験施設を活用し、真の産学連携の担い手となる開発人材の育成を行う

産学官連携で革新的医療機器を共同開発。大学ならではの学術的アプローチで「ものづくりを学問にする」研究複合体。

次世代内視鏡治療学共同研究講座では、多くの企業とオープン・イノベーション形式で連携しつつ、これまでに蓄積してきた産学官連携のノウハウを活用して、次世代の超低侵襲治療実現のために必要となる先進的な医療機器類の研究開発を行います。医師の持つ具体的な医療ニーズを元に、それを解決する企業で結成したサブグループで、基礎段階、前臨床から事業化に至るまで一気通貫で取り組み、早期の社会実装をめざしています。

これまでの産学・医工連携による研究開発活動を通じて、「真に求められる医療機器」を社会へ実装するためには、「テクノロジー」以上に、臨床現場の「ニーズ」が重要であることを体感してきました。また、医療機器には上市後のたゆまぬ改良が不可欠であり、この改良にも臨床現場からの中・長期的なインプットとフィードバックが極めて重要であることを実感してきました。
さらには、多くの研究開発プロジェクトを主導するなかで、これら開発の過程は単なる「ものづくり」ではなく、新しい学術データ・知見が含まれた「学問」であり、それら知見を機器のエンドユーザーたる医師が積極的に発信することこそがアカデミアにおける共同研究講座の最重要ミッションの一つである、と考えます。

 

 

具体的な取り組みとして、プラスチック成形・加工技術、金属加工技術、ポリマーサイエンス、精密化学等、医療機器の研究開発に必要な基盤技術を有する複数の国内外企業と連携し、国は補助金という形で参加、連携することで次世代の治療を実現するための先進的医療機器を共同開発し、それら先進的医療機器を現行の治療に転用(スピン・オフ)することにより、技術的難度の高い現在の手技の標準化とさらなる普及(均てん化)に努めています。

これらの活動は参画企業だけでなく、行政側からも評価されており、これまでに獲得した競争的資金(外部資金)45件の原資は厚生労働省、経済産業省、文部科学省等で、現在も公的資金によるプロジェクトを遂行中であります。
これまでに薬機製造承認を取得し、上市前段階のものが4製品、上市に至ったものは11製品、という実績を挙げてきました。
また、教室主著英文40篇、同共著英文92篇と、開発過程で取得したデータの学術的発信にも積極的に取り組むとともに、特許出願105件(登録20件)、意匠登録14件、商標登録2件と、産業財産権の確保にも努めております。これら教室の活動実績は各種メディアを通じて積極的に学外へ発信しており、これまでに新聞34件、雑誌12件、テレビ12件に取り上げられています。

これからも臨床現場・医師とさらに密に連携し、実施中の開発プロジェクトを着実に遂行しながら、試作段階にある開発物の早期事業化、各種産業財産権の可及的確保、ならびに関連する学術データのとりまとめと発信、に引き続き取り組んでいきます。