FTLDについて
前頭側頭葉変性症(FTLD)については、こちらのサイトをご覧ください。
FTLD-Jについて
(1) FTLD-Jとは何ですか?
FTLD-Jの背景
前頭側頭葉変性症(FTLD)は、前頭葉と側頭葉の限局性萎縮によって発症する認知症です。特徴的な行動異常、情緒障害、言語障害、様々な程度の運動障害を伴います。FTLDは前頭側頭型認知症(FTD)とも呼ばれます。FTLDには、行動異常型前頭側頭型認知症(bvFTD)、意味性認知症(SD)、進行性非流暢性失語(PNFA)という3つの臨床サブタイプがあります。
FTLDは、現在のところ有効な治療法がほぼ存在しない疾患です。また、日本(アジア)のFTLDは、欧米のFTLDとは遺伝的な要因や臨床的な特徴が異なることが指摘されていますが、まだ十分には解明されていません。こうした状況の中、私たちは2015年に、日本におけるFTLDの多施設共同研究である「FTLD-J」を立ち上げました。
FTLD-Jの目的
FTLD-Jは、日本におけるFTLDの自然歴(病気の発症や進行の過程)を調査すること、FTLDの発症や進行に関わる遺伝的要因を明らかにすること、さらに髄液・画像・遺伝子を用いたFTLDの診断用バイオマーカーを開発することを目的とした研究組織です。また、日本においてFTLDの治療薬の臨床治験の準備が進められており、FTLD-Jを通じて、円滑に臨床治験へ参加できる体制の構築を目指しています。
FTLDの自然歴調査の重要性
日本におけるFTLDの自然歴を把握することは、将来の治療法開発に向けて極めて重要です。これまで日本では、主にカルテや医師の記憶に基づく後ろ向きの検討がおこなわれてきましたが、あらかじめ設定された調査項目に基づく正確な前向き調査はおこなわれていませんでした。
(2) FTLD-Jの対象となる方はどのような方ですか?
本研究の対象となるのは、下記のFTLD-J参加施設において FTLDの診断基準を満たすと判断された方のうち、患者さんご本人またはご家族が本研究への参加に同意いただける方です。
(3) FTLD-Jではどのようなことをしますか?
FTLD-Jでは、以下の6つの方法を通じて、患者さんの情報を適切に収集し、研究に活用させていただきます。
❶ 遺伝子採血(初回のみ)
初回のみ22mlの遺伝子採血を行います。採血方法は一般的な採血と変わりません。
❷ 調査票の記入(初回)
ご家族から、患者さんの基礎情報や家族歴などの情報を聴取します。また質問紙を用いて、患者さんの認知機能障害や行動異常、日常生活動作(ADL)の程度や、ご家族の介護負担度などの情報を聴取します。
❸ 認知機能検査
患者さんに対して、認知機能検査をおこないます。
❹ 髄液検査(オプション)
髄液の採取をおこないます。方法は一般的な髄液検査と変わりません。
❺ 頭部MRI検査(オプション)
頭部MRI検査をおこないます。
❻ 調査票の記入(フォロー)
基本的に初回以降は、1年に一度、フォローのために②と同様の手続きをおこないます。
(4) FTLD-Jの個人情報はどのように管理されていますか?
FTLD-Jでは、本研究にご協力いただく患者さんおよびご家族の個人情報、研究資料、検体につきましては、個人が特定されないよう二重の匿名化措置を講じた上で、厳重に管理しております。
参加の取りやめについて
研究参加後であっても、ご本人の意思でいつでも参加を取りやめることが可能です。ただし、一度匿名化され個人が特定できない状態になった資料については、取り除くことができませんので、あらかじめご了承ください。
情報の保管について
収集された臨床情報および画像、血液、遺伝子情報は、大阪大学において厳重に保管されます。脳脊髄液検体を採取した場合は新潟大学において厳重に保管されます。
(5) FTLD-Jに参加するにはどうすればいいですか?
この研究に参加いただいても、特別な費用はかかりません。通常の診察に必要な費用だけをお支払いいただきます。ただし、参加いただいても報酬はありませんので、ご了承ください。
(6) FTLD-Jに参加するのに特別な費用はかかりますか?
FTLD-Jでは、FTLDと診断された患者さんに対して、研究へのご協力をお願いしております。研究にご参加いただくためには、まずこの研究をおこなっている参加施設を受診していただく必要があります。詳細については、「FTLD-Jにご参加いただくには」をご覧ください。
(7) FTLD-Jの参加施設を教えてください
「FTLD-Jの参加施設」をご覧ください。
(8) FTLD-Jの参加募集期間はいつですか?
~2027年3月31日までとしておりますが、今後研究計画の変更により延長となる可能性もあります。
(9) FTLD-Jの研究成果について教えてください
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